[サーカスには、きっと不似合いなこの歌は。
観客の胸にどう届いたことだろう。
ジャニスが思い描いていた形>>0:102とは、少し違っていたかもしれない。
どちらにしろ、こんなしんみりしたままじゃ、次の演目に響くよね。
それは、やっちゃいけないこと。
だから、十分な余韻をとったその後で。
奏でられる陽気な音楽にあわせ、膝をついた姿勢から一気に飛びあがった。
狼なんて 怖くない!
怖くないったら 怖くない……!
陰気だったかもしれない前曲を、振り払うように精いっぱい陽気に。
やがて、怖くないんだー、と終えたエフェドラは、支えを失ったようにがしゃんと崩れた。
サポートの団員2人が駆け寄ってきて、頭を足を持って人形を片づけにかかる。
運搬される人形は、ぴんと、横一文字伸びた姿勢のまま、くるりと客席に首を向け。
カクカクと手を振ってから、舞台袖へと消えていった。
こうして。演目の1つ、『踊るマリオネット』は終わりを告げた。
次のメルヘンへと――――バトンタッチ*]
(65) 2014/10/12(Sun) 15時半頃