84 Es 3rd -Test days-
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藤之助は、ミケに首を傾げてみせる。
蒼生 2014/07/30(Wed) 22時半頃
藤之助は、ミケをつんつんする。
蒼生 2014/07/30(Wed) 22時半頃
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―宵待亭―
…ぁ、
[>>7ミケの舌打ちが耳に届き、藤之助の身体は強張る。 夢心地の気分はたちまち萎れてしまい、抱き抱えられるのに抵抗はなく。
己は何かまずい事でもしたのだろうかと、 大股で店の奥へと向かう彼の横顔を不安げに見ていた。*]
(19) 蒼生 2014/07/31(Thu) 00時頃
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―店の奥―
…っ。
[>>8辿り着いたのは小さな部屋。 途中のカウンターの奥の通路も眺めるのみで。 広げたままになっていたソファベッドに投げ捨てられれば、衝撃は殆どベッドが吸収してくれたものの、咄嗟にぎゅっと目を瞑る。
ゆるゆると目を開けば、ミケの冷笑が見えた。 彼のこんな顔を向けられるのは初めてかもしれない。 ――心臓が凍り付くような心地がした。]
何、を…。
[薄笑いを浮かべたミケが、己の身体に覆い被さるようにベッドの上に膝をつく。 顔を挟むように手を付かれれば、檻に囚われる。]
(20) 蒼生 2014/07/31(Thu) 00時頃
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…ン、
[>>9視線を逸らす事は許されない気がして、ミケが顔を近付けてくるのを見上げていた。 距離が詰められて唇を舐められれば、小さく鼻にかかった声を漏らす。 血の味に気付いたのか。 顔を離したミケは藤之助を見下ろして笑う。]
何って…。
[匂いとは恐らく血の事だろう。 気持ちよさそうな顔、とは何の事だろう。藤之助には覚えがなかった。 店で彼の顔を見て、嬉しかったのは覚えているのだが。
血を流さざるを得なかった状況を思い出せば、藤之助の瞳は揺れた。]
(21) 蒼生 2014/07/31(Thu) 00時頃
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[ミケの声色には苛立ちが混ざっている。 詰め寄るような質問が、何故己に掛けられているのか分からない。]
――何でそんなに怒っているんですか?
[やんわりと彼の肩に触れ、戸惑いながら問い掛ける。 これではまるで嫉妬のようだ。 自分達は先輩と後輩の関係の筈。そんな感情が挟まる筈がないのに。
暫く探せば、着物に付いた血痕が見つかるだろう。]
(22) 蒼生 2014/07/31(Thu) 00時頃
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―自宅客間・夜更け―
[>>17部屋の中を見られても別段困る事はない。 従者を害する事は困るけれど。 ライジの目的も知らず、藤之助は鷹揚に構えていた。
藤之助が手ずから茶を入れる事は少ない。 一口飲んで味を確認すると、やはり従者の淹れた方が美味いとの感想が浮かんだ。]
(24) 蒼生 2014/07/31(Thu) 00時半頃
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[>>18一口で茶を飲み干して、ライジはソファーから身を乗り出す。 向けられた問い掛けには動揺を見せる事もなく、静かに微笑んで応じる。]
…あぁ、知っているよ。 吸血種という人間の生き血を啜る生命体。 国王の忠実なる僕であり、最強の生物兵器の集まり…でしょう?
戦いの終結した今は、何処で何をしているんだろうねぇ。
[向けられる胡乱な眼差しを物ともせず、まるで他人事のように語る。 彼は何を目的に問うてくるのか。 笑顔の裏でそんな事を考えながら。]
(25) 蒼生 2014/07/31(Thu) 00時半頃
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――…なぁに?
[声を潜め、立ち上がって此方にやって来るライジの腕は袂の中に入ったまま。 それが何かを隠し持っていそうで気になった。
この場は己の家。 もし戦うのであれば地の利は此方にある。 使い慣れた武器は手元にはないが――… などと、物騒な事を考えながらも口元は変わらず笑みを湛えたまま。
隣に座ろうとするのならば拒みはしないが、向ける視線には警戒が混じる。*]
(26) 蒼生 2014/07/31(Thu) 00時半頃
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呉服問屋 藤之助は、メモを貼った。
蒼生 2014/07/31(Thu) 01時頃
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―自宅客間・夜更け―
[>>35情報は寄越さぬまま、相手の反応から正体を推し量ろうとするが、向こうの情報もまた落ちて来ずに。
>>36懐から取り出された鈍い銀色の物体を見て藤之助は瞠目する。 外見は銃に似ていたが、銃にあらず。 丸い先端から弾丸が発射される事はなさそうだが、所詮は玩具と安心する事は出来なかった。]
さぁ…? 覚えはないよ。
[銃口は己に、ライジの人差し指は引き金に掛けられている。 藤之助は見知らぬ武器を警戒していたが、不意にライジの反対の手が自分の腕の方に伸びてくれば、 咄嗟に上半身を捩って避けようと。
もし手から逃れられたならば、 転じて彼の身体を押して床に引き倒し、体重をかけて抑えつけようとするが それとライジの持つスタンガンの放つ電撃が藤之助に食らわされるのと、どちらが早かっただろうか。]*
(63) 蒼生 2014/07/31(Thu) 15時頃
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呉服問屋 藤之助は、メモを貼った。
蒼生 2014/07/31(Thu) 15時頃
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[>>81自分の言葉に束の間の沈黙を経て、ミケは考える様子を見せる。 藤之助は戸惑いながら彼の語る言葉を聞いていた。]
…? え、……。
[自分がミケのもの? どんなに嫌がったって無理矢理にでも手に入れる?
ミケは気付いていないのだろうか。 それらの言葉が独占欲と受け取られても仕方がない事を。 これで先輩後輩の間柄だと言うのなら、己は彼を恨むだろう。 こんな言葉を紡がれて、何とも思わない筈がない。
――誰かに血を吸われた己が、 酩酊状態だった己が、彼の目にはどう映ったのだろう。]
(89) 蒼生 2014/07/31(Thu) 22時頃
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[>>82そんな事を考えていると、彼の視線が何処かに止まる。 それを辿り、藤之助も己の着物についた血に気付いた。 あの時のものだろう。 自由にならない身体を押し倒されて吸血された時の口惜しさが蘇って来た。
ミケは突然肩に伸ばした己の手を払い、着流しの襟を強く横に引っ張る。 僅かに手が痺れ、背中辺りの縫い目が少し裂ける音が聞こえた。]
…っ…。
[外気に晒された上半身。 血も傷跡も残っていないだろうが、吸血種であれば漂う血の匂いには気付くだろう。 藤之助はミケから目を逸らし、唇を噛みしめる。]
(90) 蒼生 2014/07/31(Thu) 22時頃
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[>>83彼の声は激高するような性質ではなかった。 笑みからは氷のような鋭利さが消え、自嘲のような色が混じる。]
――…、 言ったら、貴方は素直に信じてくれるんですか。
…んっ…、
[ライジには進んで差し出したわけではないのだと。 絞り出したようなその声はミケには届いただろうか。
ミケの顔が近づけば、彼の荒い吐息が、ぬるりと柔らかな肉の感触が肌に触れる。 その刺激に藤之助はぴくりと肩を震わせて、身動ぎした。]
(91) 蒼生 2014/07/31(Thu) 22時頃
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…や、
[>>84肌を軽く噛まれ、そこから真紅の血が流れる。 じわりとそこが血以外の熱を持つのを感じた。 疵口から流れる真紅を猫のように舐め取り、少し顔を上げたミケが微笑む。]
――…っ、うあ、ぁ、
[間を置かずに己首元に牙が深く穿たれ、走った痛みに藤之助は顔を顰める。 その裏で背に走るのは快楽。 漏れさせるのは嬌声めいた声。
藤之助の手は縋るようにミケの服を掴んだ。**]
(92) 蒼生 2014/07/31(Thu) 22時頃
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―自宅客間・夜更け―
…が…っ。
[>>70>>71朱色に身を包んだライジ身体を床に引き倒した瞬間、身体に電流が走り、 藤之助は身体を弓なりにしならせてライジの上に倒れ伏した。
咄嗟に身体を動かそうとしたが、痺れてまともに動けない事に気付く。 ライジの押しのけるままに、藤之助の身体は床に転がされていた。 とんでもない、という評価には顔を歪め。 己の失態に舌打ちをしようとしたが、舌が縺れて上手く出来なかった。
床に倒れ込んだ衝撃で僅かに机がずれたが茶器は何とか机の上に留まっていた。 床に敷かれた絨毯が音を吸い込んだ所為で、別室にいる従者は意識を失ったままだっただろう。]
(94) 蒼生 2014/07/31(Thu) 23時半頃
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…な、に…
[さっさと済ませる、という言葉に掠れた声を漏らす。 動けない状態であれば抵抗も儘ならない。 此処で初めて焦りが藤之助の顔に浮かぶ。]
(95) 蒼生 2014/07/31(Thu) 23時半頃
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[>>72ライジがしゃがみ込み、己をうつ伏せに転がす。 状況が読めないままに髪が横に流され、着流しの襟を掴まれて背を肌蹴させられる。 無防備に背中を晒した状態。 この状況で一体何をしようというのか。 身動ぎしようとしたが叶わず。]
――っやめ、
あぅ、ンン…っ。
[覆い被された気配。 口が近付いたのか、ライジの吐息が肌に触れる。 肌が泡立つような心地がして、制止の声を出そうとしたが掠れて儘ならず。 痛みが走った事で肌に牙が立てられたのを悟った。
血を吸い上げられる感覚。 喪失感と痛みと、その裏に走る快楽。 声が漏れそうになって、牙が刺さるのも構わずに唇を強く噛みしめた。]
(96) 蒼生 2014/07/31(Thu) 23時半頃
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ふざけ、ないで。
…うっ…。
[自分の血はバーのワインのように誰かに供するものではない。 あんたの血も、というライジの感想にはそんな言葉を返し。 不意打ちで更に喰い込まされた牙には息を呑み、耐える。
首を捩った視線の先に、白いものがちらついたように思った。]
(97) 蒼生 2014/07/31(Thu) 23時半頃
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…っ…。
[>>73採取。仕事。 自分の親族の為、という言葉には疑問しか浮かばなかったが、彼の狙いは最初から自分の血だったという事か。 してやられた、という思いが強くなる。 けれど、それならば口で吸わずに注射器ででも採取すればいいものを。 恨みがましい視線にライジは気付いただろうか。
吸血の影響か、身体に熱が宿り、悦楽は身の裡で渦巻くよう。 まだ身体は痺れていて、上手く動かせそうにない。]
…次に会った時には覚えてなよ。
[掠れ声でそんな台詞を吐いて、大人しく回復に努める事にする。 身体が動く様になればのろのろと起き上がり、ソファーに身を預けた。>>23*]
(98) 蒼生 2014/07/31(Thu) 23時半頃
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[>>102縋る手は振り払われる事はなく、藤之助は彼に与えられる快楽に酔いしれる。 漏れる声も抑える事はない。 もっと彼の体温を感じたいと、縋る手は彼の背中に回った。]
…は…、
[>>104ミケの顔が、牙が首から離れていくのを昴とする頭で見上げる。 藤之助の頬は紅潮し、紫紺の瞳は欲に揺らめいて見えただろう。 苦笑交じりの彼の顔が近付いて、問われた言葉の内容には目を丸くし。]
(110) 蒼生 2014/08/01(Fri) 01時頃
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…んっ、ふ…。 唇からは吸われてません、ってば。 声が出すのが厭で、噛みしめていたんですよ。
[啄むような口付けに応じながら答える。 きっと例え身体が痺れていても抵抗していただろう。
口付けの合間に頭が抱えられるように腕が回され、藤之助もミケの背中に回す手を強くする。 結果、深く抱き合う形となり、身じろぐたびに衣擦れの音が響くだろう。
ミケの舌が己の歯をなぞれば口を薄く開けて迎え入れ、誘うように舌に吸い付く。 捕えるように舌を絡め、彼の口腔の中にも押し入ろうと。]
(111) 蒼生 2014/08/01(Fri) 01時頃
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は、ぁ…せんぱい。
――もっと。
[酸素を求め、胸が大きく上下する。 その奥にはどくどくと脈動する心臓。 途中の息継ぎでは足りない程、交わす口づけに夢中になっていた。
上気した顔に浮かぶ微笑みは心からのもの。 彼の唇の端に触れるだけのキスをして、口付けを強請る。**]
(112) 蒼生 2014/08/01(Fri) 01時頃
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呉服問屋 藤之助は、メモを貼った。
蒼生 2014/08/01(Fri) 02時頃
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―IF:後日・自宅にて―
[時計を見るのはもう何度目だろうか。 前に見た時からそう時が進んでいない事に気付くと藤之助は苦笑する。 今日は大切な客が来るからと言っておいたので、己よりも長身の従者が台所で紅茶の準備をしていた。
ミケを実家に招いて彼と従者を引き合わせる。 それは至極自然な事だと思われた。
Esに所属していた頃、彼には実家の事情を簡単に話した事があった。 実家を出る際に従者がついてくるとは思っていなかったので、その時には血を提供する役割を持つ使用人がいると話したのみだった。]
(152) 蒼生 2014/08/01(Fri) 16時半頃
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[やがて約束の刻限となり。 待ち人が自宅に訪れれば、藤之助自らが玄関に行って出迎える。]
――いらっしゃいませ。 先輩。
[勢い余って抱き付きはしなかったものの、藤之助は嬉しげに眼を細め、彼を客間へと通す。]
(153) 蒼生 2014/08/01(Fri) 16時半頃
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―自宅・客間―
[ミケに向かいのソファーに座るように勧めると、己も腰を下ろす。 従者が手慣れた様子で湯呑に茶を注ぎ、薫り高い茶の香が客間に漂った。]
――朧。 此方はミケ先輩。 Esにいた頃にお世話になった人で、今は私の大切な人。 くれぐれも失礼のないようにね。
[恥ずかしげもなく言うと、ソファーに座る藤之助の斜め後方に立つ朧が名乗り、腰を折って頭を下げる。 彼にこうして誰かを紹介する事は今までになかった。 感情の変化が分かりにくいが、ミケに検分するような視線を寄越すのは感じられた。
忠義者である彼の事。 大方、己にとって害がないか探っているのだろう、と藤之助は受け取った。]
(154) 蒼生 2014/08/01(Fri) 16時半頃
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[ミケはどう応じたか。 藤之助は自らの事を一切語らぬ従者に変わって彼を紹介する。]
先輩。 こちらは朧。
前に話した事がありましたよね。 実家の…例の使用人です。 私が実家を出てから、此処に住み込みで身の回りの事を世話してくれるんですよ。
[例の、といえば己が彼に血を提供されている事が伝わるだろうか。]
(155) 蒼生 2014/08/01(Fri) 16時半頃
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ねぇ、朧。 少しは愛想を良くしたらどうなの。
――ほら、笑ってご覧?
[からかうようにそう言うと、朧の眉は困ったように少し下がる。 それを見て肩を揺らして笑うと、藤之助はソファーに背を預けて茶を啜った。
その日は泊まっていって欲しいとミケに強請っただろう。 用意された客室が使われたかどうかは別の話。*]
(156) 蒼生 2014/08/01(Fri) 16時半頃
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―宵待亭―
[ハワードから茶会が開かれる旨を耳にすれば、藤之助は目を輝かせる。 バーで数名には会ったが、普段会えない人に会えるかもしれない。 新たに出会う人もいるかもしれず。 ――そんな面白そうな機会を逃す手はない。]
ねぇねぇ、先輩。
一緒にお邪魔しません?
[彼が一緒に来てくれるというのなら、破顔して喜び。 同行は望めないようならば、無理には誘わずに次に逢う約束を交わす。 自宅へと向かう途中、差し入れなどをどうしようかあれこれ考えていただろう。]
(159) 蒼生 2014/08/01(Fri) 16時半頃
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―自宅→―
[ほつれてしまった着物は後で修繕を頼むとして。 新しい着流しに着替える為に一度自宅に戻った。
玄関の引き戸をそっと開けば、目の前に従者が立っていたのに既視感を覚える。 朝帰りするといつもこういうパターンだ。 従者に出迎えられて昨日は何処に行っていたのかと聞かれれば、藤之助はいつもの笑顔で応じる。 ――勿論、小言を耳にする事になったが。
それを聞き流してから、自室で選んだ着物は梅紫色。 髪を結う紐は元紫のまま。 一度紐を解いてから手櫛で梳いて結い直すが、結い方は普段の通り。
道中、差し入れ用にと購入した洋菓子を携えて、教えられた家にお邪魔する。]
(160) 蒼生 2014/08/01(Fri) 17時頃
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―カリュクス邸―
どうもご機嫌よう。 ――…。
[先ずは家主のカリュクスに挨拶をし、茶菓子を渡した。 集まった客の中にライジの姿を見つければ、湛えた笑みに僅かな罅が入る。]
…昨晩はお世話になったねぇ。 仕事ははかどった?
[気配を殺してさりげなく距離を詰め、ライジの背後を取って声を掛ける。 振り返ったならにっこりと笑って緩く首を傾げてみせるが、バーで会った時よりも青味の強い紫紺の目だけは笑っておらず、密やかに殺気を孕ませて。
けれど此処で騒ぎを起こす心算はないので、呼び止められなければそのままするりと離れる。]
(161) 蒼生 2014/08/01(Fri) 17時頃
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[その後はその場に集まった面子と言葉を交わす。 懐かしい面々には挨拶と共に近況を聞き、マスターにはひらりと手を振って。 初対面の相手には人好きのするような笑顔を浮かべて自己紹介する。
>>148鳥を操る青年の芸には楽しげに笑って手を叩き、彼の肩に止まった鳥に触らせて貰えないか聞くだろう。**]
(162) 蒼生 2014/08/01(Fri) 17時頃
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呉服問屋 藤之助は、メモを貼った。
蒼生 2014/08/01(Fri) 17時頃
藤之助は、記号忘れてた。また夜にー。**
蒼生 2014/08/01(Fri) 17時頃
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…あ、
[>>174背中に回した手が絡めとられ、ソファーに縫い止められた。 重なり合った掌。彼の指に己の指を絡め。 口付けが止んで耳に囁かれた言葉に胸が熱くなる。]
――…っ。 もう、せんぱ… ん、ゃ…っ、
[耳朶を甘噛みされたのは全くの予想外で、抗議しようとしたら肌蹴られた己の胸元にミケの顔が近付き、音を立てて吸われる。 掌は押さえられたままなので、代わりに足を動かして快楽を逃そうと。 足袋を履いた足先はソファーの上を滑り、ふるりと震えた。
手が自由になれば手で、自由にならなければ足で彼の欲を煽り、長い夜を共に溺れる。**]
(182) 蒼生 2014/08/01(Fri) 23時頃
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