108 Persona外典−影の海・月の影−
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―満月の夜・祟神北小学校前―
[地に伏した体は半分感覚が奪われてしまっていた。 体温が冷たいアスファルトへ逃げていくような気がする。 肉体から切り離された影は赤い月の導くまま、 シャドウの海へと向かう。
空へと飛び立った青い蝶は力を失い、 何処かへそっと墜落し光を失った。
少女の体はまだ息をしている、けれど。 脈は極めて弱く、流れていた涙もいつしか嗄れ、 意識は戻らぬまま、その瞼が開かれる事もない。
血の気の失せた白いかんばせ。 髪に飾られた赤いリボンだけが今も色鮮やかに――*]
(+0) 2015/02/20(Fri) 19時頃
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―シャドウの海へ―
[緩やかに流れるように、現世という河を漂う。 そうして落ちた先は暗く微睡む広大な海。 塗り込められた闇の中では何も見えない]
――ここ、は。
[とても広い、なのに。 何かゆったりとしたものが常に纏わり付いているかのよう、 何者かの無意識の存在で満たされている]
誰……? 誰か、いるの……誰も、いないの……?
[自分の存在すらも覚束ない不安感。 両手を動かして自分の顔形を確認するように手を這わせる。 前髪を梳き上げて頭へと至った指先に触れる物があった。 手を止め、今までの事を思い出し、少女は両手で顔を覆った]
(+1) 2015/02/20(Fri) 19時頃
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[身に残る最期の感覚。 頬を拭う大きな手、虹色の光、女神の癒し>>3:499。 きつく、閉じ込めるような抱擁>>3:501]
……また、悲しませた。
[誰かの悲しみ>>3:453に手を伸ばせば、 別の誰かの悲しみを呼ばずにはいられない。 何て、世界というのは残酷なのだろうか。 けれど誰を恨む事もできない。 どうするのが正解だったのか、もう解らない。 解ったとしても結末は変えられない。
受け入れるしかないだろう。 いずれこの胸の痛みも浸された闇が 綺麗に溶かしてくれるのだろうから――*]
(+2) 2015/02/20(Fri) 19時半頃
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……――?
[闇に響く誰かの声>>*0。 顔を上げ一面の闇を瞳に映す]
ひかり。 ないよ、何も見えない。 でも。
ここは、寒くない。 闇が包んでくれているの……?
(+3) 2015/02/20(Fri) 19時半頃
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こわく、ない? 皆、仲良くできるの?
[皆一緒にいられるなら、誰かが悲しむ事もないだろうか? 現世では何故それが叶わなかったのだろう。 幼い少女には解らない]
もう、悲しいのは嫌なの。 悲しませるのも嫌なの。 だから。ここに、いても良い……?
[優しい声に心を委ねる。 悪魔だなどと思いもしないで、請うように囁いた]
貴方は、だぁれ?
(+4) 2015/02/20(Fri) 20時頃
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私、待ってる人がいるの。 見つけてくれるって、言ったから。
[それに。 ここには影ではない方の彼もいるかもしれない。
好きに呼べと言われて少し考え込んだ]
かみさま。すがみ、さま。
[唯一知っている神の名を呼んだ。 優しい神様だと、聞いたから。 こんな感じなのだろうかと、ただの想像で]
(+5) 2015/02/20(Fri) 20時半頃
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私が待ってなかったら、きっと悲しむから。 そしたら、救われないから。 だってもう悲しませたくないんだもん。
[かみさまは嫌だったろうか。 少し心配になったけれど、いいと言ってくれたから]
ありがとう、かみさま。
(+6) 2015/02/20(Fri) 21時頃
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―満月の夜・祟神神社―
っ!?
[油断した。 きっと、ペルソナが変わってしまったことに動揺していたからかもしれない。 シャドウに捕まり>>3:407、花咲さんに助けられた>>3:417ものの―]
っ、対応しきれなっ……。
[シャドウに取り囲まれ>>3:451、対応しきれずにそのまま―]
・・・・・・ごめん・・・・・・みんな・・・・・・。 俺、ここまで・・・・・・・みたい・・・・・・・。
・・・・・・賀来・・・・・・花咲さん、ごめん。
[そうつぶやき、俺の意識は闇へと落ちていった―]
(+7) 2015/02/20(Fri) 21時半頃
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―シャドウの海―
[沈む沈む、闇の中。 体は無事だろうが心は深い深い闇の中]
ここは……どこ? 誰か……いる?
[深い深い無意識の中で彷徨い続けていた]
(+8) 2015/02/20(Fri) 21時半頃
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[俺は果たして、死んでしまったのだろうか、生きているのか。 まだ自覚はない―]
(+9) 2015/02/20(Fri) 21時半頃
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[また別の声>>+8がした。 少女と同様に尋ねるような声音で]
……何処?
あなたも、人?
(+10) 2015/02/20(Fri) 21時半頃
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[声が聞こえた>>+10。どっかで聞いたかもしれない]
人だよ。多分。
えっと、君は……?
(+11) 2015/02/20(Fri) 21時半頃
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私、翔子。下部 翔子。昔は姫城 翔子だった。
……声、聞いた事ある、かも。 祟神にいた、人?
ちあき、さん?
[は、と公民館に集まった時の事を思い出した]
(+12) 2015/02/20(Fri) 22時頃
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翔子ちゃんだね。
うん、ちあき。櫻井 智明。
[そういえば公民館であったような。 それと―]
この前、無事でよかった。 なのに……。
[あの後、シャドウに挟み撃ちにされていたところを助けにいったことを思い出した。 あの後俺は別れて例のシャドウと出会ったんだっけ]
(+13) 2015/02/20(Fri) 22時頃
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智晶さんも、こっちに来ちゃったんだ……。 この前は、いきなり逃げ出しちゃってごめんなさい。 助けに来て、くれたのに。
[おたまじゃくしのシャドウを追い払ってくれたのに、 花河の言葉に泣き出してしまったあの夜]
ここは闇が包んでくれる世界なんだって。 かみさまが行ってた。 怖い事とか、もうないって。 きっと、シャドウの海……なんだと思う。
(+14) 2015/02/20(Fri) 22時頃
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だいじょうぶだから。
[何かしらの事情があるだろうから気にはしてない]
そっか……。 怖いことはもう何もないか……。
[彼女はそう信じてるみたいだから今はそれに同調するだけ。 本当は戻って戦いたいのだけど、無理そうだから仕方がない]
楠さん?
[聞き覚えのある声>>*6にそう言った]
(+15) 2015/02/20(Fri) 22時半頃
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[かみさまと智晶は知り合いなのだろうか。 ぼんやりとそんな事を考える。
上も下も、右も左も判らぬ闇の中、 丸くなって胎児のように両膝を抱える。 時間の概念が消えたように静けさに包まれた]
……待ってるよ。
[闇に身を委ねて微睡むように緩く瞬いた**]
(+16) 2015/02/20(Fri) 23時頃
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ん、っ。
[気配が身動ぎ小さく苦痛めいた声を漏らす。 青い蝶による再現>>88は翔子の記憶を辿ったものか。 あるいは同じ蝶から力を与えられたが故の共鳴か。 さておき、痛覚の参照は幻痛となって意識を苛む。
病室で眠る少女の呼吸が一寸乱れたが、 この繁忙極まる病院の中では大事にもならなかった]
ぃ、た、い……――。
[シャドウの海では一層体を縮こまらせて、 抱えた膝小僧に額を押し当てる少女がいた]
(+17) 2015/02/21(Sat) 01時頃
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……リツ、キ、さん?
[己が体を両腕で抱き締めたまま、辺りを見渡した。 闇、闇、闇、一面の射干玉の海。 空耳だったのだろうかと軽く落胆しながら]
……変なの。痛いの、思い出しちゃった。 もう痛い事なんて、ない、はずなのに。
[況してあれは他ならぬリツキから受けた痛み]
……ツキサエ。ごめんね、痛かったね。
[黒衣の子天狗が淡く少女の背後に見え隠れする。 髪は艶やかな黒、瞳は鮮やかな緋色、変わらず肌だけが白いが それはシャドウと言って差し支えなかろう]
(+18) 2015/02/21(Sat) 02時頃
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生きて、る。まだ、私? 痛いのは、生きてる、から……なの、かな。 ……待つよ、私、待つ。
[かみさまの声>>*13に応える、誓いのように。
今度の囁き>>*14は不思議と、近くに感じた。 月塞がすっと少女を離れて泳ぎ出す]
何処……? リツキさん、近くにいるの? 謝らないで……いるなら、触れさせて。 一緒に、いさせて。
[影が人として動いているならば。 影になったのは――]
(+19) 2015/02/21(Sat) 02時頃
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[膝を抱えるのをやめて、少女もまた無意識の海を泳ぎ出す。 手探りで、どうなっているとも知れぬ少年を探す]
リツキさん。
[月塞の姿は何処かへ消えていた]
リツキ、さん……。
[迷い子のような声がぽつり、ぽつりと 無意識の海を渡っていく。 たとえ返る言葉がなくとも、少女はその名を唄い続けた――]
(+20) 2015/02/21(Sat) 02時半頃
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[世界の理を知らぬ少女がもがく様は滑稽で。 まだ完全に海と同化していない事を示していた。
長い間探し回った後、虚無感にゆっくりと首を振る。 涙の粒は頬を伝わず辺りに散って漂った。 啜り泣く声だけが海の静寂を冒していく。
慰める訳ではなかろう。 ただ、異質なもモノを取り込もうとするように 闇は緩やかに少女の四肢に纏わり付き、背に覆い被さる。 優しく、柔らかく、温かく**]
(+21) 2015/02/21(Sat) 03時頃
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とりあえず、ここでまったりするよ。
[生きて戻れるかわからないし]
このまま堕ちてもいいのかなぁ……。
[自分の身に起きていること>>46など分かる訳もなく、このまま闇に沈んだほうが気が楽になるだろうか?]
賀来……、花咲さん……大丈夫かな……。
それにMAYAも……。
[やっぱり気になるのはその場にいた友人達とネット友達の安否。 それと―]
花河さん……無事かな……。 本当なら……傍にいたかったんだけどなぁ……。 一緒に戦って護りたかった……。
[どうしても一番気になるのは花河さんで―]
(+22) 2015/02/21(Sat) 10時半頃
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誰か……彼女の……力になってあげて……。
[深い深い闇に沈みゆく中そう呟いた]
(+23) 2015/02/21(Sat) 10時半頃
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そう……、それならいいんだ……。
[声>>*17を聞いて安心したかのように安らかな笑みでそのまま沈んでいっただろう]
でも……伝えたかったかな……。
……好きだって……。
[その想いが届くかどうかは不透明だけど]
(+24) 2015/02/21(Sat) 10時半頃
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誰かを想う、誰かに想われるって大事だとは思うんだけどなぁ。
[なんてつぶやきながら]
人とシャドウが仲良くできるなら、それでいいとは思うけど。
(+25) 2015/02/21(Sat) 11時頃
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……分かり合えないって悲しいね。
[なんて、つぶやきながら]
また、誰かがここに沈むのかな……。
[俺と翔子ちゃんが沈み、その前にも誰かが沈んでいたのかもしれない。 そして、次の満月の日も……、誰かがシャドウの海に沈んでいくのだろうか?]
(+26) 2015/02/21(Sat) 16時半頃
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[俺はこのままシャドウの海で黒に染まり堕ちるのか、それとも白のまま染まることなく再び元に戻るのか。 まだわからない。
ただわかるのはこうなったのはひとつの"宿命"だったのかもしれない。 ただそれだけ。
「悪魔」のカードをくるくる回し眺める]
俺は人のままいられるのかな。それともやっぱりシャドウになっちゃうのかな。
もう少し……シャドウのこと、知りたいな。
[自分と向き合うこと、シャドウと向き合うこと。 沈みゆくシャドウの海で、今の自分にはそれしかできない、そんな気がした]
(+27) 2015/02/21(Sat) 18時頃
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[時間の流れを感じる事はできないけれど、 この海に流れができる時はきっと満月の夜だ]
……なに。
[闇に抱き込められながら微睡んでいた少女の意識が目を覚ます。 外界と繋がり無意識の一部がシャドウとして流れ出す。
しかし、少女にはその出口が見えない。 ここから出る事はできない]
(+28) 2015/02/21(Sat) 19時頃
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[密かな想いを聴かれている>>*22ことには気づかず]
はぁ……、暇だー!
[本音が漏れる。 何もない闇の中で沈んでいくのは退屈だ]
小説……、読みたい。できれば、ジャパニーズホラー。 リングとか、呪怨とか、屍鬼あたりで。
[本は今、借りてない。家にあるお気に入りの作品をあげた。 海外より日本の作家の方が好きだ]
(+29) 2015/02/21(Sat) 21時頃
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