[想う人と一年を、それから園芸部を友に過ごした保科。
渡された救急セットに、渡された花束に感じたのはきっと嫉妬だ。
単純に心配してくれただろう気持ちを、素直に受け取れなかったこと。
いつか、許してくれるだろうか。
屋上で、背中合わせに離した小熊。
花粉症だなんて嘘で、眠気のふりをして不器用に涙を隠して拭って。
自分の気持ちに向き合うといった彼に、ありきたりな言葉しか残せなかったけれど。
伝わっていればいい、たった四文字の【がんばれ】が。
たった一年の同室、深い会話をしたわけでもない。
なのに居心地の良い距離でいてくれた、小鳥谷。
時には痛い本の角をぶつけられて、苦手な電話を自分からかけて来てくれて。
信頼している、尊敬している。
それは此方からもだ。
彼がそう思っていなくても、きっと。
彼は親友と、呼べる相手。]
(+26) 2014/04/02(Wed) 02時半頃