93 Once upon a time...
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[ぴーうぃ、っふぃー。 ぴーうぃ、っふー。ふぃろろろろろろ。
グリッサンドとトリルで小鳥のさえずりを真似てみる。側の木の上に止まった小鳥が、鳴くのをやめて辺りを見回し、首を傾げた。ペギーも構えた笛を下ろして、小鳥を見上げながら一緒に首をかしげてみる。
サーカスという非日常の空間が、彼女にとっての日常だった。 ここへ来てからというもの、毎日見るものすべてに目を輝かせ、公演前の緊張も、拍手喝采のどよめきも、打ち上げの喧騒も、時々起こる揉め事やちょっとしたアクシデントだって、そのすべてを彼女は愛していた。
この愛すべき非日常の日常が永遠に続くのだと、その時の彼女は、まだ無邪気に信じていた。]
(10) 2014/10/10(Fri) 00時半頃
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[向こうに、陽光を反射する脂ぎった禿頭が、見えた。 大きな体を揺すって歩くのは、彼女らの長、ヨアヒム氏。 ペギーはちぎれんばかりに、大きく手を振った。]
だんちょおーーーー! おはよございまーーーーーす!!
[それが団長を見た、最後だった。]
(16) 2014/10/10(Fri) 00時半頃
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/* >>人相が悪いのはお互い様
ほんとそれな
(-12) 2014/10/10(Fri) 01時頃
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[公演の日、サーカス団の朝は早い。 ペギーは前の晩、笛をぴかぴかに磨き上げて、ケースを抱きしめたまま眠っていた。遅くまで笛の手入れをしていたせいで、いつもなら誰よりも早く起きて練習も兼ねた散歩に出るペギーが、今日は少々、遅れを取った。
目覚めると、なんだか外が騒がしい。ペギーは眠い目をこすりながら、テントを出た。少し離れた場所に、小さな人だかりができている。]
ねー。どしたの。
[一番後ろにいた誰かの裾を、引っ張った。]
(51) 2014/10/10(Fri) 02時頃
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/* さいもんもんかわいいなああ(ころろ
(-19) 2014/10/10(Fri) 03時頃
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[ああ、ちょっと…な。声をかけられた団員は言いよどんだ。隣の男と顔を見合わせ、困ったような顔をペギーに向ける。ペギーは大きなまばたきとともに、首を傾げた。不穏な空気は、さすがの彼女にも、察することができた。]
なに?けんか?
[団員たちには、彼女は完全に子供として取り扱われている。さて、その子供に、この事実をどう伝えたものか?男らは互いに肘で小突き合った。お前が言えよ、いやお前が、と、しばらくやりあった後、一人が頷き、意を決したような表情でペギーの目の高さまで、屈み込んだ。]
(75) 2014/10/10(Fri) 15時半頃
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「実は――――」
(76) 2014/10/10(Fri) 15時半頃
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/* 推定みむっち、やっぱうまいなあ……。あこがれやで。
(-27) 2014/10/10(Fri) 16時半頃
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だんちょー、しんだ? ………なんで?
[問いかけても、返ってくるのは困り顔ばかり。彼らにだって、はっきりとしたことはわからないのだ。殺された、という言葉は、敢えて避けた。背後のテントの中が、どうなっているのかについても、口を閉ざした。知らせることはない。団長は死んだ。それで十分すぎる。
「……公演は」「やるってさ」
彼らはペギーを見た。色味の薄い唇が、わずかに震える。]
もういない?
[沈痛な面持ちで、二人は頷くしかなかった。]
(89) 2014/10/10(Fri) 18時半頃
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/* どうやらこの中には、村人が6人、占い師が1人、守護者が1人、霊能者が1人、狂人が1人、人狼が2人いるようだ。
思ったよりいっぱいいた。 とりあえず共振深くなってきたので一旦離脱
(-28) 2014/10/10(Fri) 18時半頃
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………う、
[大きな目から、涙がこぼれ落ちる。ペギーはその場にへたり込んだ。]
わああああん。 わあああああああん。
[彼女が声をあげて泣くのは、父親が彼女と笛を遺して行ってしまった時以来…つまり、ここへ来て初めて、だった。人目もはばからず涙を流ししゃくりあげるペギーに、男らは困惑し、周りの人々もぎょっとして振り返った。
彼女の愛した日常の中には、いつの間にか得体の知れない何かが音も立てずに忍び込んでいた。]
(90) 2014/10/10(Fri) 18時半頃
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/* あれなすなにか役職持ってるー?
(-36) 2014/10/10(Fri) 21時半頃
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……ふえ、
[泣き声はやみ、ペギーはぐしゃぐしゃの顔のまま、目の前の人形少女を、見た。何か言おうとしたが、すぐには呼吸は整わない。]
ふえ、ふき、ます。
[手のひらでごしごし顔をこすって小さく頷き、短い単語を絞り出すのが精一杯だった。]
(143) 2014/10/10(Fri) 23時頃
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ころされ、た?
[穏やかでない言葉に、しゃくりあげていた呼吸が一瞬、止まった。]
…………なんで?
[それしか、言葉は出てこない。 なぜ、なぜ。そればかりが、頭の中で渦を巻いていた。 ころされた。ころす、とは。
虫を殺す。鼠を殺す。 人は?]
……だれが?
(156) 2014/10/10(Fri) 23時半頃
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………うん。
[撫でられながら、ペギーは考える。 人形少女、エフェドラの言うことは、難しくてよくわからない。人が「殺される」とはどういうことなのか、ペギーにはイメージができなかった。起きてから今まで起こったことが、まだきちんと繋がっていない。
ふたつだけ、わかった。団長はもういない。「殺された」からだ。それから、さっきの団員は「公演は予定通り」と言った。彼女には他にすることがない。できることがない。ならば]
だいじょぶ、やります。
[俯いたまま、ペギーは答えた。 腹の底から絞り出すように、大きな声で。]
(165) 2014/10/11(Sat) 00時頃
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[ペギーは立ち上がった。ぐしゃぐしゃの顔をぐしゃぐしゃの袖でもう一度拭って、一度、テントをちらりと見たが……そこはまるで夜の暗がりのように恐ろしいものに見えた。すぐに顔を逸らす。]
………ねえ
[エフェドラの服の裾を摘んで、黒髪を見上げ]
おなか、すいた。
(177) 2014/10/11(Sat) 00時頃
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うん。なる。
[ペギーはエフェドラの後について歩き始めた。 歩きながら、はたと思い当たる。]
こわいかお。 ………ざっく?
[クラウンの顔が頭に浮かぶ。あれは確かに怖い顔かもしれない。などと考えながら、食堂への道をゆくのであった。]
(187) 2014/10/11(Sat) 01時頃
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[中途半端な丈のズボンから突き出た脚には、まだ土埃もこびりついていた。サンダルを引きずるようにしながら、ペギーはエフェドラに続いて食堂へと足を踏み入れる。上着の裾は掴んだまま。涙は乾いていたが、目元は赤く腫れ上がっていた。]
………おはよ。
[食堂の面々に挨拶を交わして歩く。先程の男たちも、隅のテーブルで朝食をとっていた。ペギーの姿を認めると、やや安堵の表情で、軽く手を挙げ挨拶した。中央のテーブルにはパンと格闘する赤毛の少年。
クラウンが姿を現したのは、ちょうどその頃。]
(199) 2014/10/11(Sat) 01時半頃
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[クラウン・ザックからカップを受け取って、てのひらで包み込んだ。温かい。立ち上る香りを深く吸い込んでから、ありがと、と、はにかむように呟いた。]
……うん。だいじょぶ。
[実のところは、まだ少し混乱もしていた。訳のわからない恐怖もあった。 しかし彼女にはメルヘンしかない。このサーカス団が、彼女のすべて。他に行くところもなければ、できることもない。やるしかないのだ。]
ぺぎーは、ふえがふけます。
[見上げて、一語一語、ゆっくりと答えた。決意をあらわすにはあまりに乏しい語彙であったが、いつになくはっきりとした口調が、その気持ちを代弁していた。]
(215) 2014/10/11(Sat) 02時頃
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/* ザックやりたい。
(-72) 2014/10/11(Sat) 02時半頃
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/* ←ザックの人
(-74) 2014/10/11(Sat) 02時半頃
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/* 最後にやったのもう2年前?
(-75) 2014/10/11(Sat) 02時半頃
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ぺぎーはだいじょうぶ。
[どちらかと言うと自分に言い聞かせるように答えて頷き、側の椅子に掛けた。上唇で注意深くカフェオレの温度を確かめ、ひと口すする。ほんのり香ばしい甘み。クラウン・ザックは人相こそ悪いが、人はいい。 多分ああいうのも、優しい、というのだろう。
クラウンの方へ目を向けると、綱渡りのスージーと何事か話し込んでいる…が、声はここまでは届かない。ペギーは再び、たゆたう水面に視線を落とし、目の前の温もりに身をゆだねることにした。]
(233) 2014/10/11(Sat) 13時頃
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