ふーん諏訪泉。
[覚えていたら飲んでみようと頷き「どんな」と味の説明を求めた。]
いやいや。ワインも俺あんま飲まないっすし。
ビールばっかなんですよねー。んーでも……
この間飲み屋で美味いのあったな……待ってくださいね。
[銘柄をたいていすぐに忘れるために、スマホで写真にとっておいたのを探し、藤堂にスマホに表示されているラベルの内容を見て貰ってから]
うん。次あるならメシと酒がウマいとこで。
近所でよさそうなトコないんすか?
[そのようにして、会話を続ける。
藤堂が趣味だと主張した酒の話を。
酒好きの年上が語るそれは、素直に楽しめたろう。
ちょこちょこと気になったところに質問を繰り返すだけで、よく識っている藤堂からは、説明や返答があったかもしれない。
食い物の店の話。取り留めもない体調の話。恋人について。他にも話題に挙がることが、絵以外であれば、それなりに食いつくことが出来る。
その頃には、一杯目の酒は消えていたかもしれない。二杯目、または盛り上がって三杯目があったかもしれないが――藤堂が一度席を立つことがあれば、その間に、南方は机に突っ伏して眠ってしまっていたかもしれない。]
(422) gekonra 2014/07/06(Sun) 02時半頃