62 Bye Bye CUCKOO'S NEST
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……つ つ、つつ 着い、た?
[浮上した、舟の中。 ワゴン車は心地よい箱舟だった。 窓の外は、また少し変わっていた。 濡れた路面に反射する街灯。 夢の世界は、水のようだった]
(30) 2014/03/28(Fri) 23時半頃
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[後部座席が夢や記憶に浸されている事は知らず、俺はただ現実を見詰める。しかし視界の端に、記憶の中にしか無いはずの…雨に濡れた風車や遠くの山に落ちる雷の閃光が見えた気がして。目を覚ますためにカフェインを欲して、道脇にワゴンを停めた。]
何か、欲しいか?
[起きているらしいオスカーに問いかけるのは、一旦エンジンを切りながら。キーは刺しっぱなしで、運転席のドアを開けると、雨に濡れたアスファルトの匂いがした。
そこに混じる珈琲の香りは、 傍のコーヒースタンドから漏れるもの。]
(31) 2014/03/28(Fri) 23時半頃
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ふにゃ…………
[声が聞こえて薄く目を開ける。 オスカーの声。父親が、いない…… 文字通りいない、じゃなくて ご両親が離婚したのかしら。 それとも…………悪いこと、聞いちゃったのかな、私 と、眠い頭でぼんやり考える。]
…………そっか。 でも、それなら、なおさら、ママ、しんぱいしてる、よね。 オスカーのこと。
[じゃあ、お母さんはいるのかな?] [彼女はそう考えて目元をこすりながらあくび一つの後口にする。]
(32) 2014/03/28(Fri) 23時半頃
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デメテルは、何処かについたらしい。が、香りは苦い苦い珈琲のもの
2014/03/28(Fri) 23時半頃
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[問いかけられる声。>>31車が止まればドアを開ける。もし今考えたことが現実ならば、
ぽつり、紙に水の色が吸収される。]
いや、ないよ。 ケヴィンありがとう、デメテルも、 リボンのエルゴットも。
[辛うじて微笑めば外に出た]
(33) 2014/03/28(Fri) 23時半頃
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[だって、父親を消したのはー]
...今コーヒースタンドのそばにいる。 こいよ。
[半分になった視界、通信機に左耳を当てて忌々しく呟いた。]
(*5) 2014/03/28(Fri) 23時半頃
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…………
[何処かから聞こえる声。 父親…………という単語に僕は怯える。]
(+11) 2014/03/28(Fri) 23時半頃
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[雨で暗かったからか、もう街灯に灯りがともっている。 細かい時間を知らずに生活することの違和感を感じながら 彼女は聞こえたケヴィンの声と香りで]
…………たべもの!
[咄嗟にそう口にした。]
(34) 2014/03/28(Fri) 23時半頃
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遠くへは、行くな。
[傘なんて持っていない。 オスカーの髪や頬、彼が持つ紙が雨垂れに濡れるのを見て声をかける。何処かへ向かうつもりなら、もう一度「すぐに戻ってこい」とも、言葉を続けたかもしれない。
俺は珈琲を買い、ついでに砂糖がかかったドーナツを3つ買った。ひとつは砂糖の他に甘たるい匂いのする桃色の何かがかかっている。]
(35) 2014/03/28(Fri) 23時半頃
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…そっか、あきらめて…おれのせい?
[無理に頼んだから、だからもう赦されなくて。 レティにも会えなくて、だから寒いのだろうか。
そこまで考えて視界がぐにゃりと歪んだ。 酷い頭痛と吐き気、そして悍ましい肌を這う蟲の感触。 震える手で身体を掻き抱き、丸まって。]
ぅ…ぁ、ごめ…独りに、しないで……、
[幻覚が見える。 ポケットに乱暴に手を突っ込んでオスカーから貰った薬を探す、どこにもない。 だから幻覚は益々現実のようにはっきりとその場に存在していく。]
(+12) 2014/03/28(Fri) 23時半頃
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[最初は曲が作れなくなって。 そして薬に手を出した。 薬で頭がハイになって、曲が作れてもっと薬に手を出して。 気が付けば周りに人はいなくなって、独りだった。 だから、独りになるのが怖い。
通信機から漏れるノイズも混ざり合って。 まるで、お前にはなにもないのだと断罪されているようで。]
ごめん、ごめん……、
[ただ只管に謝る事しか出来ず。 その眼には現実など何一つ映ってはいない。]
(+13) 2014/03/28(Fri) 23時半頃
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[ちらりと右目を細めてケヴィンを見る>>35同意か拒否か。どう見られたかはわからない、けれど。]
...。
[ここでは長居しないはずだ。もし、
もし俺がここで追っ手を止めれば全員逃げきれるんじゃないか。
雨に濡れる髪を気にせずに歩く。]
(36) 2014/03/29(Sat) 00時頃
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ーさよなら、だ。
[二度と拝むことの無くなるだろう空を見上げた。どこか...]
(37) 2014/03/29(Sat) 00時頃
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……ううん……いままで、が 往生際、悪かった、だけ。
[僕は緩く首を横に振る。 赦されないのに、赦されようとしてただけ。 今まで、余計に苦しかったのは、 往生際悪く足掻いていたから。] [まあイアンが砂の中にうもれる。 小さく、子供のように丸まって。]
…………寒い、の?
[凍る砂漠に横たわっているから だから震えているのと? ……一人にしないって、 どうすればいいんだろう? 僕は両手を拘束されたままイアンに手を伸ばして、 ケヴィンが僕にしたようにその髪を撫でた。 陽光を僕が感じたように ……僕の手なんかじゃだめかもしれないけれど。]
(+14) 2014/03/29(Sat) 00時頃
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[ドーナツ3つが収まったオニオンペーパーの袋を雨から守るように抱え、珈琲のカップを手に足早に車へと戻る。運転席へ乗り込む前に、辺りを見回してオスカーの姿を探した。
オスカーの夜のような髪は、濡れて艶めいて見えた。近くに居れば、きっとすぐに見つかるだろうと。しかし、彼の姿は見付けられなかった。
去り際の、片目を細める表情の意味が気になる。 何処へ行ったのか。何処へ行くのか。 其処が行きたい場所なのか。]
……待つか。
[呟き、車内のデメテルに袋を渡し。 運転席の扉に凭れて街角を見詰めた。 温い雨に打たれつつ。]
(38) 2014/03/29(Sat) 00時頃
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こいよ。お前ら。
[ひくり、視界の右半分はない。 そして彼らを捕らえさせる気もない。]
(*6) 2014/03/29(Sat) 00時頃
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こいよ。お前ら
[ひくり、視界の右半分はない。 そして彼らを捕らえさせる気もない。
通信機からは何か聞こえた気がするが。**]
(39) 2014/03/29(Sat) 00時頃
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[故郷がわからないオスカーが外に出る 何か所用でもあるのかしら?と 彼女はゆるく首を傾げながらも 先にケヴィンが戻ってきて。 手渡された紙袋の中の 美味しそうなドーナッツに歓声をあげる]
ありがとう、ケヴィン
…………これで、置いて行ったら 人非人って呼んであげるわ?
[桃色のグレースがかかったドーナッツを頬張りつつ 自分がもしオスカーでこんなところに置いていかれたら、と思うとぞっとするのもあり ケヴィンに返すのはそんな言葉。]
(40) 2014/03/29(Sat) 00時頃
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さむい…わかんな…きもち、わるい。
[ぞわぞわと蟲が這う感触は悪寒にも似ているけれど。 背中に冷たい汗が伝い、体温は冷えていっているけれど。 それが寒いせいなのか、どうかすらも分からない。
ただ、髪を撫でる感触だけは気持ちよく感じて。 甘えるようにすり、と摺り寄せる。 禁断症状と乱暴された痛みのせいで上手く動けなかったからほんの少しの動作。]
…こい、どこに?
[気持ちが和らぎそうだったのに、通信機から聞こえる声にびくりと身体が震える。 どこに行けばいいんだと、虚ろな視線が宙を彷徨い。 そして答えは出なくてぎゅっと目を閉じた。]
(+15) 2014/03/29(Sat) 00時頃
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もう置いてきた。 ロビンを。イアンを。 …黒髪の男も。
赦されざる事ばかりだ。
[そもそもが非道な行いしかしていない気がする。窓越しの少し遠い会話を続けながら、ドーナツを頬張る少女の頬を眺め、薄く笑みを浮かべた。
熱い珈琲を啜ると少し目は覚めるが、行き交う人の持つ傘が、多彩な花が流れ行く様に見える始末に目を擦る。仄かな街頭の灯りが灯る、雨の夜。浅く息を吐き、また一口分の珈琲を飲んだ。]
(41) 2014/03/29(Sat) 00時頃
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……きもち、わるい……
[僕はイアンの言葉に、少し考える。 少しだけ近づいた温度。 前にハグした時よりも温度を感じながら 僕はその髪を食まずに顔をうずめて。]
…………どこにも、いけない
[聞こえた声も、イアンがつぶやく声も。 僕はそう言葉を落として どこにもいけない、ただ、ここにいる だから。]
Erbarm dich mein in solcher Last, Nimm sie aus meinem Herzen,
(このような重荷を負う彼を憐れんで下さい) (この重荷を彼の心から取りのぞいて下さい)
(+16) 2014/03/29(Sat) 00時半頃
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[教会でレティが習っていた歌を 知らない人にうるさいと言われないように 囁く程度の小さな声で、口ずさむ。]
(+17) 2014/03/29(Sat) 00時半頃
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…………? あの二人は、残った、んじゃないの? よくわからないけど……
それとも二人とも、連れて行きたかったの?
[彼女が合流して車に戻る時、彼らは動く様子はなかった。 だから置いて行ったというよりも、残ることを選んだ、ように彼女は見えて。 なのになんでそんな辛気臭い物言いになるのかしら? と、不思議そうにまたドーナッツを一口口にする。 …………この度の利点は、嫌いなピーマンが出てこないことね、と思いつつ きっと家に帰るのだろう人の流れをみて]
(42) 2014/03/29(Sat) 00時半頃
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…どこにも…もどるのも、だめ?
[この先どこに行くのかも分からない。 ただ、あの場所に戻るのだと思っていたけれど。 どこでもいい、独りじゃなかったらどこでも。]
綺麗、おれとは違うなぁ…。
[歌声に少しだけ精神が落ち着く。 相変わらず震えは止まらないし、肌を這いまわる気持ちの悪い感触は存在しているけど。]
あんたの歌、すきだよ。
[湖でも少しだけ聴こえた歌声。 もっと歌えばいいのにと、苦痛に歪む表情の中にほんの少しだけ笑みが滲んだ。]
(+18) 2014/03/29(Sat) 00時半頃
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連れては行けない。 俺の行きたい場所は遠い。
だが、…いや…違うな。 当人が願ったんなら、それで良い。
[あの塀の内は寂しく冷たい場所だった…と俺は記憶している。だがしかしそれは主観でしかなく、彼らにとっては居心地が良い場所なのかもしれない。そう思い、彼らを残してきた。感傷は雨のせいだと割り切って、また珈琲を飲み。
オスカーが立ち去った方向を見詰めたまま、 唇を引き結ぶ。]
(43) 2014/03/29(Sat) 00時半頃
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……け、け ……ケヴィ ンは ど …ナツ、食べない、の
[一口齧った、欠けた輪っか。 欠けた、皆。 最初から欠けた、自分]
い ……い、いいい いる?
[差し出した。 いらないって 言われると思って、手が震えている]
(44) 2014/03/29(Sat) 00時半頃
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……砂漠の……真ん中だから。 戻るって、どうすれば?
[自分で、何処かに] [誰かが……知らない人が戻すのなら、 戻れる、のだろう。 ただ、彼が僕を何処かに投げ捨てたら…… ぼんやりそこまで考えながら、一度歌うのを止めて。]
…………?
[イアンの言葉に僕は心底不思議そうにした。 赦されない僕が綺麗だとか、 この歌が好きとか…………どうしたのだろう?
ただ、イアンの表情に笑顔が浮かんだから 何かの足しになっているのは理解して しばらく躊躇した後、 また、囁いて歌う。]
(+19) 2014/03/29(Sat) 00時半頃
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Auf dass ich nicht mit grossem Weh In meinen Suenden untergeh, Noch ewiglich verzage.
[異国の言語、賛美歌、僕では歌うに値しないだろうけど]
(+20) 2014/03/29(Sat) 00時半頃
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……ああ。食う。
[少しの逡巡の後にエルゴットの震える手に差し出されたドーナツに手を伸ばす。小さく千切った欠片を貰い、口へ放り込むと咀嚼もそこそこに珈琲で喉奥へ押し流す。]
ありがとう。
[エルゴットに礼と共に薄い笑みを向けて。 口に残った砂糖の甘さを珈琲の苦味で消す。 甘いものは苦手だ。
安くて硬いパンが恋しいと思った。 故郷に、帰りたいと思った。
しかし、何処かで…辿り着きたく無いとも。
その思考には生への執着が在る。 何せ俺は、故郷で、死ぬつもりなのだ。 彼処へ行けば…俺に死ねと命じる誰かが居るはずだ。]
(45) 2014/03/29(Sat) 01時頃
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[砂漠の中にいるという感覚は分からない。 ただ、泥の中に沈んで息さえ出来ない感覚はあって。 さらさらと流れる砂と違って絡みつくような泥は気持ち悪くて。]
…讃美歌はガキの頃よく聴いたな。
[小さな頃は教会に通っていた記憶がある。 そこで聴いた歌は綺麗で、自分には似合わない代物だと感じたけど。
今はそれが心地いいから。 重ねるように歌を歌う。]
Especially that in my hea…
[違う曲かもしれない、言葉も違う。 薬の切れた今は正常な判断が出来なくて。 不協和音が流れる中、車は動いているのだろうか。]
(+21) 2014/03/29(Sat) 01時頃
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私とあなたの故郷が違うように みんな、いきたい場所が違っても、おかしくないわ。
[だから、降りる場所もなにも違う。 ただ、オスカーは……故郷を知らない、着いて行くって言ってたから、ここでおいて行くのは違うけど、と思いつつ ケヴィンの言葉に最もらしく頷いて。 そのケヴィンにドーナツをあげるエルゴットをいいこ、いいこと撫でる。]
[向こうの交差点で、雨に滲んだ信号の色が変わる。 この車の中は人里より、あの湖のそばの方が似合うわね、と コーヒースタンドから紙袋を持って出る青年を眺めつ思った。]
オスカー、遅いわね…………あんまり外に出てると 風邪引いちゃうわ………… ねぇ、この車、傘はないの?
(46) 2014/03/29(Sat) 01時頃
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