108 Persona外典−影の海・月の影−
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[そもそも冷静になって考えてみよう。ここはビル屋上。 屋上への扉だかエレベーターだか。まぁ兎も角それらは当然馬上の騎士なんて通れるサイズでは断じてなかろう]
… … …!! … … … …!!!!
これきもちいけど… … … こ わいっ!!
[まず、初速のどうやってビル屋上から離れるかと考えてみたら。 まぁ、とぶのだ。複数の漢字な意味で。音にならない絶叫もあげたくなろう。
流れる彗星の様な青い軌跡が、小学校へと向けて奔り抜ける。 ぐんぐんと。何かが近づく。それが、視え出す]
(474) 2015/02/20(Fri) 02時半頃
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…………しょうこ……
[少年の願いは果たされつつある。 しかし、>>464ひどく心が乱されるのは何故か。 >>463少年の手の中で、翔子の手が微かに震える。]
…………。
[青い部屋とも、青い蝶とも違う、嫌な痛み。 しかし、少年はその痛みを受け入れる。 光の重みを受け止めながら、耐えるように翔子の手をぎゅっと握った。]
(475) 2015/02/20(Fri) 02時半頃
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キサマアアアアアア!!!!
[およそ人の喉より紡がれる音とは思えない、 獣の咆哮の如き声をあげ、男はリツキへと襲いかかる。 その背には、三叉戟を構え、貫かんとする、羅刹の形相をした甲冑姿の男のペルソナが。
そして三叉戟は男の手を離れ、真っ直ぐにリツキへと放たれた]
(476) 2015/02/20(Fri) 02時半頃
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感謝するといい。この借りは君に別の代償を払ってもらうから。
[真弓はそう言ってビルの上から姿を消す。やがて、馬の背に乗り小学校へ疾走してくるペルソナ使い達は見たろうか。街灯の上に直立するペルソナーーーアメリカをかつて震撼させた黒衣の怪人、マッドガッサーのことを。]
人の逢瀬を邪魔するなら、馬ごと死に給え。 誰の言葉だったかな……まあ、いいか。
……やれ。
[言葉とともに、マッドガッサーは馬に乗るペルソナ使い達にそのノズルを向ける。瞬間、周囲にアーモンドのような刺激臭……青酸ガスが吹き荒れた。致死性のガスが道路全体を包むほどに立ち込める。
そして、言葉のとおり黒衣の怪人は音もなくその場から消え去った。真弓の姿はもうなかった**]
(477) 2015/02/20(Fri) 02時半頃
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[>>468 そのか細いような言葉にひとつ頷いた。 雛宮律はただその感情を、言葉を、肯定するだけで慰めなどは口にしない]
だったら、 少しだけ、目を閉じててもいい。
[それからそろりと花河の手をとった。 そこかしこで飛び散り、燃え落ちる火花とは裏腹に、 冷たくて熱を感じさせないだろう少年の掌。 随分と慎重な所作で、彼女の手をそっと引いた]
――行こう、走ってここをぬける。
[先駆けの火烏は、焔に彩られた道を切り開いていく。 その先は知らない、向かう先などどこでもよかった。 どうせ、皆好きなことを好きなようにやっているだけなのだ。 だから、今夜の夜明けが近づくまでは、雛蜜律は花河あかりの傍らに*]
(478) 2015/02/20(Fri) 02時半頃
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― 北部 小学校への道中 ―
[やがて中央部から北部に区画を乗り越える。はやい。 北部に侵入した頃、自分の感覚でも何か大きな反応を感じられた。ふたつほど。
もうすぐ小学校につく、そんな段階に差し掛かって、それは現れた。
それは道の街灯。何の変哲もないそれの上に、何かが屹立していたのだ。
黒衣の影。連想したその姿は、あの大鎌を手に敗北を刻みつけた、『世界』。 だから警戒を無意識に覚えた。それでも、それは]
(479) 2015/02/20(Fri) 02時半頃
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[道路全体を何かが包む。それに気付いた時、激しい眩暈と嘔吐感に襲われた>>477]
… … …ガッ…!?
アカ… … サ … … !!
[息をしちゃだめだ。そう叫ぼうと開く口にも毒が入り込む。 呼吸が苦しい。頭がいたい。 咄嗟に呼吸の一切を止めて、息を詰めて苦痛に耐えようとするが。 馬上の首無い騎士に身体を掴まれている今、自分が対処することは出来なかった]
(480) 2015/02/20(Fri) 02時半頃
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[――その途端。 >>476背後で獣の如き咆哮が響く。 少年が空いている片手を伸ばすと、地面に落ちた臙脂色の本が開き、白い猿が現れた。
白い猿が舞い踊ると、向かってくる三叉戟に稲光が落ちる。 がらん、と床に落ちる三叉戟には目もくれず、少年は咆哮の主を見遣った。]
…………邪魔、するなよ。
(481) 2015/02/20(Fri) 02時半頃
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[>>475握る手の強さと。 >>476激情に満ちた咆哮と]
…………。 ………………。
[どちらをも切り捨てられなかった強欲の報いか。 少女は何もする事はできない。 ただ意識の続く限り、重たい瞼を薄く開いて 事の成り行きを見守るだけ――**]
(482) 2015/02/20(Fri) 02時半頃
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― 北部 小学校への道中 ―
速度 手加減 できない から!
[区切って謂うのは 声を届かせるためだが不恰好だ。 区画を飛び越え、小学校の方面――逢瀬のことなど知る由もない一行だ、馬に蹴られるもなにも、知ったことではないのだが。
>>>477 立ちふさがる何者かに気づいたのは イサムが一番遅かっただろう。 嘔吐感に低く呻いて、飴の棒をきつくギリリと噛み締めた]
じゃま、 すんな よっ!!!
[騎士が、声なき声で咆哮する。 影の海を揺らし、蒼の燐光広がるは、守りの「盾」 広がる毒を押し退けて、守るもの。
贖罪、後悔、その形。]
(483) 2015/02/20(Fri) 03時頃
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[>>478 たすけて――と、口にはしたものの、 どうして良いのか分からないまま、あかりは立ち尽くす。
だから、今だけは過酷な現実から目を背けても良いのだと、 弱さを肯定する律の言葉に促され、静かに目を閉じた。
壊れ物でも扱うかのように、 優しくあかりの手を取る律の指先は奇妙に冷たくて]
――掌の冷たい人は、心が温かいらしいよ。
[昔、何処かで聞いた話を口にした]
(484) 2015/02/20(Fri) 03時頃
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[焔が切り開く道を二人は走る。 あかりはただ手を引かれるまま、行き先は律に委ねる。
世界は異界と化していて、 今も仲間たちは戦っているはずなのに、 二人だけの逃避行に、何故か心が弾むのを抑えられずにいた。 虚空の赤い月を背に浮かぶ、 少女の形をした闇はもう嗤うことなどないままに。
黄金色の瞳で静かに地上の二人を見つめていた**]
(485) 2015/02/20(Fri) 03時頃
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[息を止める為に、眼も強く瞑り、苦痛を噛み殺す様な時間。 受けた微量の毒が身体を蝕む分、永遠に近い錯覚を得る]
… … … ?
あ これ。 サムの。
[瞼の裏で蒼い燐光がちら、と揺れた様な気がした。 まだ毒に少しやられて苦しい、けど更なる苦痛は襲わなかった。 ありがと。そうぼそぼそと告げる内に、騎士は小学校へたどり着くのだろうか。
…或いは、少し遅かったかも知れないが…**]
(486) 2015/02/20(Fri) 03時頃
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邪魔するな、だと……
[どの口が、それを言う]
……貴様こそ、邪魔をするな
[今の惨状を引き起こしたのは、他でもない]
これ以上俺から、俺から………
(487) 2015/02/20(Fri) 03時頃
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―――大切なモノを奪っていくな!!
[貴様のくせに――――!]
(488) 2015/02/20(Fri) 03時頃
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[男はその手に短刀を構え、加護の残る足でリツキへと迫る。 背後のペルソナは、落とされた三叉戟を手元へ引き寄せ、再び構えた。
振り下ろされる三叉戟は地面を撃ち、周囲に衝撃の波を伝える。
それに合わせて、男は地を蹴り、 その顔面へと短刀を突き立てようとした]
(489) 2015/02/20(Fri) 03時頃
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が…わったら…きっと…
たくさんの…の…が…ちるのだろうね…
…に…まれた…と…
…んだ…の…を…どれだけ…ることが…るのか…
それは…するだに…しい…のだけれど…
その…に…
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……しょうこが、望んだんだ。 お前が、口を出す権利は無い。
[>>488激昂を受け止め、少年は淡々と紡いだ。 >>489三叉戟が地面を揺らし、白い猿の足元が揺れる。
白い猿は大きく跳躍し、短刀と少年の間に立ち塞がる。 短刀は猿の腹を裂き、裂かれた箇所から黒い霧が霧散していく。
少年は翔子の手を離し、ゆっくりと立ち上がった。 彼が翔子の頭を撫でていたことを思い出す。]
(490) 2015/02/20(Fri) 03時半頃
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…………しょうこの影は、ずっと俺たちと一緒だ。 お前なんかの手の届かないところに行くんだ。 苦しみも、悲しみもないところに。
[少年はそう言い放ち、数歩後方に飛び退いた。
影と身体を切り離す。 それが少年の思惑の通りに成されているかは、まだ分からない。 しかし――。]
自分の無力さを、思い知れ。
[少年は煽るように告げ、くるりと身を翻す。 目的は成されたかに見える。不必要な交戦は避けるべきだ。
少年の姿は瞬く間に遠ざかる。 後に残るのは臙脂色の本が一冊と、翔子の身体。 臙脂色の本の裏表紙を開いた位置にある名前に、 男が何を思うのか――それは少年の、預かり知らぬところだ。**]
(491) 2015/02/20(Fri) 03時半頃
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― 北部 小学校への道中 ―
げっほ、――げほ
[咳き込みながら、ちらと様子を確認する。 毒で咽喉が焼けるようだが、 なんとか、なったらしい>>486]
……ペルソナが勝手にやってんの
[ありがとう、にはそう答えた。 己の深層意識のなしたことだとは 飲み込み始めているのに。 みしりと軋む肺の痛みに、喘ぐように息を吐いた。
この先だ、慟哭のような雄たけびが聞こえた気がする。それは、――イサムの記憶にやきついて、剥がれないものに、似ている。]
(492) 2015/02/20(Fri) 04時頃
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[突然の声かけに、振り向いて空へ糸を伸ばす。>>431 糸は、あれくらいのものが飛ぶよりは早い、追えるはずだ。]
ん、わかった! ……まっすぐ、飛んでる……。
っ?う、ま?
[探知に集中する間にそんな声が聞こえて。>>462 すぐに首なしのペルソナに持ち上げられる。]
(493) 2015/02/20(Fri) 04時頃
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わひゃあああああああああ!?
[猛スピードの発進に、叫び声が出る。 動揺はしているが麻夜に抱えてもらったおかげで、振り落とされることはなかった。>>467]
と、つぜん、すぎるっ! あ、スクナビコナっ!おいつけてない!
[探知に集中していたがために、取り残されたスクナビコナがふよふよと追ってくるのが見えていた。]
(494) 2015/02/20(Fri) 04時頃
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―― 、 ――!!
[激しい衝撃。>>489 影の海に響き渡る。幾度目か馬が嘶き、 高く前足を上げる。
飛来する天馬のような角度から、 立ち去る姿と、挑みかかる姿、倒れて動かない姿をイサムは満月よりなお丸く見開いた目で、確かに見た。
腕を伸ばす。
ああ、けれど。今は。 共に馬に乗る少年と少女を毒の呪いより 守るので精一杯 だと、 首無し騎士は馬の疾駆を、止めた**]
(495) 2015/02/20(Fri) 04時頃
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[道中、何者かの妨害に合うのがわかった。>>477 でもわかったのは、眩しいのが見えてから。]
……っーーーっ!
[スクナビコナがいない以上、こうしてやり過ごすしかないと、息を止める。 そのうちに、ペルソナの能力か、光が毒を押し退けた。]
っぷは!あ、ありがとー……。
(496) 2015/02/20(Fri) 04時半頃
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いーーーーーっ!?
[毒の次は、強い衝撃。 何が起こってるのか、麻夜の腕の中ではよくわからない。 スクナビコナは、まだ追い付けないらしい。 ただ見ていることもできずに、何かが過ぎるのを待つ。]
(497) 2015/02/20(Fri) 04時半頃
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[短刀がリツキの身に届くことはなく、代わりに戟を落とした白い猿の腹を裂いてゆく。 裂いた腹から黒い霧が散り、男の視界を遮った。 掻き分け、空く手で掴もうとするも、既にそこに姿はなく。
リツキの言葉が、男の身に突き刺さる]
なら、翔子は…… 影ではない、翔子は……何処へ行くと言うんだ……
[遠ざかってゆく姿を追う事ができない。 此処とは違う、赤の世界で横たわる姿を見た時から、己の無力さなど、男が一番良く知っていた。
けれど、それでも守りたかったのだ。
なにがあっても どんなことをしても
守りたかったはずのに――――…]
(498) 2015/02/20(Fri) 05時頃
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………―――。
[アスファルトに崩れ落ちる身体を、その腕で支え、抱きしめる。
昔に出来なかった、その後悔を重ねるように。 公園で会った時、してやりたかった事をするように。
今もなお、流れる涙を止める手段すらなく。 せめても指で拭って、頬を流れ落ちるのを防ぐだけ。
虹の女神が、その頬を撫で、癒しの術をかけても、腕の中の少女の動きは変わらない。 少女自身である月塞の気配も、感じ取れない。
男がしてやれる手立てなど、なにもない]
(499) 2015/02/20(Fri) 05時頃
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無理矢理にでも、引き止めればよかった……
[いつかにした後悔を、今もまた、男は変わらず、し続ける。
同じ過去を、何度も繰り返す。
妹を、友を、そして妹によく似た少女を、 こうして守る事も出来ず、ただ見送るしかない。
男は、無力だ]
(500) 2015/02/20(Fri) 05時頃
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―――………。
[腕の中の温もりを失わないように、きつく、強く、抱きしめる。
少女の涙に引きずられるように、 男の目尻から、銀の雫が、頬を伝った]*
(501) 2015/02/20(Fri) 05時頃
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