108 Persona外典−影の海・月の影−
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[満月の赤い時間が終わり、再び海は静寂に包まれる。 懐かれてしまったのだろうか、 あるいは縁のある人物の影なのか。 相変わらず数匹のシャドウを身にへばりつかせたまま]
また次の満月まで。 海は眠るのね。
[たゆたう闇を見渡した]
……――。
[不定形の黒い影が1匹、足許から胸へと這い上がってくる。 それを何度か撫でてから抱き締めた。 呟いた名前は影に埋もれて消える]
(+3) 2015/02/22(Sun) 21時半頃
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……水嵩、増えてるみたい。 シャドウに食べられちゃった人、沢山。
でも、誰も応えない。 応えられないの、かな。
[こうして意識を保っている方が稀有なのか。 明らかにシャドウの犠牲者となった人々の無意識は この海に流れ込んできているはずなのに]
(+6) 2015/02/22(Sun) 21時半頃
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特、別。
……どうしてだろう。 私と智晶さんの共通点っていったら。 ペルソナを、使えた事……?
それじゃあ、皆がもしこっちに来たら判るのかな。 まだ誰も見当たらないのは。 皆、無事って事なのかな。
[そうであれば安堵するのだけれど]
(+8) 2015/02/22(Sun) 22時頃
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……だと良いね。
人になったシャドウは。 ここへ、還ってくるのかな。 還ってくる、はずだよね。
[でなければ再会の約束などできない。 寂しいと零さないように口に蓋をした]
(+10) 2015/02/22(Sun) 22時頃
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うん……それなら。 私、ここで待つの、平気。
眠りたいような、眠りたくないような。 とても難しい気持ちなの。 まるで真綿の檻みたいで、眠らないときっと寂しくなるのに。 眠って、もし二度と目覚めなかったらって。 考えるとすごく、怖い。
(+12) 2015/02/22(Sun) 22時半頃
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[不意に、何処かで水面が揺れたような気配がした]
……今、何処かで。
[音のした方へ首を巡らせる。 抱いていたシャドウから手を離すと軽く水を搔いた。 沈んでいた体が闇の中を泳ぎ出す]
ごめんね。 でも。
[満月の夜、消えた1羽の赤い蝶。 邪魔をするように纏わりつくシャドウを掻き分けながら、 上を目指してひとかき、ひとかき、進んで行く]
(+14) 2015/02/22(Sun) 22時半頃
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っ、ふ、はっ。――っ、けほ、けほっ。
[搔き出した指先が空気に触れて初めて そこがこの海の海面であると知った。 息をする必要はどうやらないみたいだけれど、 久方ぶりに肺を満たした空気に体が驚いたようだ。 びしょ濡れの頭を振って息を整える]
……ここ、上が、あったんだ。
[天蓋に星はなく真っ暗だが。 重く揺れる波が微かに頬を打つ]
誰か、いるの?
[拙い泳ぎで重たい水を搔く]
(+16) 2015/02/22(Sun) 23時頃
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[闇の海をまた一つ、波長が揺らす>>+19]
また、誰か来た……?
[海面にひょっこり浮き出た小さな頭。 黒い波を時折真っ向から被りながら、何度も咳き込む。 闇の中、声が――自分の名前を呼ぶ声が響いた>>+21]
リツキ、さん?
[「しょうこ」「翔子」――微かな違和はあったが、 その声音は紛れもなく]
リツキさん――!
[声を頼りに泳ぎ続けると、指先がふと何かを掠めた。 必死でしがみ付こうと手を伸ばす]
(+22) 2015/02/22(Sun) 23時半頃
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[>>+23引き寄せられてそのまま少年の胸に飛び込んだ。 いつの間にか足がつく瀬まで来ていたらしい。 とはいえ、それは少女の胸くらいまでの深さがあったけれど]
リツキさん……リツキさんだ。 私、待ってたよ。ちゃんと、待ってたんだよ。
[穏やかな笑みを浮かべる様子に相好を崩す。 嬉し涙か、今までの心細さを誤魔化してか、 小さく肩を震わせて彼の胸に顔を埋める]
これでもう、寂しくない……。
(+24) 2015/02/23(Mon) 00時頃
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ううん、大丈夫だよ。 ここのシャドウは襲って来たりはしなかったから。 静か過ぎて、ちょっと怖くなっちゃっただけ。
[人差し指で目元を拭い、今度こそ花のように笑った]
現実と……この先が繋がってるの?
[初めて「影」を他人として語った彼の口ぶりに、 これが元来の「立季」なのだと気付く。 片手で彼の上着の裾を軽く握りながら示された方を見やる]
立季さんは、ずっとここにいたの? 影と一緒に出て行ったり、せずに?
(+27) 2015/02/23(Mon) 00時半頃
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そうなんだ……じゃあ、リツキさんや、マユミさんみたいな、 現実に出てきてた影は特別なんだね。
[シャドウの海の水は普通の水とは違って重たく、 その所為か、濡れていた髪からも雫が滴ればすぐ乾きだす。 赤いリボンで束ねられた髪も尻尾のようにふんわりと]
人間は通れないの? それじゃあ、立季さんは影とも離れ離れだったんだね。
[寂しくはなかったのだろうか。 何処か気遣うような視線が少年を見上げた。
説明>>+29を受けて真剣にじっと考え込む]
(+30) 2015/02/23(Mon) 01時頃
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つまり……えっと。 立季さんが影に身体をあげちゃったから、影は外に出た。 その代わり、立季さんがここで眠ってた。 でも、影が消えて身体が立季さんに戻ったから……。
元に、戻った――?
[2人で首を傾げ合いながら、 その可笑しさにくすっと笑った]
影は元々、立季さんの一部だったんだよね。 それが立季さんから分離しちゃった、 っていう風に考えて正解?
それならなんとなく、解るんだけど……。
[言葉がややこしくなる内にうんうん唸りつつも、 最後に「合ってるかな?」とこてんと首を傾げた]
(+31) 2015/02/23(Mon) 01時頃
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[>>+32彼の手が動く気配に何だろう?とその行方を眺める。 頭の上に乗せられた手にはにかんで、 彼の上着を掴む手を少しだけ強くなった。 拒む気配はなく、ほんの少し照れているだけ]
正解、良かった。 じゃあ、大体立季さん達の関係は解ったかも。
[続いて出題された問題>>+33にじっと聞き入る。 先程彼が指差した波打ち際の先へ1度視線を向けて]
強いシャドウがいるから、出られない。 出られないのは、強いシャドウの所為。 じゃあ、いなくなったら私達は外に……出られる。 元の世界に帰れる……?
[少し俯き考え込んで、再び顔を上げる]
(+34) 2015/02/23(Mon) 02時頃
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[じっとこちらを見ている彼の瞳を見詰め返した]
……立季さんは、帰りたい? 影の時、リツキさんはこっちで一緒にいようって言ったけど。 それはもしかして、立季さんの望みとは違ったのかな。
[彼の思惑を捉えた訳ではないけれど、 少女はその出題に何か違和感を覚えたようだった。 何故、この海で共に在る事を望んだ者が この海を出る方法を伝えようとするのだろう、――と]
……帰れるなら、皆を安心させてあげられる。 でも、立季さんがここにいたいなら。 私、立季さんが寂しいのはやだし。 さっきまでも、立季さんがいなくて寂しかったから。
(+35) 2015/02/23(Mon) 02時頃
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私、ここにいるよ。
[そう告げた後、見上げる顔に不安がよぎる]
それとも。 「影の我侭」だったって、立季さん思ってる? 私は、いない方が良い……?
私は、いらない?
[甘い色をしたショコラブラウンが哀しげに揺れた**]
(+36) 2015/02/23(Mon) 02時頃
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[月は満ち欠けを繰り返す。 外界と繋がる時、それが唯一シャドウの海から潮が引く時。 波打ち際はきっと最もそれが顕著に感じられる場所なのだろう。
満ち引きは導きと似ている――]
(+42) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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帰れない……。 もう、魂の入る器がない……んだね。
[今度は少女の方が少年の表情>>+43を注視していた。 深い影を持つ者ほど本音を押し隠している。 この数ヶ月でそう学んでいたから]
私を心配してくれる人、私も知ってる。 その人はリツキさんと会う私を止めてくれた。 満月の前に会いに来てくれた人もいた。
私、確かに甘かったんだと思う。 でも、もしこうなるって解ってたとしても 私はあの日……あそこへ行った気がするの。
[少しの動揺>>+44、視線が彷徨う様を見詰める。 次に視線が合った時>>+45、 口許は穏やかな笑みを形作った]
(+46) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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私も、きっと一緒なんだよ。 寂しいのはもう嫌だった。 何処かへ逃げてしまいたかった。 でも、だから。 立季さん達の寂しさも解る気がしたの。 放っておきたくなかったの。
誰かを選んだら、他の誰かが悲しんじゃう。 でも、そこに私が選んだ事はちゃんとある。 他の誰かを悲しませない事を選んでたら、 私の月塞はきっともっと抵抗したよ。
月塞は抵抗できなかったんじゃない。 ……しなかったの。
[頬を撫でる手、その手首に触れる。 何かを確かめるように優しく両手で包み込んだ]
(+47) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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…………。 リツキさんのペルソナを見た時、すごく痛かった。 あの傷が、立季さんの傷に見えた。 手首から涙みたいに血を流して。 体中串刺しで。
私は……確かに大人になれるかもしれない。 でも、立季さんをここに置いて出て行ったら、 私はきっとずっと立季さんを忘れない。 それは、やっぱり寂しい……よ。
[影に先に出会えた事を、今なら嬉しく思う。 立季が口にしなかったであろう望みでも リツキは躊躇なく言葉にしてくれたから]
(+48) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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ね、一緒にいよう? ううん、一緒にいて。
立季さんの帰る場所がないなら。 私の体を半分あげる。 そうすれば、ずっと一緒にいられるよ。 もう2度と、寂しくなる事なんてない。
[少女には珍しくはっきりと言い募って。 それから少し自分の言葉を恥じたように俯く]
……我侭、かな。
(+49) 2015/02/24(Tue) 00時頃
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[ペルソナ使いは万能ではない。 だから、叶う事もあれば叶わない事もある。 どのような結末が待っているかは解らない。
罰が下るならそれは業だと思える。 手を伸ばさなかった事を 後から悔いるよりずっと良い]
……ありがとう。
[包み込まれた手が心地良い。 小さな微笑みが口の端に灯る。 少し安堵したように目を細めた]
(+56) 2015/02/24(Tue) 01時頃
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駄目だったら、神様に怒られたって思えるから。 それなら諦められるかなって。 勿論、諦めたくなんかないけど。
シャドウが消えなかったら。 その時はここで、ずっと一緒。 ここから出られる時も……できたら、一緒。
[寂しさに気づいてくれた。 形は歪でも救ってくれようとしていた。 だから、寂しさに気づきたい、できれば救いたい。
願いは心の形にも現れる。 波打ち際にいつの間にか佇んでいた月塞は、 緋色に染まっていた瞳を蜜色に緩めて少しだけ、笑った]
(+57) 2015/02/24(Tue) 01時頃
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[ざざり、と脚を濡らす水嵩が変化する。 波に押されて思わずたたらを踏んだ]
……っ。 どうしたんだろ、すごく海が、荒れて……。
[海がその水を何処かに吸い取られているような>>199。 そんな不自然な水の動きに思わず立季の手を強く握る]
(+58) 2015/02/24(Tue) 01時頃
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[月塞は言葉をかけられた事に軽く目を見張った後、 ゆるゆると首を横に振る。 シャン、と手にした錫杖が綺麗な音を奏でた]
大丈夫、気にしないで……だって。
[恣意に揺り動かされた海、足許をシャドウが何匹も流れていく。 彼に身を寄せるようにしてこくりと頷いた。 繋ぎ合った手が心強い]
……ここに来てない皆は。 シャドウと戦ってる、のかな。
[何も力になれなかった事だけがちくりと痛む。 いいや、責められても仕方のない事だ。 自分が人々ではなく特定の1人を救いたいと願った事は 変えられないし、変えるつもりもない]
(+62) 2015/02/24(Tue) 01時半頃
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[こんな闇の世界にまで落ちる選択をしたのだから。 この手だけは決して離すまい。 傍らに立つ少年を見上げて凛と表情を引き締める]
私も、離れない。絶対に――。
(+63) 2015/02/24(Tue) 01時半頃
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[荒れるシャドウの海の瀬で2人は互いに手を取り合う。
揺れる重い波の狭間を青白く光るものが漂った>>+55。 それを目に留めた月塞が音もなく水を蹴る。 淡い月の光を纏いながら海面を一本歯の高下駄が渡っていく。
波間に座り込んだ少女の前>>+59で、 黒い子天狗は膝を折るとそっと手を差し出した**]
(+64) 2015/02/24(Tue) 01時半頃
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