108 Persona外典−影の海・月の影−
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─2月某日─
えっと、溶かして、オレンジピール?をちょっと混ぜて……。
[エプロン姿で複数のチョコレートを溶かしていく。 その間にも仕込みに駆け回って、台所はわちゃわちゃしていた。
それ故の必然か、油断が生んだ偶然か。 腕がボウルにぶつかり、溶かしたミルクチョコレートが落ちそうになる。]
っ、やばっ!
[それをキャッチしようと動くと、机にぶつかってイチゴのチョコレートまで落下してきて。 そんなことをやっているうちに、ミルクチョコレートのキャッチに失敗して。]
(1) pepaki 2015/02/26(Thu) 20時頃
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ふにゃああああああああああ!?
[そんな叫び声に駆けつけた者がいれば、二色のチョコレートに彩られた妖精を目撃できるだろう。]
(2) pepaki 2015/02/26(Thu) 20時頃
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あ、う、あ……。 うん、大丈夫……。
[麻夜に助け起こされて、なんとか服についたチョコレートが床に落ちないように頑張る。>>5 服を洗わないと……体も洗わないとだから、お風呂も入らなきゃ、なんて考えながら。]
……ちょ、ちょっと着替えてくる……!
[とりあえずこれ以上汚さないようにしようと。 服を着替えて、脱いだ服はお湯に浸しておいてから片付けを始めるだろう。]
(6) pepaki 2015/02/26(Thu) 21時半頃
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―後日―
はいっ!麻夜、チョコレート! 遅くなって、ごめんね?
[ピンクのいちごチョコのハートの上に、ミルクチョコレートで「toMAYA fromAKARI」と書かれたチョコレートを包みに入れて手渡した。
それを作る間無事だったかは、定かではない。*]
(7) pepaki 2015/02/26(Thu) 21時半頃
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─満月の夜─
……終わった?
[異界が、もとに戻る。 そして、感じる。今回だけじゃない。 多分、今回が最後になる。 戦いの日々は、終わったんだ。]
………………。
[それでも、失ったものが、全て帰ってくるわけではない。 私が過ごしたあの日々は、二度と戻ってこない。 それでも。
後ろから、麻夜の声が聞こえる。 新しい日々は、私を待ってくれている。 だからこそ。]
(21) pepaki 2015/02/27(Fri) 00時半頃
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……うん、帰ろう。
[新しい日々へ。 平和な日常へ。]
(22) pepaki 2015/02/27(Fri) 00時半頃
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─病院─
[麻夜はまた入院になった。 私は、表面上は特に異常もなかったので、学校にも普通に通っている。 学校では麻夜の謎の入院に、「妖精ちゃんを変な大人たちから守ろうとして負った名誉の負傷」ということになっていた。それには、苦笑するしかない。
そして今、ひとつのノートを持って、麻夜の病室をおとずれていた。]
マヤー。大丈夫? 暇だったりしない?
[そんな風に、明るい顔を見せに来た。]
(27) pepaki 2015/02/27(Fri) 01時頃
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[麻夜の様子を見ると、目を細めて口に手を当てる。]
本って言っても漫画でしょ? そんなの読んでるうちに入らないわよ。 明の前だからかっこつけちゃって。ぷっ。
[饒舌に、化けの皮を剥いだように喋り出す。 その姿に、口調に、麻夜は覚えがあるだろうか。]
いっつも、フード付きのコートだからね。 あると喜ぶんじゃないかしら。帽子。 つば?っていうのかな?が全体にあるやつの方がいいと思うわ。
[その人物は、明の友人であるかのように振る舞う。]
(33) pepaki 2015/02/27(Fri) 01時頃
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あら、いい反応ね。 説明?んー。
[考えるような仕草を見せると、口を開いた。]
あなたが逃げ出してるとか、なんとか言ったじゃない? 逃げないっていったけど逃げてる、だっけ?まぁいいや。 それを気にしたのか、私達に話し合いしに来たのよ。明。 で、ルームシェアならぬボディシェアして生活してるわけ。 私は普段出てこないけどね。もちろん。
[そこまで言うと、腰に手を当てて、ノートを差し出した。]
(41) pepaki 2015/02/27(Fri) 01時半頃
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で、こっから私が来た説明ね。 あの子、ここに来るまでのバスで寝ちゃったの。 だから寝過ごさないようにして、私がここまできたのよ。
明が眠い理由は、あなたのためにノートを書いてたからなんだから。 夜遅くまで毎日頑張ってたのよ。感謝しておきなさい。
[そんな風に渡したノートには、授業の内容がびっしりと書いてあるだろう。 おそらく麻夜が退院するまで、続けようとするはずだ。]
(42) pepaki 2015/02/27(Fri) 01時半頃
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お礼も、褒めるのも、あの子にしてやりなさいな。 私はお節介焼きに来ただけよ。 ……まぁ、受け取っておくわ。
[撫でられた右手を両手で包み込む。 そして、麻夜に顔を近づけて。]
私たちの事は、あんまり気にしなくていいわ。 あの子のことだけ愛してあげなさいな。 私達はそれを見て楽しませてもらうから。
じゃあ、一つだけあの子の代わりにプレゼント。 あの子、絶対自分からこういうことしないから。
[そのまま目を閉じて、顔を近づけて。]
(48) pepaki 2015/02/27(Fri) 02時頃
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[そっと唇を重ねた。]
(49) pepaki 2015/02/27(Fri) 02時頃
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[少女はそれきり動かず、固まったままになってしまった。 次第に顔が赤みを帯びていき、目を開けられない、というか開けようとしていないのがわかるだろうか。
まるで人が代わったかのように、唇を重ねたまま震えていた。]
(50) pepaki 2015/02/27(Fri) 02時頃
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[唇が離れた後に、ゆっくりと目を開ける。 その瞳は薄く涙が滲み、顔も真っ赤になって震えていた。]
ちっ、ちがうの!? 今のは、その、スガミがね!? その、えっと、そりゃ私だって、こういうこと、したかったけど。 ああ、もう、違うの!そうじゃなくてねー!? スガミが、スガミが、麻夜はアプローチしないと手を出さないからもっとこーゆーことしなさいっては言ってたんだけど、ってそうじゃなー!?
[涙目でそう弁解する。 2回目ではあるが、意識のあるときのそれとはまた訳が違う。]
(56) pepaki 2015/02/27(Fri) 02時半頃
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ふぇっ?うっ……あ。
[涙を掬われたと思うと、手を引かれた。 そうすると、彼に体を預ける形になるわけで。 そのまま、触れるように口付けされた。
また、放心したように動けなくなってしまったが、彼の一言が。 とっても、とっても、嬉しくて。]
(61) pepaki 2015/02/27(Fri) 03時頃
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私も、好きっ!
[また涙を流しながら、笑った。]
(62) pepaki 2015/02/27(Fri) 03時頃
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カリュクスは、オスカーに手を振った。
pepaki 2015/02/27(Fri) 10時頃
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―麻夜退院後・1-B教室―
[麻夜が退院するまでの間、比較的教室は平和だった。 シャドウの影響もなくなり、普通の日常になったから。 ひとつ、ちょっとした変化を除いては。
謎の入院をしたクラスメイト。その日から、ノートの取り方が熱心になった妖精ちゃん。 多感な時期の学生が理由を読めない、なんてこともなくて。 復帰した麻夜は、クラスメイトからイジられる事態に発展した。……1クラスで収まらない人数がいた気もする。]
え、う、うん。えっと、三ヶ月くらい前だよ。 えーっと。うん、そう、あの日から。
え?クリスマス?うん、一緒だったよ。 バレンタイン?その……まだで、これから。(後日事故)
[今までは、こんなに話しかけられることもなかった。 人に話しかけられても、自分も避けていたし、人も自分を遠巻きに見るくらいだったから。]
(92) pepaki 2015/02/28(Sat) 00時半頃
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[こんなに話しかけられても、平気に思えるのは。 こんなに親しんでもらえているのは、麻夜のおかげ。 だから、イジられている麻夜を見ても、嬉しさが勝って微笑んでいられた。
麻夜の顔色が大きく変わるまでは。
その視線の先にいたのは。]
……幸川、くん?
[シャドウだった、幸川立季。 普段から登校することが稀だった彼が休んでいたことを疑問に思うクラスメイトは、いなかった。 でも、麻夜は違った。私も、少し違った。
案の定というか、麻夜はその日は体調が悪いと早退してしまった。 私は、どうしていいかわからなかった。 彼がいつからシャドウに成り変わられていたのか。 麻夜がどう決着をつけていたのか。 何も知らなかったから。]
(93) pepaki 2015/02/28(Sat) 00時半頃
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―大塚家―
[入院していた時のように、その日の授業をノートに纏めて、麻夜の部屋の前に立つ。 あの日から、麻夜は学校にいけていない。 きっと幸川くんと、どう顔を会わせていいか、わからないから。 それでも、私は何もできないでいた。
拳を作って、人差指と中指の第二関節で、扉を三回叩く。 コン、コン、コン。 いつも、使っている、ノックの癖。]
麻夜、いる? ノート……持ってきたよ。
[ここ数日繰り返してる。 そんな言葉を投げかけた。]
(94) pepaki 2015/02/28(Sat) 00時半頃
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[部屋に篭もって、食べる量も少なくなっている。 なにより……話しかけても、虚ろで、笑ってくれない。 そんな麻夜が心配ではあった。けれど、何も出来ない。]
……うん。 大丈夫、辛いっていうのは、わかるから。
でも、外にでたほうが、いいよ。 学校にも、いこう? きっと、幸川くんも、待ってる。
[それがどれだけ辛いことか、それがどれだけ麻夜を苦しめているか、わかっているつもりだ。 ……本当は理解できていないのかもしれない。 それでも、そういうしか、なかった。]
(99) pepaki 2015/02/28(Sat) 01時頃
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……ううん、麻夜のためになれてるなら、うれしい。
[今までに比べれば、力のない笑い。 それでも、彼が頑張って作ってくれている、顔なのだ。]
うん、どこか、いこ……? ちょっと、待ってね。 ………………その、話したいことが、あるって。変わるね。
[そう言って、目を閉じる。 数瞬の後、目を開けた少女の目つきは、ジト目で険しく。
次の瞬間には、思いっきり麻夜を殴りぬいた。]
(106) pepaki 2015/02/28(Sat) 01時半頃
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………………甘えるな。大塚麻夜。 明に言っていたぞ。逃げるなと。
お前も逃げるな。自分の選択に、向き合え。 ………………私が負けを認めたのは、そんな男じゃなかった。
向き合え。お前と。 向き合え。幸川立季と。
[そう言って、また目を閉じる。]
(107) pepaki 2015/02/28(Sat) 01時半頃
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[次に目を開けた時にはいつもの少女で、その手で殴った麻夜を心配して駆け寄った。]
ごごごごごめんね!?大丈夫!? その、クロノスが、初めて出たいって言ったから……。 い、いつもはこんなんじゃないから!優しい子だから! お、怒らないであげてね……?
[そう、不安げに、見上げた。]
(108) pepaki 2015/02/28(Sat) 01時半頃
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[思いっきり殴ったためか、利き手はじんわり痛む。 そんな状態だから麻夜の心配をしていたが、一先ず大丈夫そうなことに、安堵の溜息を漏らした。]
う、うん?そう、なの? えっと……うん、なにか、吹っ切れたなら、良かった。
[季節柄少しだけ冷たい手で、殴り抜いた頬を優しく撫でる。 怪我はないようだけど、なんて考えながら。]
(118) pepaki 2015/02/28(Sat) 02時頃
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あ、ああ、クロノス、ね。
あれから、暇になって喋り方を覚えたみたい。 それまでは、戦いとか、楽しむタイプだったから……。 やることがなくなっちゃって、とりあえずおしゃべりに参加してるみたいだからね。
……そ、そんなことより、どこにいく? せっかくだから、楽しもう。ね?
[心の中で、少しむっとされた気がする。 けれど、それを意に介さず、麻夜の様子を心配しながら外出の算段を立てていた。]
(119) pepaki 2015/02/28(Sat) 02時頃
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ん、うん……!?
[額に口付けられると、さっと赤くなる。 ちょっと考え事をしているような仕草も、そのせいで気にすることは出来なかった。]
う、うん! それならよかった! ……楽しみにしてるね!
[結局、よくはわからない。でも、元気になってもらえたから。 とりあえず、それが嬉しい。今は、それでよかった。
出かけるまでに、クロノスがちょっとだけ殴ったことを気にしていたのは、また別のお話。*]
(126) pepaki 2015/02/28(Sat) 02時半頃
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[非日常が終わって、皆の日常が帰る頃。 私の日常は、日々変化していた。
パチンと、盤上に磁石が引っ付く音がする。 白で挟まれた黒は、裏返って白へと変わっていく。]
はい、次、スガミ。
[私の中に同居し始めた2つの人格。 初めはしゃべるだけで満足していたようだが、その内に暇を持て余し始めたようで。 こんな風に、テーブルゲームで遊んだりする。]
(182) pepaki 2015/03/02(Mon) 00時頃
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[黒が置かれ、少しの白がまた寝返る。 そんな様子に、微笑みを漏らす。]
クロノスはこういうの苦手だね。 今、もう少し多く取れる手もあったよ。
[そんな風に肩入れすると、必ずスガミは小言を言うのだが。 元々武人基質のクロノスに、頭脳ゲームで勝負を挑んでいるのもどうなの?と笑って流すのだ。]
(183) pepaki 2015/03/02(Mon) 00時頃
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[そして、また白が置かれて、黒が白へ変わる時。 彼の帰ってくる音がした。]
ん、二人とも、ちょっとまってね。
[立ち上がり、トタトタと音を立て、彼を迎える。]
おかえりなさい!麻夜! ……あれ?それは……。
[ぽふっ、と頭に乗った白。 帽子。そう呼ばれるものだと、判断して。 帽子のつばを、両手で触れるように掴んだ。]
(184) pepaki 2015/03/02(Mon) 00時頃
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……ありがとう。 大事にするからね。
[そう、笑顔で返す。]
今日のご飯、お肉にするって。 たくさん買ってきたみたいだよ。
[他愛のない会話をしながら、部屋へと戻る。 普通じゃない私と。普通じゃない同居人達と。 きっと普通の恋人と。
ちょっぴり非日常な、そんな日常。*]
(185) pepaki 2015/03/02(Mon) 00時頃
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