─ →4-Mへ ─
[食堂で、睦井と幾つかの言葉を交わした後、増えた荷物を片付けるべく、寮母のところへ行き新しい段ボール箱をもらい、部屋へ戻った。
そこにはもう、十文字の荷物は残されていなかったが、不思議と、さほど寂しさは感じなかった。
遠く離れてしまうとはいえ、さよならをしたわけではないし、きっと、また遠からず会える日が来る。
それに……]
……ったく、本当に、いつの間に描いたんだよこれ。
[ベッドの下から引きずり出したスケッチブックを開き、1ページずつ、丁寧に目を通す。
ラフ画から、細かく描き込まれたものまで色々。
十文字が言っていたとおり、やけにうまく描けている寝顔が、とんでもなく恥ずかしい。
仕返しのひとつもできないのが、何だか悔しい。
こんなことなら、彼が貧血を起こして倒れている間に、額に「肉」とでも書いておくべきだった。]
(152) 2014/03/30(Sun) 01時半頃