93 Once upon a time...
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[客の間から、様々な声。
今回の世界は、ハロウィン――― あのナイフ投げの人のファンで――― 猛獣ショー、楽しみだ――― ママ、お人形さん、今日もいる?――― 綱渡りの人、すっごく綺麗で――― 前に見た笛の子、圧倒されちゃったのよね―― ピエロ!ピエロさん!ピエロさーん!――― 昔見たあのブランコがさぁ――― トランポリンまじお勧め、すげえから―――
団長の声が、好きなのよねぇ…… なんていうか、惹き込まれるというか………]
(0) 2014/10/12(Sun) 00時頃
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[いらっしゃいませ、と声を掛け お辞儀をして、お出迎え。
聞こえる声は、熱気に湧いた客席の声。 空想世界を期待し、それを求めてきた客の声。
――――漏れては、居ない。
メルヘンの歪みはまだ、現実には漏れていない――**]
(1) 2014/10/12(Sun) 00時頃
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フィリップは、楽隊の音楽が流れ出す頃には、ひっそりと控室へ戻る
2014/10/12(Sun) 00時頃
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[会場の照明が落ちてゆく。 熱気が満ち溢れ、弾けそうな程に蠢く。
ざわざわ。 ざわざわ。
期待。渇望。夢の始まり。 団長が作った、団長が描いたシナリオを 団員がステージの上に顕現させる。
今宵はハロウィン。 魔物が覚醒め、跋扈する夜の世界]
(21) 2014/10/12(Sun) 00時半頃
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[最も客席に近い、ステージ横のひっそりとした一角。 公演中、殆ど彼はそこに居る。
ここが一番、ステージがよく見える。
自分の出番以外は必ず、全ての演目を目に焼き付ける。 何度も繰り返される公演の、全てを、見放す事無く]
(22) 2014/10/12(Sun) 00時半頃
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[そして]
[朗々と響き渡る向上>>15
それは、いつもと違う声だった。
いつもの声ではない。 何故? 何故? 団長は?
ああ、そうか――団長は、死んだ のだった。
今まで何も思っていなかったのに 今になって、やっと 気付く。
どうしようもないほどの欠落が 出来てしまったこと]
(23) 2014/10/12(Sun) 00時半頃
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[それでもなお、ザックの紡ぐ口上。
いつもの絵本を、違う人に読んでもらう。 それだけで、全然違う物語になる。
団長の居なくなったメルヘンの絵本は。 どんな物語を紡ぐのだろう。
高まった音楽、そして口上に合わせ>>18 客席と一体となり大きく拍手を打ち鳴らした]
(28) 2014/10/12(Sun) 00時半頃
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おれは…ここには…ってないけど…
…になったら…にいられるのかな…
…おれは…いたいのかな…
…
め…あるいはもしくは…れ…
…きはただ…にとっての…だけを…にのせる…
…それで…いいの
いやだ…
みんなと…とも…いっしょにいたい…
けど…
…
ううん…れてれば…みんなといられる…
おれは…れてる…
…
うん…にいられるよ
…
…わりよければ…てよし…って…うだろう…
…だからきっと…さ
…
うん…
…せに…わったら…
そうだ…
…が…なんて…みだって…うんだ…
…まれたら…の…より…えない…
…
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――マリオネットの物語――
[舞台で紡がれる、物語。 いつもと同じようでいて いつもと、どこか違う物語。
マリオネットの紡いだ物語は 普通では、ありえないもの>>63
その鎮魂歌が送られる先を、客は知らない。 知らないまでも それは、現実を侵食してゆく物語。 息を飲む客席。 客は確かに、マリオネットの世界に呑まれていた。 演目は、成功だった]
(75) 2014/10/12(Sun) 22時頃
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[しかし 鳥モドキの顔からは珍しく、表情が消えていた]
………あれは、反則、じゃないかな?
[ぽつり呟く。
物語と現実を、繋げてはいけない。 繋がってしまったら―― 物語にしか生きられない人は、どうなる?]
(76) 2014/10/12(Sun) 22時頃
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――ステージ:空中ブランコ――
[鳥は、緊張しない。
ただ、空を舞う楽しさだけがあった。 物語を紡げる事。 ただその為に、メルヘンに生きている。
大所帯の空中ブランコ。 大人数で描く物語。
いつものように 空を飛べない人間に 空を飛ぶ夢を見せる。
団長が作った、物語の登場人物となって]
(77) 2014/10/12(Sun) 22時頃
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[曲に合わせ―――踏み切る。 ブランコと共に、身体はふわりと、空を舞う。
腕に力を入れ、手を離す。 くるりと回転する身体 衣装係渾身の衣装が、光を弾き世界を演出する。
何の苦労も無いかのように 空を舞い飛び、夢を見せる]
(78) 2014/10/12(Sun) 22時頃
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[周囲のフライヤーの事を、鳥モドキは知らない。 トリノスが何を行っていようとも>>84 興味すらも無い。
描くのは、観客の為の物語? それとも―――]
[物語のシナリオ通りに動く鳥。 他の団員が、団長の為に様々な手を尽くして哀悼を示している中 いつも通りの演技、いつも通りの流れ。
だからこそ、鳥の演技は、真に観客に響くことはない。 哀悼の、悲しみの、その奥に秘められた熱には敵わない**]
(99) 2014/10/12(Sun) 23時頃
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じゃあ…みされないように…しちゃおう
…
…しいのはね…かのせいじゃないよ
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[演技は、終わった。 トリノスが新しい技を決めた所も、見ていなかった。 そんなことは、興味が無かった。
こんな事は始めてではないのだから。 トリが死んだ時も、こうして哀悼を捧げたサーカスだったように思う。 記憶が酷く曖昧だけれども。
普段ならば、直ぐにいつもの特等席に戻る。 なのに、今は、何故か戻らなかった。 それは、物語が、変わってしまっている証かもしれず]
(121) 2014/10/13(Mon) 00時頃
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[舞台裏。 一緒に空中ブランコの上を待っていたムスタングも、回収。 肩に載せたまま、人波を避ける]
あの演目、暗すぎるんじゃないかな。 マリオネット。
[小さな人形>>96へと近付いて。 いつも通り、挨拶も無く一言を刺す。
側に誰がいようとも、会話途中であろうとも]
(122) 2014/10/13(Mon) 00時頃
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だから…う
…ああでも…し…らしちゃったから…
…
…だから…のせいかもね…
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[激高するエフェドラ>>131 対する鳥モドキから、いつもの笑顔が消える]
うるさい。 人形は喋らないのが仕事だよ。
[迫られた所で、びくともしない。 相手は、骨と皮だけの人形。
トニーの声>>129に、顔だけをトニーに向ける]
何、ジャンパー? もうすぐ、出番じゃないの?
[険悪な気分すら無いものにするような、いつも通りの笑顔]
(133) 2014/10/13(Mon) 00時頃
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[エフェドラは声を抑えた>>141 周囲の視線には気付かない]
人形に感情は無いのに?
[ここは物語、ここは虚構。 物語の登場人物に、人格は必要ない。
背を向けたエフェドラへ、いつもの通りの声色で]
(146) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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[トニーが怯えている事にも気付いていない。 たどたどしく伝えられる言葉>>139を聞く]
良いと思うよ。 団長が――ああ、団長は、無理だね。
じゃあ、次の団長が 演目、考えてくれるなら。
[物語を編み出す事は出来ない 物語を演じる事しか出来ない]
(147) 2014/10/13(Mon) 00時半頃
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