あたしさー。どーしても団長の仇、うちたくってさー。
我慢できなくってさー。どーかなっちゃいそうなんだよねー!
あっははー! だから……お願い。
[きらびやかな舞台の裏で、抱いた殺意を露わにする。
ぐりり、と眼を見開いて。サイモンに宣言する、妄執の誓いをたてた人形。
本来観客を魅了するべく磨いた技を汚すがごとく、血を流すために利用したいと言う声は、彼にはどう受け止められたのか。
仮に断られたとしても、しごくまっとうで仕方がない。「そっか。ごめんね」と呟くだけだ]
……じゃ、お先に行ってくるわー。
[サイモンが団長を殺した犯人だったら?
そんなこと、どうでもいい。目的のためならリスクなんていくらでも踏んでやる。
もっとも……エフェドラはただ、彼の技術を口実にして、吐き出したかっただけなのかもしれない。
一人で抱え込むにはあまりにも、重すぎるこの衝動を。
余興が終わるのを見計らい、エフェドラは『世にも珍しい生きた人形』として。
舞台に立つスタンバイに入った*]
(61) 2014/10/12(Sun) 15時半頃