宝の山だと言ってくれるのは植頭さんくらいだよ。 そんな貴方にだから、私も譲りたくなるってものだ。[ 植頭さんに声を返して、福原君が断らない様子に目元が緩んだ。『Hamlet』という文字が光る本に目を落として、小さく口を開く。] どうしてそれが良かったのか、聞いてもいいかい。[ それ、と本を指し示して。首を傾げる。一度手元に視線を落として湯呑に口をつけると、ゆっくりと傾けた。広がる苦味が美味しいと感じられるようになったのは、二十歳を過ぎた頃だったか。珈琲はそれからまたもう少ししてから。味覚の変化に年月を感じつつ、化粧に彩られた福原君の瞳を見つめた。]
(413) 2013/09/03(Tue) 01時頃
sol・la
ななころび
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