93 Once upon a time...
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『今朝、呪いが解けて、喋れるようになったんだ、わん。』
[蛇と違って、仕込みたての子犬は 気紛れでもあまり口を開かない。は、は、と、舌を出すばかり。 その隙間を縫うようにして、男の腹話術が重なる。
ん、
マリオネット>>125の告げかけた、雰囲気を察して、首を捻る。 調教師とは元より、獣の機嫌を窺う役目でもある。 団員の表情、ことばの機微には、敏感で。だから、声色から漏れる殺意も、ぴり、と耳に痛く、触れた。]
うん。 ………本当なら、プログラムにはない、演目だね。 エフェドラの演目も、…… いつ、決めたの。
[己の我が儘だけが理由ではないだろう、と。 矢張りメルヘンには不釣り合いに、眉を顰めて、笑う。]
………… おおかみなんて、こわくない。
(134) 2014/10/13(Mon) 00時頃
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……、本当に、穏やかじゃねえな。
[継がれた言葉を聞いてから、再び発した同じ言葉には、声色から、ら、表情から、からかいの色を消して繰り返した。――団長の仇を。そう重ねるのを聞けば、ぼりぼりと頭を掻き]
……公演が終わって覚えてたら、また聞いてやるよ。
[是とも非とも言わず、低く呟いては顔をそらした]
(135) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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[斑>>130。 華々しい全てを照らし出す明かりは、 遮られ、反射し、ここまで堕ちてくる。 遥かに弱まった明かりが見せる、ステージを支える奏者の表情。 覗いた舌が蠢いて、また消えていくのを、ただ見]
……、ゥン。サーカスがあれば。 クラウンが出来る場所、メルヘンが大丈夫なら。 俺も悲しくない。一緒。
[『かっこよかった』そう繰り返される言葉に、 少しだけ、居心地悪そうに、肩が揺れる。 続いた言葉は、その賛辞から逃げるように。]
でも。俺ね、もともと、悲しいより寂しい。
(136) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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見付けて、………
[先は続かなかった。
演目を終えた、鳥の掛ける声。 ぎょろり――― 蛇が気付いて、反応を見せる。 しゅるるるる、細く短い舌を出して。]
フィリップ。
[お疲れ様、と、続けるはずの声が留まる。
エフェドラの激昂に、フィリップのどこか冷たい、人形のような。]
(137) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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[騒音。 今は公演の最中なのに、何をしているのだろう。]
ケンカ、聞こえないとこ。
[万一にでも観客に感づかれたらどうするつもりなんだろう?
それこそ、団長に怒られるでしょ。 そう思って出た声はフィリップと同じくらい、いつも通り。]
(138) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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ザックは、内緒ね。と言いたげに口元に人差し指。
2014/10/13(Mon) 00時半頃
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そう、だけど。 あの、あのな。おれもさ、おれも、跳びたいんだ、いっしょに。 次の公演とか、でも。どうかな。 トリノスは、いいって。
[消える笑顔、戻ってくる笑顔>>133。 エフェドラの昂ぶりに、冷たくすら聞こえるフィリップの声。 自分の用件を伝えていいのか迷って、でも出番が近いのも確かで。 雰囲気に気圧されてうまく動かない唇が、たどたどしく言葉を紡いだ。 ちょうどトリノスも声を聞きつけてかやってきたので、そちらに意識を逸らす。少し落ち着いた。]
(139) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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[瞬間、舞台袖に走る、緊張感。 団員がはらはらとこちらを窺っているのが見える。
ぐるるるる、
プードル・カットが、低く唸った。 まだまだ子犬であるので、容易く状況に飲み込まれるようだ。 唸るのは、誇示に過ぎない。男は、宥める為に、子犬の背を叩く。その唸り声は、ただの犬のものでしかなかったが、人狼の存在に、ぴりぴりとしている今。
団員たちの耳に、如何、届くのか。 預かり知らないこと。]
………… し。
[ただ、人差し指を、唇に充てがう。 トリノス>>138に続く形で。団員たちだけでなく、子犬にも向け。]
(140) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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[フィリップの顔から笑いが消失した>>133。思わず人形の背筋に寒気が走る。 けれど、告げられた声に反駁しようとし……唇を震わすアントニーの姿に気づき>>132、無理矢理飲み込んだ。 ここは、怒りで再び荒れかけた感情を殺し、捨て台詞のように吐き捨てるにとどめる]
喋れもしない人形ですら、表したい気持ちはあんのさ。 あんたと違ってね。
[ただの口から出まかせか、もしくは暗に『真に観客に響くことはない』>>99様子をかすかに感じていたせいか]
だから……今日、急遽、決めたんだ。
[最後のセリフは、保留してしまったジャニスからの問いかけ>>134に。 ふんっとばかりに、フィリップに背を向けて]
(141) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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言い過ぎ、……… だよ。
[蛇の口を介さずに、嗜めるような、響きを持った。 公演を終えた鳥に向けて。叱るでもない、響き。 ――― 団長が居れば、もっと上手く執り成したろうに。]
折角、エフェドラも盛り上がらせた、演目なんだから。 ……… 聞こえてしまったら、勿体無いだろう。
[――――僕は、好きだったな。 歌うマリオネットの演目に対する評を、最後に、小さく。]
(142) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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うーん ……うん じゃあそれも、一緒だ
[悲しいより、寂しい。 一緒だね、と、同じように人差し指を口元へ。 真似をして、さらに片目を瞑ってみせた。
そして、ほら。 今もステージ裏では「いつもどおり」ではない荒い声]
ありがとう、ザック
[頷きに、返し損ねた言葉。 相変わらず潜めた声を落として、 そして困った顔でそちらを見た]
(143) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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[綱渡りが終わって、ジャグラーが舞って。 すべての演目が進み残りふたつを数えた頃が、今日の小鳥の出番。 あと本当にいくらもない。ステージの時間は短いのだ。 団員同士のやりとりに震えている場合じゃない。 子犬を宥めるジャニスの静止に同調するよう、拳を強く握って、無理矢理平常心を取り戻す。]
そう、けんか、だめ。
[そして、ようやく震えない声で言いつつ。 用件は伝えたから、答えはもらえていないけれど、そろそろ離れなければいけない。 演目を共にするブローリンの元へ、駆けてゆこうと。]
(144) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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共演、するんだ。
……… 三羽の、鳥。
[アントニー>>139のたどたどしい声も、耳が、拾った。
―――…メルヘンの紡ぐ物語の一端。
鳥が一羽、羽ばたくのかと、走る妙な緊張感の合間に。 ハッピー・エンドに入った細い亀裂を、肌でも感じながら。]
(145) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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[エフェドラは声を抑えた>>141 周囲の視線には気付かない]
人形に感情は無いのに?
[ここは物語、ここは虚構。 物語の登場人物に、人格は必要ない。
背を向けたエフェドラへ、いつもの通りの声色で]
(146) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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[トニーが怯えている事にも気付いていない。 たどたどしく伝えられる言葉>>139を聞く]
良いと思うよ。 団長が――ああ、団長は、無理だね。
じゃあ、次の団長が 演目、考えてくれるなら。
[物語を編み出す事は出来ない 物語を演じる事しか出来ない]
(147) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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[観客の拍手がエフェドラの声を隠してくれたろうか。
感謝の言葉を置いて、奏者は斑の光から逃れるようにその場を離れる。 昂ぶった心に届く"言葉"なんて、持ち合わせていないから]
こわくない、なら ……みんなは、何がこわいのかなぁ
[おおかみなんて、こわくない。 それならいい。 こわくないならいい。 いつかの囁きを繰り返して、歓声を背に、夜へ*溶ける*]
(148) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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[ステージ裏、出番を待つ動物たちは檻の中 まだ燃えていない火の輪や、手に持て潜らせる輪や 大仕掛けな道具の準備が整って、舞台を見る
ザックの口上は慣れたもので 一瞬だけ、団長のことは誰かの悪戯で どこかでこっそり自分たちを見ているのでは? と、すら思えたのだが
白い顔に描かれた雫は彼の胸に空いた穴なのかと 思ってしまったのは、ニコラスとのやり取りか]
(149) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2014/10/13(Mon) 00時半頃
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[執り成す、話題を繋ぐ、間も――― 腕のなかの子犬が唸る。]
なに、……… 如何したの。 おまえ。
[舞台上の緊張に続き この場の、歪み、緊張に興奮した子犬の震えが治まらない。 ぐる、ぐる、腕のなかで、咽喉を鳴らす。 ――――…仕方ない、と、離れようところで、 フィリップ>>147の何気ない一言が、耳を突いた]
…………… 次の、団長。
[繰り返す。虚を突かれた、声で。 ―――… もう、団長が居ないのだから。 理由は理解るのに、理解出来ない、目をしてしまった。]
(150) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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[サイノスの静止>>138や、ジャニスのフォロー>>142を受けて、昂る気持ちをぐっとおさえた。 けんか、だめ>>144。そのとおり。 もっともエフェドラは「けんか」以上の……復讐を心に抱いているのだけれど]
そうだね。ないのかもね。
[フィリップの声>>146に淡白に返して。 心の中で、「いらないのかもね」に変換した。やり取りされる中で察する、未来の共演。 そんな最中なのに、なんで『次の団長』なんて、苛立たせることが言えるのだろう。 飛びかかりたい気持ちを抑え、しばし押し黙ることとした]
(151) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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[アントニーの言葉、今此処で言うのかと少し驚くが。 フィリップは問題ないだろうと思ったから迷わず了承した。 あいつはただのカセットテープだ。]
その団長。
……ザック。
[代理だとしても表に立つ人間は必要で、 そのあたりこなせるだろうと思うのはあのクラウン。 ちらりとまた視線を投げての、無茶ぶり。 駄目なら駄目だと言うだろうしね。]
(152) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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み…されないように…
…
…しいのは…のせいでもない…
じゃあ…のせいでも…ないよ…
おれは…に…しくされてない…
…
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[複雑な色を見せた目を、先に伏せる。 次に噤んだのは口だ。 亀裂を広げないように、次のことばを、口にしないように。
―――… 細く、長く、息を吐く。
何時も通りに映る団員、何時も通りに映らない団員。 その遣り取りを振り切る為に、足を動かして、離れた。]
…… 落ち着かせて来る。
[辛うじて、その一言だけ、落として。
演目は終わらない。 幕間の小休憩まで、まだ、メルヘンの夜は続く。 足取り過ぎれば、ステージの熱気は遠ざかった。同時に、指先から冷えていく感覚も、確かに、感じていた**]
(153) 2014/10/13(Mon) 01時頃
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[エフェドラとフィリップと。 人の集まる方をちらと見る。 気にするものの自らそちらに行こうとはしない。 けれど同じ舞台裏にいるから声は女の元にも届いていた。 途切れ途切れのものではあるがなんとなく伝わるものはあり]
――…。
[こんな時に、どうして、と。 そんな思いにもかられるけれど こんな時だからこそなのかもしれないとも思い。 僅か目を伏せて傍らにある木箱に腰かけて]
(154) 2014/10/13(Mon) 01時頃
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[>>143揃いの仕草、異なる表情。 じゃあ、と感情を引き継ぐよう紡がれた言葉は その実どこまでが一緒なのか。 違えた表情と似、本質は化粧の下にあるまま。
道化はそれでもまた、ゥン、と頷いた。 一緒だという言葉にも、ふと湧いた礼にも。 ステージ裏の喧噪をよそにして。
>>148消えていく背に、また、呼び声。]
ニコラス、
(155) 2014/10/13(Mon) 01時頃
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[そして、エフェドラの歌う歌 小猿と演じていたプードルの遠吠えが 光り輝くメルヘンに、ほんのり翳りを彩って
トリノスとフィリップの見せる綻び その間に挟まれたアントニーがこちらに来るのなら 頭をなでるつもりで待っている
やっぱり、団長は彼らを繋いでいたのだと その不在が齎す今を見て、その存在の大きさを痛感する]
(156) 2014/10/13(Mon) 01時頃
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さっきの『かっこいい』って言ってくれたやつ。 本当に、恰好よかったなら。 嬉しいけどね。そう思ったなら、演出の力だよ。
[音楽、照明。 メイクに衣装。 そのすべてが舞台足らしめるために使われる演出だ。 場の空気を作ったバンドネオンのおかげだと、道化は口にした。
ありがとう、と礼を返さなかった代わりに 暗がりへ紛れていく奏者の背へ投げつけた。]
(157) 2014/10/13(Mon) 01時頃
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[真っ赤な唇はもう一度開く。 小さく、観客の息をのむ音にも紛れる声で。]
クラウンは 恰好いいものじゃないからね。
[『クラウンでいる』 ――それが男の望みで、鳥とは違い、 生粋の道化師ではない男のつねに抱くもの。]
(158) 2014/10/13(Mon) 01時頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/10/13(Mon) 01時頃
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[エフェドラは何も言わない>>151 これで解決したのだと判断した。
次の団長は、ザック、と言われる>>152 素直に、信じる]
ああ、クラウンが、次期団長なんだ。 前口上も、綺麗だったし 良いんじゃないかな。
じゃあ、次回からも安泰だね。
[ふわりと笑む]
(159) 2014/10/13(Mon) 01時頃
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[ステージの演目は次々と移り変わる。 >>143ニコラスの視線が向いていた先に目をやり >>152再びの、視線。 今度は視線を絡めて、そちらへと足を向ける。
調教師とは入れ違いに、喧噪のもとへ]
なに? なんの話してるの?
[自分の呼ばれた名だけ拾って、 舞台衣装を着こなすフライヤーへと尋ねる]
(160) 2014/10/13(Mon) 01時頃
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