[>>194遠い視線の先の朔太郎が電話を示し、手を合わせ。そうして>>196貯水槽の上から降りたのか姿が見えなくなった。まだ屋上にいるのだろうか。角度的にここからは見えない。
トンボを片手に、スマートフォンへと視線を落とす。
画面は朔太郎からの断髪式案内メールが表示されている。
成斗への花はどうしようか。
彼の趣味を自分は知っているが、本人は隠しているし、あからさまに可愛らしい花束やアレンジメントはNGだろう。この時期ならフリージアを中心に黄色で纏めるか。花言葉も成斗に似合っているし。ガーベラのオレンジとカスミソウで束ねよう。
ありふれた餞(はなむけ)。
未来への期待や希望の願いが篭められるそれ。
那由多への花はアレンジか鉢植えにしよう。彼もそれなりに花言葉に触れているだろうから、決して気取られない花を選んで渡そう。
春らしく、チューリップのアレンジメントとか。色は赤。
苦笑が零れた。それ花言葉やばいだろ。
いや、ピンクのガーベラやスプレーカーネーションといっしょに纏めれば、ただの春らしいアレンジだ。気取られまい]
(211) 2014/03/30(Sun) 12時頃