21 ─明日も、薔薇の木の下で。
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[手を握り直されて、微笑む。 別に気にしなくていいのに、と。
これは自分の問題なのだから、彼は関係ない]
……ん、
[自分の耳にも、ようやっと足音が届いて ふと、視線を上げる。もう人影が視認できた]
こんばんは、シィシャさん。
[なにやらご機嫌な彼に、穏やかにご挨拶]
(1) 2013/08/04(Sun) 00時半頃
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[なぜだかサミュに体当たりされた肩をさすっていれば、シーシャに発音を訂正されて、困った顔。
もう一度、“シィシャ”と繰り返した。 軽いはずの発音が、甘ったるい張り付くような印象になる。
伸ばしてるつもりなんだけどなあ]
ん…シィシャさんは、寝ないですか?
[すれ違うサミュエルとシーシャの会話に、少し困った顔をして 自分を盾にするサミュエルの手を、優しく力を込めて握り返す]
閉じ込められたら、大変、ですね。 んと……そうなったら、毎日出口を、探さない、と。
(8) 2013/08/04(Sun) 01時頃
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[噛まれたシーシャの爪を見て、痛そうだと眉を寄せた。 痛いのも嫌い。嫌いはいっぱいだ。
それにしても、と。 シーシャがおとなしくなってしまったのと、サミュエルが少しテンポを乱されてるのはもしかすると自分のせいかも知れなくて ふにゃり、困った顔]
んと、私たちは……
[シーシャの問いに答えようとしたとき くん、と引かれた、繋いだ手]
……サミュさん、戻りますか?
[じぃ、首を傾ぐ。 多分、そういうことだと思う]
(14) 2013/08/04(Sun) 01時半頃
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んと……サミュさん、眠い。から、いまから戻ります。
[シーシャに答えて、ごそごそと空いた手でポケットを探る。 そんなしょんぼりした顔をされると、気になってしまうから]
おやすみ、なさい。
[手を差し出し、青色の飴をシーシャに手渡した]
(15) 2013/08/04(Sun) 01時半頃
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[シーシャの残念そうな声に、眉を下げて申し訳なさそうな顔]
ん、また、今度話しましょう。
[差し出した飴玉。 子供を甘やかすようなプレゼント]
差し上げます。いらないです?
[穏やかに笑む顔は、多分 猫たちを撫でてる時と変わらない。
もう一度、サミュエルに手を引かれて、声に出さない謝罪を]
(19) 2013/08/04(Sun) 02時頃
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好き?ありがとお。
[軽い調子の好意の言葉と、幼い笑顔にふにゃりと笑いを返して サミュエルに手を引かれるまま付いていきながら、ばいばいとシーシャに手を振り返し 視線をサミュエルに戻す]
……?
[何故かサミュエルが呆けたような顔をして きょとんと首を傾げた]
(25) 2013/08/04(Sun) 02時頃
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[部屋に戻れば、いつものようにサミュエルはベッドに潜り込んでくる。
暑くないのだろうか。俺は少し暑い。
それでも彼の身体を、落ちないように自分の身体に引き寄せて 髪を撫でてやりながら、ぼんやりと外を見る。
夜の散歩に行けない雷雨は、しかし。 そろそろ改善の兆しが見えてる、気がした**]
(26) 2013/08/04(Sun) 02時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2013/08/04(Sun) 02時半頃
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−自室−
[起きたら涼しかった。
眠いままの手が、意味なく傍らにあるはずの熱を求めて、ぺちぺち寝台を叩く]
……んー、
[誰もいない]
……んー?
[もそり。起き上がる。 もう彼は起きたのだろうか。少し寂しい。あ、外晴れた。
どこかからか仄かに薔薇の香りがするが、それよりもただひたすらに眠くて うつら、うつら。寝台の上で船をこぐ。
少々の物音じゃ起きないくらいには、寝起きは悪い]
(103) 2013/08/04(Sun) 22時頃
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[顔を洗って、まだ眠いけども。独りで眠るのは嫌い。 だから、ふらり外に出る。せっかく晴れたんだし、散歩でもしたい気分。
サミュエルやシーシャやラドルファスみたいに、甘やかせる対象がほしくて。 ふわついた足取りで、音楽に導かれて足を向けた先。
アーネストの姿を見て、ぴたり立ち止まった]
…………
[自分の顔が強張るのが、分かる。 セシルにしては珍しい……と、親しいものなら思うだろうか。 なにもされてないのに嫌う、なんて。 いけないことなのに、止められないのだ]
(107) 2013/08/04(Sun) 22時頃
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[母にここに置いていかれた時から、付きまとう異国の訛りと辿々しい発音を馬鹿にする人間たちの目。 それにひとつひとつ反発して、最低限の自分の権利を守ったのは、自分にとってごくごく当たり前なことだった。
殴られたら殴り返さなければいけない。 それは権利でなくて義務だ。 不当を許すとは、すなわち不当を助長する以外の何物でもない。
だから、だろうか。彼を見ると、酷く。 酷く不愉快だ]
…………
[いや、それよりももっと単純な話。 同族嫌悪に近いのかも、知れない。 単に、自分が言葉に苦労しているのに、彼はそんなことはなくて。それなのに不幸そうな顔をしている彼が気に入らないのかも知れない。
ひとつ確かなのは。 いま、その背を突き飛ばしたら、どんなふうに顔を歪めるのだろうと思うくらいには、嫌いなのだということ。
だから、回れ右をする。サミュエルと彼が話すのも気に入らないけども、別段害はないのだから、と自分に言い聞かせて]
(109) 2013/08/04(Sun) 22時頃
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[向かったのは裏庭。 猫を触らせてもらおう。そうしよう。 サミュエルの代わりの癒しを求めて、ふらりふらり]
……ニーセンさん?
[>>104こてん。 猫といえば、で思い浮かべていた彼がなにやら普段とは違う様子で。歩いていて 眠気の切れ端を滲ませながら、首を傾げた]
おはよう、ございます。お元気ですか?
……えと、……大丈夫ですか?
[少し訛った発音が、笑顔のない彼に投げられる]
(110) 2013/08/04(Sun) 22時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2013/08/04(Sun) 22時頃
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……猫、来ない?
[>>113うつむきがちに話された、少し一方的な言葉。 それが彼の不安を表してる気がして、きゅうと眉を寄せた。
不安が感染したような顔。
いなくなった猫と、普段通りの顔なのに元気のなく見える彼、どちらを心配すればいいのか分からなくて。 分からないから、両方心配しておいた]
……昨日は嵐だったので。 今日は猫たちは隠れているのでしょうか。
[俯いた彼の頭を撫でたら、怒られるだろうか]
(118) 2013/08/04(Sun) 22時半頃
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優しくしちゃダメ?
[>>121まるで親の言葉を真似る幼子のように、おうむ返しに繰り返して 続く言葉には、ううんと難しい顔をした]
嫌なことが猫にありましたか? ……あったのでしょうか?
[なんでもないような顔をして語尾を修正しておいた。
それから、ふと思い付いたようにてまねき]
サミュさん、がいないので。 代わりに、ニーセンさんを構うのは、大丈夫、なのですか?
[寂しい人のもとに擦り寄るのが仕事だというのなら。 自分の寂しさを口実にして、甘やかしてしまおうか]
(127) 2013/08/04(Sun) 23時頃
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……ダメ? そばにいては、くれませんか。
[>>133困ったように、眉が下がる。 子供には飴。サミュエルにはハグ。 なら、猫には一体何をあげれば、笑ってくれるのだろうか。
寂しさと困惑を抱えていれば、耳に入った、罪、という言葉に。 少しだけ、唇を引き結んだ。 ワインの樽の栓が抜け落ちたように、記憶が溢れる。
Mamma, mi dispiace. 一語一句、はっきりと言う幼い声。 昔の自分の泣き声]
(144) 2013/08/05(Mon) 00時頃
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……大丈夫、大丈夫ですよ。 きっと、すぐに、なんでもないことになります。
[慌てて栓をしたけども、溢れた記憶はすっかり思考の床をひたしていて 声が、少しだけ震えた。
それでもなんでもない顔を装って、支離滅裂で一方的な言葉を抑えるように、優しく微笑む。
その言葉がいいかげんで無責任だ、とは 自覚はあった]
猫、見つけたならば、ニーセンさんに、すぐに言います。 ……大丈夫。
[うちのルームメイトの猫は、どうしているのだろうか]
(146) 2013/08/05(Mon) 00時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2013/08/05(Mon) 00時半頃
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―廊下―
[ニーセンともう少し話してから、ふらりとその場を離れる。
鼻を鳴らしたのは、どこからともなく漂う薔薇の香りのせいにしておこう。
音楽室、ピアノの音はもうしない。 それで、同室者の不在が分かる。 アーネストとどこかへ行ってしまったのだろうか。きっとそうだろうな。 自分のバター色の肌の後輩を思い出しながら、ゆっくりと瞬き。 だからといって、自分がどうこういう筋合いはないけども。
ほんの少しの寂しさをそのままに、遅い歩みを進める。 どこに行くあてがあるわけでもない。
空は気持ちがいいくらい晴れていたから、なんとなく窓を見て どこかからか聞こえる足音に、耳を澄ませた]
(156) 2013/08/05(Mon) 01時頃
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ー→談話室ー
[朝食も取らないまま、なんとなしに廊下を歩いて あちらこちらで聞こえる足音を、なんとなしに避けて
ふと、談話室の扉を見上げる。
夜は苦手な場所だけど、朝なら人も少ないとは経験上知っている。 伊達に何年もこの閉鎖空間にいるわけでもない。 サボるポイントも抜け道も開かずの間の開け方も、先輩たちから伝授済みだ。 有効活用するのは、ごく少ないけれども。
誰にも会いたくないけど、なんとなく人恋しい気分には、朝の談話室はそれなりにマッチしている気がした。 扉に手をかけ、そっと押し開ける。
ふと、異様な雰囲気を感じた、気がした]
(174) 2013/08/05(Mon) 01時半頃
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おはよう、ございます。グレッグさん。
[>>182最後の音が消失するような、拙い発音で彼の名を呼ぶ。
サミュエルの幼馴染みで、自分の同級。 警戒心のハードルは、あっさり一番したまで下ろされる。 子犬だって飛ぼうと思えばあっさり飛べそうなくらいに低くなった警戒心をそのままに、ふにゃ、と笑った。
マグカップを持った彼の、固い表情には気が付いたが 彼の誇り高さを知っているから、何も言わず。 だけど、少しだけ心配で眉が下がる。
ついつい出てしまう心配したときの癖は、彼にも何度も見せたもの。 直さないと、言葉にしなくても一緒だとはわかっているけども、なにぶん無意識だ]
……今日は、みんな元気がない、ですか。
[どうせ表情で気が付かれただろうから、躊躇った後口にしてしまう。 無意識、頭を撫でようとしたけど それはさすがに途中で止めた]
(187) 2013/08/05(Mon) 02時頃
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んん……んー、うん。
[>>190というよりは、異様な雰囲気を部屋から感じた、とか。 そういった語彙は持ち合わせてないから、曖昧に頷いておく。
伸ばした手を見られ、少しだけ考えたあと 少しだけ近付き、身を屈めて 笑って笑って、と言わんばかりに、人差し指で頬をつついてやろうとする。
小さな深呼吸も感じられる距離、ふにゃ、とまた微笑んで]
私も、元気がない、です。
[誰をさしてみんな、と言ったのか疑問を残さないために、そんなことを言っておく。 あまりぺらぺらと他人のことを喋りたくはないから]
(195) 2013/08/05(Mon) 02時半頃
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サミュさんが、いないのと ……猫になついてもらえません、でした。
[ふにふに。頬の感触を楽しんでいれば、笑みを作ってくれた。 妙な雰囲気が、薔薇の香りと共に薄れていく感覚。 口で説明は出来ないけれど、この部屋に日常が戻ってきている、気がした]
サミュさん、早起きでした。 今日は、グレッグさんは、サミュさんに会いました、か?
[指で笑顔の線をなぞってから、指を離して首を傾ぐ。 別にいつもサミュエルとべったりというわけではない……むしろ、距離感は大切にしたいほうだけど。 昨日の夜、寝るまで背中を撫でていてくれたから、お礼ともう大丈夫ということを朝真っ先に伝えたかった。 それが出来なかったから、少し残念なだけ]
(206) 2013/08/05(Mon) 03時半頃
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[僅かに早口になった口調。 きょと、と首を傾いで、内心を探ろうとするように見つめる。 サミュエルに何かあったのだろうか。少し心配で眉が下がる]
……サミュさん、元気がない、ですか?
[言ったとき、音が再び聞こえる。 今度は、サミュエルの言葉だった。
同時に思う、バター色の肌の持ち主]
(211) 2013/08/05(Mon) 04時頃
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……サミュさんは、さっきまで アーネとどこかに、行ってたようなの、です。
[ぽつり。独り言みたいに呟く声は サミュエルへの関心よりも、アーネストへの感情が勝っていた。 苛立ちや嫉妬よりも、もっと個人への攻撃のような。
思う。
アーネストのあの可愛い顔をひっぱたいてやったら、どんな顔をするんだろう、か。なんて]
(212) 2013/08/05(Mon) 04時頃
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…………しばらくここにいます。 内緒にしていて、ください。
[ソファにぽすりと座ると、膝を抱えるようにする]
……私は、ダメです。
[独り言は、膝に呟いておいた**]
(213) 2013/08/05(Mon) 04時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2013/08/05(Mon) 04時頃
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からかった、のですか?
[>>214彼らの仲の良さは知ってるつもりだから、悪意のないものだろうとは思うけど。 顔を逸らしたグレッグを不思議そうに見上げれば、ぽふりと頭に手を置かれた。 悪い意味の行為ではないとわかっているから、抵抗はせず。 ただ、もう頭を撫でられる歳でもないから、困ったような笑いが溢れた]
んん……無理をしてはいないの、です。ただ、アーネの、アーネが……
[むう。唸って、顔を膝に埋める。 言葉が見つからないわけではない。穏便にどういえばいいのか分からない。
頭から手の重さが消え、少し涙目の視線を上げた。 置いていかれる犬のように、鼻にかかった、声とも言えない音が落ちる]
ん……。グレッグさんも、何かありました、ら教えてください。
[それから、きょと、と首を傾いで]
トレェルさん、何かありましたか?
(258) 2013/08/05(Mon) 16時半頃
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[グレッグが部屋を出たあと、しばらく膝を抱えていたが 外から物音がして、びくりと肩が震える。
見付かりたくない気分。
そぅっと外へ出て、ぱたぱたと廊下を普段より早足でかけていく。 きっと、今の時間なら誰も来ないはず。
思いながら、開けた図書室の扉。
自分の判断を呪うまで、あと十秒]
……アーネ
[ひくり。 穏やかなはずの顔がひきつった]
(259) 2013/08/05(Mon) 16時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2013/08/05(Mon) 16時半頃
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[玩具を見つけると触らずにはいられない年頃の者たちが集まるこの空間で 一目でハーフと分かるアーネストも、拙い言葉の自分も、周囲の狭い価値観で異質と見なされてきた。 ならば、仲間意識を持ってもいいものだろうけど。
ハーフなのに、綺麗な発音の彼を見るたび 自分の拙い発音が強調されている気がした。 上手く話せない自分を見る彼が、笑ってる気がした。
考えすぎだとは、わかっている。 それでも、母親譲りの激しい気性で食って掛かりたくなるほど、彼のそばにいるとどうしようもない気分になって
ぎゅっと、拳を握る]
(265) 2013/08/05(Mon) 17時半頃
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……調べものです、か? 頑張ってください、ね。
[半ば反射的に紡ぐ言葉は至っていつも通りの言葉なのに、自分でも驚くほどに冷たい声。 表情も、他に向けるのとはあきらかに違う、温度のないもので。
自分に苛立ち、髪をかき このまま出ていくのも露骨だろうと、背を向けて、本を選ぶふり。
ピアノの音が、聞こえる]
……サミュさんと、一緒ではなかったのですか。
[なぜだか、そんなことを言っていた。
本を抜き取った時、派手な音を立てて、椅子にぶつかりながら他の本が落ちる。 まるで癇癪を起こしたような音に、眉を寄せる。 もし外にいる人がいれば、その派手な音を気にするだろうか]
(268) 2013/08/05(Mon) 17時半頃
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……サム
[そうか、彼はサミュエルのことをサムと呼ぶのか。 普段避けていたから、そんなことも知らなかった。
ざわり、と。 自分の中の引っ掛かりが何事か喚いた]
(280) 2013/08/05(Mon) 20時半頃
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[怯えられてる気配がして、苛立ちが胸の中心から広がる。 そうさせているのは自分なのに、理不尽なものだ。 分かってはいても、窺うような視線が向けられて、苛立ちが増す。 意思表示は明確にしてほしい、なんて思うのは、彼にだけだろう。 他の誰がそうしても、きっと自分は話しやすいように水を向けて待つことができるのに]
……あなたが音楽室に行くのを、私は見てました。
[戸惑いと苛立ち。 早くこの場を立ち去るべきだとは、わかっている。 分かっているのに、言葉は流れる]
何をしていたのですか?
[まるで犯罪を犯したものを叱責するような冷たい熱のこもった声。
ぐるりと体の中で渦巻くものは、サミュエルの声変わりが始まった時、感じた戸惑いや違和感によく似ていた]
(282) 2013/08/05(Mon) 20時半頃
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[ふうん、と。 自分で訊いたくせに、興味のなさそうな声。
ふうん]
後輩が元気がなかった、ですか?大丈夫だといい、ですね。
[くるり。 振り返った顔は、穏やかなはず。きっと。
そのままの表情で、一歩一歩、彼に近付いた。 怯えた彼を壁際に追い詰めるように]
今朝、知らない曲、は。アーネの注文、でしたか。 楽しかった、ですか?よかった、ですね。
[自分が何をしているのか、何をしたいのか。 分からないまま、無意味に怖がらせるように]
(290) 2013/08/05(Mon) 21時頃
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