そうですね。俺はいたりいなかったりですから
捕まえたければ、毎日通ってください
[では、と挨拶した後、ボーイに藤堂が帰る時は見送りに出るので知らせてもらうよう告げて。
新しく目の前に経つ客の相手をしながらも、意識はどうしても藤堂の方に向いてしまう]
…そんなことないですよ
俺はいつでもこんなんです――いいんですか?
じゃあ、1杯だけ
[『籠の鳥は今日はご機嫌だね』なんて揶揄に笑って返して。勧められたグラスを受け取ってぐいっと飲み干す。たまにこうして酒を飲むこともある。お代は相手持ちだけど、受けるかどうかは此方で決める
今は、飲みたい気持ちだった。この、何ともいえない緊張感というか気まずさ。自業自得とはいえ素面では少しキツい
業務に支障をきたさないよう薄めに作られているけれど、じゅうぶん美味い酒にふ、と笑みをこぼせば指名客は更にご機嫌で]
(…こんな俺の、どこがいいんだか)
[詰る心の声は届くはずもなく。藤堂からチェックの声、または再指名が入るまで、このまま彼に独占してもらえそうで少しほっとした]*
(11) 2014/06/27(Fri) 00時半頃