[あれは18の夏だか秋だったなあてぼんやり思い出しながら、そこで一区切りして、もう一度お茶を飲む
徳仁の顔を見るのが怖くて、視線は手元にあるお茶漬けを見つめる。ふーとため息をついて、話を続けた]
徳仁さんも知ってるやろけど、地元じゃそれなりに歴史のある酒屋やし、お互い先祖代々の付き合いもあったから…まあさっくり言うと俺が黙って地元を出てそこで大人しくしといてくれれば、"なかったこと"にしましょうと
うちの息子にも比はあるから、慰謝料は払うて。
…俺は何も言えんかった。
悟さんが、こうなったらしゃーないね。てあっさり親のいうこと聞いたんが、ひたすらショックで
『もう一生会えないだろうけど、瑛士は誰にでも優しいし好かれるからオレじゃなくても大丈夫でしょ』
『瑛士なら、もっといい人が見つかるよ』
…で、去年結婚して、改めて地元には二度と戻るな、でもその事とか、ゲイや言うんがこっちでバレんようしろ言われて。
俺は…悟さん以外やったら家族が一番大事やから
言われた通り大人しゅう、ええ子にしとったんやけど
(=272) 2014/07/02(Wed) 17時半頃