[扉の向こうから聞こえた狼狽の声>>26は、聞き咎める余裕はなかった。
気付いていたら、とんだとばっちりを向けてしまった相手に照れ笑いで誤魔化すことも──できなかったかもしれないけれど。]
お久しぶりっすヘクターさん!
寒かった寒かった、めっちゃ寒かった。
中はあったかくて俺しあわせ。
[片手でマフラーを解こうとしながら、さも幸せそうに息を吐く。
さてどこに座るかは、一緒に引き込んだヴェラも見つつ追々、のつもり。
今更わざわざ、離れて座るつもりもない。
無理にべったり張り付くつもりもまた、ない。]
ヘクターさんとか、この時期の仕事大変そ。
雷雲亭はいっすね、あったかいし、いーにおいするし、…ライジさんもいるし。
[しみじみとしながら、最後の一言は何とはなしに。
後ろめたいような気恥ずかしいような感情に驚きこそすれ、迎えられるのは嬉しい。]
(27) 2016/01/29(Fri) 00時頃