93 Once upon a time...
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[大テントも、夜は静かだった、筈だった。
すん、と、鼻先を揺らすと 獣でもないのに―――… メルヘンに侵食する、死の臭い。 寒さを感じるわけでもないのに、腕を抱き寄せた。]
……… それとも、寒い。 ………
[彷徨う、足取り。
死んだ。 死んだ。 誰が、死んだ。 団員の誰かがそう口にする度に、足を止めた。 既に死体の運ばれた、団長テントに、視線を伸ばす。
―――― 誰かが、誰が。
その名前を聞いて、動けずに**]
(+0) 2014/10/18(Sat) 00時半頃
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―――大テントから、楽団テントに―――
[足取りは、重い。
ヴェールに包まれたような、現実が目の前を過ぎてゆく。 夜が明けて、朝が来て、夜に包まれる。 ――… 時間の感覚が異なるのか もしくは、物語から逸脱してしまった、結末の感覚なのか。 疑問を覚えながらも、楽団テントに、足が誘われた。]
……… そう、なんだ。
[団員が、男に気付かず、横を過ぎてゆく。 華形のマリオネットが、次期団長候補が、奏楽者が、死んだ。 人狼の存在を口々、口にする背を、追うのは視線だけ。]
(+28) 2014/10/19(Sun) 21時半頃
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夢から醒めてしまった、みたいだね……
[たのしい、たのしい、ゆめのせかい。
それはもう遠い過去のようにも思えた。 次期団長候補も、物語の担い手も、紡ぎ手も喪って
――― あの獣たちは、猛獣使いが居る間は、きっと。
自分勝手な思いも秘めて 特等席より一歩手前、楽団テントの入口で足を留めた。 誂えたように団員の姿が、一人、一人、集うのを、見て。]
……………
[咽喉に、指で触れる。 蛇の口がないと言うのは、矢張り、不便だった。]
(+29) 2014/10/19(Sun) 22時頃
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代わりなんて、居ないのだよ、ね。
[ぽつりと。
弱った心地で漏らして、静かに、見届けに。 男の白い影が*揺れていた*]
(+30) 2014/10/19(Sun) 22時頃
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