[もう嬢ちゃんと言う歳でも無いが、妖怪としてはまだまだ若いのもまた事実。
なんとも言えない己の歳を、つい実感して苦笑した。]
…あー、あの神社の桜なぁ…
そろそろ咲いても良い頃間と思うけど、何時になったら咲くんだろうね、アレは。
[早けりゃ弥生にゃ咲くというのに、皐月になってもまだ咲かない。
…野良の連中から噂は聞いてるが、咲くのをやめて退屈だったりしないのだろうか。
そんな事を思いながらも、出て来た路地に目をやって。
声を落として言葉を続け、顔は少々苦笑い。]
…あの桜、どうにも気難しいからねぇ。
近くに家が建つならともかく、祠くらいなら認めてくれても良いと思うんだけど…
それがどうにも駄目って言うから困りもんさ。
[いや、人見知りってほうかな?
小さな声で呟いて、煮干しお願いねと微笑んだ。
野良の連中の伝聞だもの。情報源にも取り分が無くては。**]
(55) 2014/05/25(Sun) 15時半頃