―神社→商店街→お屋敷―
[さすがに位の高い者に会うというのに手ぶらという無作法もなかろう。
商店街に立ち寄って和菓子屋でキッチリとした菓子折りを買っておき、背に乗せた成卜の道案内に従い、夕顔の屋敷に辿り着いた。
さてどう声をかけたものか。
たどり着いたはいいものの、誰かが出迎えてくれる様子はなさそうだ。
ならば、玄関まで行くしかあるまい。
古い立派な玄関まで歩いて行き、よく通る声で、屋敷の中に声を張る。]
たのもー!長屋地区の辰次と申すー!
“ゆうがお”様のお屋敷に相違ないかー!
神社の桜についてお訪ねしたいことがあり、こちらに参ったー!
たのもー!
[一応「様」を付ける程度の礼儀は持っていたらしいが、その立ち振舞は粗野そのもの。
背負った成卜や屋敷の家鳴り、何より夕顔本人は彼の行動を見てどう思うのやら?**]
(40) 2014/05/27(Tue) 09時半頃