――大テント・ステージ裏――
[舞台では、ネクタイを付けたプードルが玉乗りを演じている>>46。
余興を担う者たちが、ステージの熱気を上げていく]
あの子はやるよ。
なんせ、このあたしと一夜をともにしたんだからね。
[言い回しはともかくとして。
物置テントで眠ってしまったのだから、ここについて嘘はない。
……と、傍にいる団員の姿に気がついて、その長身をぐっと見上げた]
へーい。サイモン。調子どう?
[普段通りに映るナイフ投げの男に、気楽な調子で声をかけた。
まさか、予行練習でミスをおかしてしまった>>56なんて、予想だにすることもなく。
平静を務める者同士、ちょっとした軽口くらいは、ここでたたきあっただろうか。
けれど、平静なやり取りから逸脱した言葉を切りだしたのは、エフェドラの方からだった]
(59) 2014/10/12(Sun) 15時半頃