―暮れた年、赤い月の夜・祟神神社―
[年が明ける前に、一斉送信でメールを送る。
境内は初詣の客が多数あり、その人々の中で世界が変わる瞬間を、巡理は体感していた。
影のうごめく気配に、人ごみを抜け出す。]
蘭陵王。…ライラプス。おいで。
[静かに指示を出せば、星のペルソナが光を舞い散らせて身体を強化していく。
光舞う視界で巡理は新たなペルソナを見る。
目の前に現れた女教皇のペルソナは、2mほどの黒銀の毛並みに穏やかな赤い眼を持つ犬であった。高く遠吠えすれば、速度上昇の光がふわりと舞う。そしてライラプスは巡理に向けて、静かに頭を垂れた。
頭に手を乗せて撫ぜてやれば、気持ちよさそうに目を細める。巡理は小さく微笑み、その背に跨った。
ライラプスは大地を蹴り、時空を跳躍し千里をも一瞬で駆ける。
すぐに禁足地の巨大シャドウの上空へと跳躍した。巡理の指示で炎を吐くライラプスから少女はシャドウへと飛び降りる!]
蘭陵王!
[もうひとつのペルソナを呼び出して追撃とばかりに雷を叩き込む。パラライズするシャドウに落下の速度を加えて踏みつけた。弾かれつつも地面に受身をとって転がり、すぐさま体を起こして鉄扇を取り出した。]
(303) 2015/02/19(Thu) 19時半頃