78 わかば荘の薔薇色の日常
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[壁際以外は目線の高さ以下で揃えられた本棚。 店内の見通しは悪くない。
どこに何があるか完全に覚えているわけではないし 宇佐美が手にした本のタイトルが見えるほどの超視力もないが 教えたのは教本関係のコーナーで、 そこから動かず眺めているところを見ると 間違ってはいなかったかと思ったのだが──]
やるんじゃないなら、 隣の隣。
──そう、そこ。 その棚は、画集とか置いてる。
デザイン系の雑誌のバックナンバーは、もう一つ隣。
(446) 2014/07/02(Wed) 07時半頃
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[絵で稼ぎたいと思っている人──]
──うん
[南方は──]
いるね
[絵で稼いで──いる。]
(447) 2014/07/02(Wed) 07時半頃
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──。
[羨む宇佐美の声>>427に遊は沈黙し 代わりにみぃがクァァッと大きな欠伸をした。]
(448) 2014/07/02(Wed) 07時半頃
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− 猫と人間と −
[猫を待ち侘びていた背中を管理人にも見られていた事など 気付かずに、再び舞い戻った場所には進も徹津の姿もあった。 既に食事は終わっており、食べる姿も可愛いだろうと 少し残念に思ったが、何より徹津に擦り寄る姿に。]
(その脚が欲しい。)
[その時だけは一瞬真剣に思っていた。]
同僚達が夢中になるはずだ。
[自分の中では間近になった距離で見る三毛猫は ふてぶてしさとか全く無い…と思うが撫で廻したい衝動に 駆られるが、子供に泣かれた時の事を思い出して 伸ばし掛けた手をしっかり握り我慢、我慢。]
(449) 2014/07/02(Wed) 07時半頃
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明日か? 明日は日勤だから夕方前ならいるぞ。
[進の報酬の話>>431に、スケジュールを告げると 徹津>>428にも。]
ああ、夜には戻るからそれでも良いか?
[徹津から時間を聞かれるのは珍しいから 今でも良かったが、出勤までの時間を考えると少々難しい。
今夜の時間を空ける事を約束して。]
何か土産はいるか?
[色々の礼。聞けたならぎりぎりまで三毛猫を見つめて 支度を整えて仕事へと**]
(450) 2014/07/02(Wed) 07時半頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2014/07/02(Wed) 07時半頃
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みんな、優しすぎるとって。
[フランクさんが、きっと一番優しいんだろう。 だからその人の『わかば荘』には、優しい人が集まってくる。
嘘でも少し、嬉しかった。
「そいつに会う前にお前に会ってたら、 俺はお前に惚れてたかもしれねーよ。」
優しさが、嬉しくて、つらかった。 もっと前に聞いていたら、泣いて、喚いて、いたかもしれない。 だったら今からでも、オレを好きになってと。
捻じ曲げてしまうような言葉を、吐いたかもしれない。
達久に、してしまったように。]
(451) 2014/07/02(Wed) 07時半頃
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─コンビニ─
おーつかれさん。 あ、ちょっとメールだけさせてもろてよか? 打ったら表出る。
[泣いた顔は見られないように前髪を垂らした。 気付いても踏み込んでくるような関係性を コンビニの同僚と築き上げることはなかった。
バックヤードでスマートフォンに手を添える。
言葉を捜して、文字を選んで。 一通送り終えてから。 いつもと変わらないように、コンビニで働く姿がある。 眉根に皺を、ずっと寄せて**]
(452) 2014/07/02(Wed) 08時頃
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− 狩生堂 −
……
[絵が下手、と申告すれば見たい>>444と言われて、むぅと口を尖らせたあとリュックからメモ帳を取り出してペンを滑らせる]
『(、ン、) ←遊さんの顔』
……どうです?
[一旦カウンターに近づいて、メモ用紙を差し出した]
(453) 2014/07/02(Wed) 08時頃
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[差し出されたメモの絵を見て]
はは
[乾いた笑いが漏れた。]
(454) 2014/07/02(Wed) 08時頃
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[何とも微妙な絵だった。
上手くもなく、 画伯と言うほどエキセントリックでもなく。]
……うん
[何がうんか。
とりあえず話を変えた。>>446]
(455) 2014/07/02(Wed) 08時頃
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……言うた通りでしょ
[再びむぅ、とした顔を見せるが別に不快ではなく。そもそも何の話かと思えばつまり目的と棚が合っていないと言うことらしく>>446 一瞬の物思いを振り切って再び教えてもらった棚に向かう。落書きはそのままカウンターに置いて来た]
おお、ー……へえー…あ、
[思わず漏れた声で、間中の誘導が正しかったことが伝わるだろうか。そこでようやく、探していた雑誌のコーナーが目に止まって1冊ずつ確認していく]
(456) 2014/07/02(Wed) 08時頃
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[座布団の上で寝直したみぃは 宇佐美の動く物音を聞き取ってか、 時々ぴくりと耳を動かす。
宇佐美が帰るまで読書は置いておいて 遊はみぃのそういった動きを、 考えこむような眼差しでじっと見ていた。
そして── 宇佐美が目的のものを手にしたかしないかに関わらず 店を出る宇佐美にこう尋ねた。]
絵本は好き?
(457) 2014/07/02(Wed) 08時頃
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[嫌いと言われなければ]
じゃあ──その箱の中の絵本 どれでも一冊好きなのを持ってっていいよ。
[カウンターの裏の、 客からは見えない位置に置いてある段ボール箱の中の 新しいものも古いものも混ざって積まれている絵本を指して]
俺の奢り。
[と、薄く笑った。]
(458) 2014/07/02(Wed) 08時頃
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[その箱の中身は、先日本を売りに来た客が 金にならなくていいから処分してくれと置いて行ったもので ほとんど全部、あまり有名でない作家の絵本だった。
今日ここに来て最初の仕事が この中から売れそうな本を分けることだった。
一冊一冊目を通しながら、これを持って来た客が なぜこんなに沢山の絵本を集めたのか。 そしてなぜ突然不要になったのか。
想像するのは楽しかった。
今箱の中に残っているのは 日焼けが酷かったり 逆に新しすぎたりして売れそうにないものばかり。
だから奢りと言っても、元々タダなのだけれど。]
(459) 2014/07/02(Wed) 08時頃
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絵本?好きすよ。…え、ほんまにええの? そんなにその絵が気に入ったん?
[1冊だけ、まだ持っていなかった徳仁の絵が掲載された季刊誌のバックナンバーが見つかってそれを抱えて再びカウンターに戻る まさか、似顔絵の礼だろうか]
へえー…あ、これ。これが欲しい …うん、じゃあこれもろてもええです?
[絵本は昔から好きだった。文章は飛ばして絵だけを見ることもあるくらいには
さっさと表紙とタイトルだけ見ながら何冊か過ぎて、ある1冊で手が止まった。これ、すごくいい。好きだ]
(460) 2014/07/02(Wed) 08時半頃
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……。
[>>460勘違いも甚だしいが 狐面を貼り付けたような微妙な表情で聞き流した。]
(461) 2014/07/02(Wed) 08時半頃
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[ダンボール箱にも店内にも、まだまだたくさん本があったけど今はその1冊で満足だった。元々手にしてした雑誌と共に会計を済ませる]
ありがと、遊さん。じゃ、お先に …あ、ちゃんと傘差して帰ってきてな?
[他に客もいないしいいか、と気さくな挨拶を済ませて店を出る]
(462) 2014/07/02(Wed) 08時半頃
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んー……ゃー…酒はあんま飲めねぇの。昨日は特別。 …、でも…つまみは何作ってくれんの?
[不意に向けられた誘い(>>441)への 自制しつつも抱えた欲には従順な返答。 美味いものがあるなら、それは食いたい。
酒の肴になるような簡単なものなら。 自分で作るとやっぱり楽しいだろうかって 台所へ目を向けてはみたものの。
昨日はやたら広く感じた台所を思い出すと竦んで、 あそこにまた立とうかって考えは 綺麗さっぱり消え失せた。**]
(463) 2014/07/02(Wed) 08時半頃
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[宇佐美が選んだ雑誌の会計を済ませ、 絵本と一緒に雨の日用のビニールの手提げ袋に入れてやる。]
…──
[本を受け取った宇佐美に 声を掛けようとして、やめた。]
(464) 2014/07/02(Wed) 08時半頃
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[自分の絵について、はなんだか無視された気がするけど気にしない。 早速店先で改めて本のタイトルと出版社を確認する。 新品をもう1冊買うためだ。古書では作家に利益が生まれない]
お、メール
[確認後、鞄に本をしまうと携帯の新着ランプが点滅していた]
(465) 2014/07/02(Wed) 08時半頃
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だからなあ。 変われって言われてさっさと出来てりゃ お前だってこんなに拗らせてねーだろ? それは人に言われてどうこう、っー話と違う。
[変わるのが怖い、怖くない、それ以前の問題。 強制的に歪められれば歪なまま脆いものになる。 だからこそ落とされるか馴れるかしなければ 恋になんて使う脳の容量は持っていないというのに]
(466) 2014/07/02(Wed) 08時半頃
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[やりたいことは自分で見つければいい。
苦しくても好きなことを模索するか 出来ることを一生懸命こなすか。
どちらも間違いではない。 選ぶのは自分だ。]
ありがとうございました。
[本日二度目のありがとうございます。 みぃがまた欠伸をした。]
(467) 2014/07/02(Wed) 08時半頃
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[優しくしたのが俺だから好き。 まるでぴんとこないのは、フランクとのを見ているからか。 他と何が違ったのか、 例えば藤堂ならもう少し上手くやりそうだと思うのに]
だから、好かれてんのは嬉しいし そういうきっかけで興味を持ってく事もあるだろーが。 俺にその期待を押し付けられても根っこがゆがんじまう。
[天然と養殖では味が違うように、 せめてハウス栽培くらいにしてくれないと]
(468) 2014/07/02(Wed) 09時頃
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[七時に店を閉め、書架を軽く整理して店を出た。 帰り際、ても爺が手土産をくれた。 あんこの代わりに桃の入った水まんじゅうらしい。
ただのバイトの身に余るほど、ても爺は気に掛けてくれる。 昔小説家を目指していたから、若いころの自分と被るそうだ。
本当に今月いっぱいでやめてしまうのかい──?
そう問われて、多分──と、曖昧な返事をした。]
(469) 2014/07/02(Wed) 09時頃
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……は。
[好きだと言うその口で忘れてと続ける。 なぜ、]
お前は切り替えて進みたいのかもしれんけど、 生憎とそんなにお前だけに都合よくできてねーんだよ。
[世話を焼くのは楽しいし、話せるのは嬉しいし。 それ以上は考えると、今しがた返したばかりで。 矛盾しまくる言動に今は振り回されて追い付けない]
(470) 2014/07/02(Wed) 09時頃
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[雨はまだ降り続いている。 細い細い針のような、柔らかい雨。
傘を打つ雨音さえ優しい。
帰り道、コンビニに寄ってエクレアを買った。 ついでにのど飴も。
坂道を上る遊の手に、二つの袋が揺れている。 一つには大判の写真集が入っているから、少し重い。*]
(471) 2014/07/02(Wed) 09時頃
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そーか。出てくのか。
[引き留めた方がいいのだろうか? そんな考えが浮かぶ前に眉は寄って苦い顔]
なんでも自己完結させてたら、誰も変わんねーよ。 何でそう、結論を急ぐんだ。
フランクには五年もかかってんのに、俺には一日だけか。
[好きに成れるかもしれないのに、 それすら捨てて出て行きそうな背中に思わず苛立つ**]
(472) 2014/07/02(Wed) 09時頃
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─ 夜 わかば荘 ─
[宇佐美の忠告のおかげで 遊は珍しくちょっとも濡れずにわかば荘に帰って来た。
途中、傘を閉じたくなったけれど 宇佐美の言葉>>462を思い出してやめたから やっぱり今日わかば荘の廊下が濡れずに済んだのは 宇佐美の功労と言って差し支えない。]
ただいま
[玄関でスニーカーを脱いで、誰にともなく言う。]
(473) 2014/07/02(Wed) 09時頃
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[談話室を覗いて壁に掛けられた時計を見る。 針はまだ、八時ちょっと過ぎを示していた。
スマホを取り出して着信を確認する。 メールが一通届いていた。
中を確認して、無言でしまう。]
(474) 2014/07/02(Wed) 09時半頃
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…いっそ誰かに頼もうかな…
[誰、で浮かぶのは1人だけど。いやいや甘えてはいけない。天露の言葉は俺への信頼の証なのだし、自分で行かないと。 もう1通はPCアドレスだった。…ドメイン名にいやな予感がする。 恐る恐るメールを開く]
『久しぶりだね瑛士。元気にしてた?』
[驚きのあまり携帯を落とし…いや、放り投げてしまった。屋根の下に落ちたのが幸いだ。 ゆっくりと拾い上げて、震える手でもう一度画面を覗く。
発信者は悟だった。 兄貴の親友で、俺の元恋人で、全ての元凶の]
(475) 2014/07/02(Wed) 09時半頃
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