[元来、猫という生き物はマイペースに見えて空気に敏感だ。自分のペースを崩さないために、周りの空気を読むという術に長けている。
人の多い談話室で交わされる会話や足音、人の気配に意識を傾けながら、コップの端に口をつけてミルクを舐める。
なるべく邪魔にならないように。かつ、なるべく人の目に留まらないように。そう心がけてはいても、一度知った優しさを求めずにいるということも出来なくて。
椅子に座る面々よりも低い位置。三角座りの姿勢を崩さないまま、足の裏をずりずりと擦るようにして、ゆっくりと進む。
一時の居場所として選んだのは>>14いつも穏やかな空気と共にある初見の横だった。
彼の座る椅子に自分の体重の片側を掛けて凭れる。人に直接甘えることが憚られた結果の妥協案。]
…………………。
[無言で、静かにミルクを飲む。]
(16) nico 2013/09/07(Sat) 16時頃