あ、ちょ!
[思わず白い少女の手を離して追いかける。共に帰ると先程約束したのだ。それを違えるのは、なんだか不安だった。けれど痛みを訴える足では追いつけずに、見送ってしまう。
諦めて引き返せば、そこには先程あった幾人かの姿は見えず。青い部屋へと足を運び、賀来に共に帰ろうと誘うだろうか。
帰る最中、あの青い部屋で話されたことを伝え聞くやもしれない。
人型の異形>>1:499について聞けば、少し考えた後で口を開く。]
人型のシャドウ……あたしも見たよ。二つ。
ひとつは、あたしのペルソナ。
あたしを食べに来た、シャドウだったんじゃないかなって思うん。
恐怖を煽りに来たんじゃないかなって。
でも、受け入れたら消えてったの。
もうひとつは、妖精ちゃんの、お父さん。
あ、本人か影かどうかは知らんよ?
成り代わる前のもんだったらええんじゃけど。
けど……あれは……。
[人だったのかも、なんて。口に出すのは憚られて。
人のぬくもりが欲しくて傍にいるものに縋るだろうか。
あかりが同行していれば、その腕に絡みつくかも知れない。]
(57) 2015/02/16(Mon) 21時頃