[人となるべく関わらないのは、彼にとって自己防衛の一つでもあった。人と関われば思うことが増える。それは人と人の間にあるべきことであって以下略。
しかし自らが人であることを認めた彼に、その労力は不要だ。それでも一定の距離を取ってしまうのは恥ずかしさやら、気遅れやら、色んな感情の混じり合った結果だった。
人の気配を感じながら、話す声に耳を傾けて。今はそれだけで十分だと思っている彼の視界に、>>19指に挟まれた四角いものが現れた。甘くて、美味しくて、四角い。キャラメルだ。]
………………ん、
[初見の顔は見えない。しかし勧められるものを断ることもできない。気付けば今日は随分沢山のものを貰っている気がする。
両手でミルクのコップを握ったまま口を開けて、手づからキャラメルに食いつく。包装紙に包まれたままかどうかは、確認していなかった。]
(29) nico 2013/09/07(Sat) 22時頃