― 数日前の深夜・某繁華街 ―
だから、未成年じゃないってば!!
[同僚と仕事で訪れていた、飲食店と風俗店が並ぶ通り。
しかし同僚がトイレの為にその場を離れた隙に、『君、未成年だよね。駄目だよ、こんな時間にこんな場所うろついてちゃ』と、おまわりさんに補導されかけていた]
『大声出して目立つな。馬鹿者』
いてっ! あ、ウォーレンさん。だって手帳見せても信用してくれないんですよ。
[戻ってきた同僚から脳天に手刀を落とされて、涙目で振り返る。
同僚が懐から警察手帳を出し、麻薬取引のタレコミがあって張り込みをしていた事を告げれば、ようやくおまわりさんは、見た目未成年にしか見えない男が本物の刑事――しかも警部補――だと知って、慌てた]
『今日はもう無理かも知れんなぁ……誰かさんが目立ったせいで』
俺だって、好きで目立ってた訳じゃないですってば。
ウォーレンさんみたいに実年齢より老けて見られたい………
[同僚からまた脳天に手刀を落とされながら。どうしてこんな童顔なんだ――と、がっくりうな垂れる藤堂路敏(とうどうみちとし) 35才。ちなみに身長は169センチである]
(44) 2014/06/07(Sat) 11時半頃