くくく……。
せっかくこの村にお越しいただいた旅人さんもいらっしゃることですから。
それに、人狼の噂がひろがっていることですから。
わたくしが一つ、この村に伝わる伝説についてお話しさせていただきます。
実はこの村、一度滅びているのです。
人狼の手によって。
人狼とは、姿かたちはまったく人間と同じで、夜にその正体を現し、人を襲うそうでございます。
その時村を襲ったのは、女性の姿をした3人の人狼だったそうでございます。
ある日の朝、毎日寝てばかりいる楽天家が無残な姿で発見されました。
前日の晩は、恐ろしい獣の咆哮と被害者の悲鳴が村に響き渡っていたそうでございます。
人狼が村に潜んでいることは明らかでございました。村人たちは、毎日村の集会所に集まって議論をし、怪しい者を毎晩一人ずつ処刑していくことにしたのでございます。
幸いなことに1人目の人狼は占い師の努力もあり、すぐに発見することができ、処刑することが出来ました。
村の霊能者ボー=ヌアが処刑された死体を霊視することによりその正体を暴いたのでございます。
(59) 2013/11/05(Tue) 11時半頃