いや、国谷さんなら今――、
[ 植頭さん>>33の言葉と齟齬を感じる。「壁をすり抜けて行きました」なんて口にすれば、私の積み上げてきた世界が崩れてしまうようで、声にすることはできなかった。代わりに湯呑を手に取り、台所へと向かう。]
大丈夫ですよ。もう、大丈夫です。
[ それは植頭さんと福原君にかけた言葉か、私自身に言い聞かせた言葉か。台拭きを手に取り、零れたお茶を拭う。さて、あまり負荷をかけることの出来ない私の頭から煙が溢れそうになる。これは一度、情報を整理しなければならない。
福原君>>34が部屋を辞したのを見送った後、私もまた立ち上がる。]
私は少し、散歩に行ってきます。
植頭さんはどうぞお好きに過ごしてください。
特に取られるものはありませんし、施錠もお気になさらず。
用事が終われば、そのまま帰っていただいて構いませんので。
[ 動揺を抑える為に仕事時の口調で話しかけて、雪駄を引っ掻けると返事も待たずに部屋を出ようとした。]
(37) 2013/09/03(Tue) 02時半頃