―食堂へ―
[さてさて。自室へと戻ると、来るべき別れの日のために、無作為に集めた本の分配をせんと、様々なジャンルの本を纏めて紙袋へ入れる。
むん、と気合いを入れて持ち上げ、とにもかくにも人の多いところ。
生まれたての雛のごとき歩みで、自室よりは人通りのあるであろう寮の中央へ足を運ぶことにした。
途中、学徒へ本を分配しながら歩み歩み、まず見えた場所はなれ親しんだ食堂だ。
その中に見えるのは、なれ親しんだ学友だ>>51]
どうも。食事ですか。
[ぺこり。頭を下げて挨拶をする。
片方は、幾度か図書室で無言の交流という名の相席をした覚えがある相手だ。
なにやら熱心に書き物をしているのが気になり、後ろで無言で佇んでいたこともある。多分、気味悪かったであろう。
それから、携帯電話へと熱心な視線を注ぐ学生にもちょこんと頭を下げて]
時に、天文学の本は御入り用ではありませんか。
[同じクラスの彼へと、小首を傾いだ]
(52) 2014/03/21(Fri) 13時頃