83 最初からクライマックス村3
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― そして いつかなる、軌跡へ ―
――…うん。 約束、だったからね。
[お互い一度ずつ果たせなくなりそうだった約束>>1:180>>1:197は 二人迎えられたこの夜明けの未来(さき)に繋がった>>25ようで。]
(27) shirone 2014/07/27(Sun) 07時半頃
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[もう一度、と希った言葉>>26も、すぐに聞く事が出来た。]
―――、……
[一層赤みを増す顔を、トレイルの胸へを押し付けて隠すようにしながら、]
(28) shirone 2014/07/27(Sun) 07時半頃
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――――――――――私も、愛してるよ。
[降り注ぐ聖命の光。 季節外れの雪の様な粒、二人を祝福しながら世界に溶ける。**]
(29) shirone 2014/07/27(Sun) 07時半頃
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エルゴットは、ごろごろしている。
simotuki 2014/07/27(Sun) 20時半頃
カイルは、エルゴットに水をやっている
sunao 2014/07/27(Sun) 21時頃
エルゴットは、おや、新たな世壊樹の芽が……。
simotuki 2014/07/27(Sun) 21時頃
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ボリス―――……
[最期に聞いたのは、穏やかな彼の声。>>2:141 確かに、彼は「ありがとう」と呟いた。]
――私は、礼を言われるようなことは何もしていない。
[そっと目を伏せて、しばしボリスのことを思う。 ボリスに、妹のように懐いていたレティーシャを殺したのは男だった。
その後、改心したとはいえ、自分を仲間として迎え入れるには葛藤や苦しみがあったのかもしれない。だが、そんな素振りをおくびにも出さず、彼は自分に仲間として接してくれたのだ――]
何も、してやれていなかったさ……
[降り注ぐ奇跡の光は、あの優しい男を繋ぎ止める楔になり得るのだろうか。]
(30) mikanseijin 2014/07/27(Sun) 21時頃
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ああ………
[夜が、明けていく。
世壊樹と世壊呪が消えた為、男は、自身の体から、魔力が引いていくのを感じていた。魔物どもも、魔力を失って存在出来なくなるか、あるいは無力化するだろう。
男が無事なのは、人の血のおかげだ。]
呪われている、と思っていたが…… 人の血にも魔の血にも、何度も助けられてはいるな……
[フ、と自嘲気味に笑う。]
(31) mikanseijin 2014/07/27(Sun) 21時頃
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…………。
[そして、確かに目の前で起こった、"奇跡">>7]
[見届ければ、ふと柔らかな笑みが男の顔に浮かんだ。>>26>>29]
……………。
[これ以上の邪魔は野暮だと、男は彼らに背を向けて。]
戦いは終わった。 これからは夜明け《デイブレイク》の時間だ。 深夜《ミッドナイト》の出番は、終わった。
[何処ともなく、去っていく。**]
(32) mikanseijin 2014/07/27(Sun) 21時頃
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―そして…―
[黄金の陽光に照らされた世界に、柔らかな風が吹く。
ああ。と彼は思った。
これはきっと、緑の癒し手《スマカラタ》と呼ばれたアオイの風だ。 魔神すら救おうと……救えると信じたカイルの妹。 彼女の意志(ソウル)は世界を巡り、世界を癒やすだろう。 後に風の伝道師《ヴァン・セゾニエ》フィリップと呼ばれる、笛を吹くのが得意だった彼も、今は同じ陽光を見ているだろうか。
残された金剛石《心》の欠片は記憶を辿る。]
(33) yota108 2014/07/28(Mon) 01時頃
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ユウガオとアサガオ―― 深き夜の銃《ミッドナイト・ガン》と暁告げる星《デイブレイク・ガン》の化身たる双子。君たちがいなければ、銃の真の力を引き出し、二人の狙撃手の心を繋いで奇跡を起こすことができなかっただろう。
《預言者》アステリズム・レティーシャ―― 僕を兄のようだと慕ってくれた、愛くるしい少女。満天の星が煌めいていたあの川辺で歌ってくれた古代の歌を、歌ってくれるだろうか。
与命者《エンチャンター》サクラコ―― いつもは憎まれ口ばかりの彼女は、最期までカイルの心配をしていた事を思い出す。きっと今でも彼の傍で、彼の勇姿を見守っているはずだ。あの、少し唇を尖らせて怒っているようにも喜んでいるようにも見えるはにかんだ表情で。
(34) yota108 2014/07/28(Mon) 01時頃
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魔宝石術師《ジュエリスト》ビアンカ―― 始まりの導き手。奇跡の輝石《テラス・リトス》の紡ぎ手。貴女がいなければ世界は為す術も無く世壊されていただろう。そして僕(ボリス)を創ってくれて……ありがとう。
箱庭師《ワールドフェイカー》ハルカ―― 一本気に溢れる彼女は、常に仲間の道標だった。彼女がいつも説いていた、己を、仲間を――そして、奇跡を"信じる"事で世界は救われた。
殺戮の道化師《ジェノサイド・フール》―― いや、これからは頼れる紳士《ジェントル・フェイス》と呼ぶべきかな。レティーシャを手にかけた時は、絶対に許せない存在だった。けれど、レティーシャ自身が最期に言ったように、それは奇跡の為の必然だった。 今は、君が、世界の味方でよかったと思っているよ。
蒼き彗星《ミラクル・ヴィクトリー・スター》カイル―― 真っ直ぐで猪突猛進で妹思いな少年。アオイとサクラコを護れなかった夜、人知れず自分を責め、涙を流していた事を知っている。仲間の死を乗り越え、成長した君だからこそ、輝跡勝利閃剣《ミラクル・ヴィクトリー》を手に入れることができたんだ。
(35) yota108 2014/07/28(Mon) 01時頃
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明けの明星《エルピス・フォスフォール》トレイル――ビアンカに奇跡の輝石《テラス・リトス》として見出された銃騎士。幻だった僕を最後まで仲間《フレンド》と呼んでくれてありがとう。嬉しかった。……どうかこれからも彼女を護ってほしい。
剣の賢者《ソードセージ》クリスマス――太陽の光の似合う、笑顔の眩しい女性《ひと》。君の笑顔に、どれだけの人が救われたか。君はきっと世界の希望そのものだったんだ。
僕は。
(36) yota108 2014/07/28(Mon) 01時頃
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僕は君のことが……好き、だったよ。
[そっと最期の声を残して。 使命を終えた金剛石は、運命を繋ぐ円環の中へと消えていく。
新しい夜明けを迎えた世界を祝福しながら。]
(37) yota108 2014/07/28(Mon) 01時半頃
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――――…………
(38) yota108 2014/07/28(Mon) 01時半頃
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― X年後 ―
……おぎゃあ、おぎゃあ!
[とある家のとある若い夫婦の元に、待望の新しい聖命が誕生した。
元気な産声を上げた赤ん坊は平均よりは少し大き目の男の子で、ちいさな掌にしっかりと小さな金剛石の欠片を握りしめていたという―― ……**]
(39) yota108 2014/07/28(Mon) 01時半頃
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[去りかけていた男は、誰かの声が聞こえた気がして、 ふと立ち止まる。>>35
振り返っても、失われたその姿は当然、なかった。
……ただ、微笑み合うトレイルとクリスマスが、将来赤ん坊を抱いて喜んでいるような……そんな幻が、見えた気がした。
一体何だ、と思うものの、彼らならそんな幸せを当たり前に掴むだろうという予想もあって、ただの幻とは言い切れない気がした。
ふ、と口元を歪めて、背を向ける。]
(40) mikanseijin 2014/07/28(Mon) 14時頃
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……さらばだ、同朋《ブラザー》たちよ。
幸せにな。
[仲間たちへと向けて、片手を挙げれば、 今度こそ振り返ることなく、男は歩き去った。 裾の破れた黒いコートだけが、揺らいでいた。]
(41) mikanseijin 2014/07/28(Mon) 14時頃
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―それから―
[数年が経ち、魔物による被害は減り、少しずつ復興する街の一つ。平和が訪れれば、無法者がその分増える。
路地裏で、若い女性が数人の男たちに囲まれていた。]
『おおっと、どこへ行こうってんだ?』 『ここを通りたければ、通行料を置いていってもらおうか?』 『体で払ってもいいぜえ?』
[下卑た笑いを浮かべる男たちを前に、若い娘は怯えて震えるばかり。
と、そこへ……]
――邪魔だ、どけ。
『ああん?なんだてめー邪魔しようってのかぁ?』
[黒いコートの男が、いつの間にか娘の後ろに立っていた。男たちは、いつその男が現れたのかにも気づかなかった。その男は、目元を仮面で隠しており、表情が覗いしれない。]
(42) mikanseijin 2014/07/28(Mon) 14時半頃
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やれやれ。
人間とは、救い難い生き物だな…… 感謝するがいい。 人は愚か者のみではないと、同朋《ブラザー》から教えられたが故に、私は貴様らを滅ぼさないのだから……
『何をわけのわからん事を…やっちまえ!』
フン……貴様らごとき、武器を使うまでもない……
[仮面の男がふっと消える。 無法者たちは、その姿さえ捉えることが出来なかった。 何が起きたか、理解が及ばなかったに違いない。 気がつけば、体のあちこちに傷を負い、地面に転がっていたのだから。]
(43) mikanseijin 2014/07/28(Mon) 14時半頃
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『あ、あの……ありがとうございます』
……礼には及ばない。 通行の邪魔をしていたから片付けただけだ。
『あの、貴方は、一体……?』
[若い娘は、息一つ乱していない男へと問うた。]
……そうだな。かつての同朋《ブラザー》は、《ジェントル・フェイス》などと私を呼んだな……
『ジェントル・フェイス様……』
[何故かぼんやりとしている娘にそれ以上構うこともなく、黒いコートの男は歩き出す。路地裏を抜けて、雑踏へと紛れていく。
男は、素顔だと、その強さが目立ちすぎるが故に、かつてとは違う仮面をつけ、旅をしていた。]
(44) mikanseijin 2014/07/28(Mon) 14時半頃
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「お前、相変わらず仮面をつけているのか?」
[雑踏の中、聞き覚えのある声がして、 男が撃たれたかのように足を止めた。 それは、失われたはずの声で、また幻聴を聞いたのかと、最初は思った。]
「……せっかく、吾が剥ぎとったのに」
[驚愕の表情を浮かべながら、振り返る。 仮面の奥の、深青の瞳がとらえたのは―――…**]
(45) mikanseijin 2014/07/28(Mon) 14時半頃
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[――ひとつの奇跡《エデン》の話をしよう。]
(46) simotuki 2014/07/28(Mon) 20時頃
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[世壊の夜は明けた。
降り注ぐ聖命は生きとし生ける者達に光と軌跡を届け。 人々は最初の秘詩文月、第二十四日の『剣聖祭』が明けるのを祝った。
魔の時代は終わった。
強大な魔物達は力を失い。 ひとつ、またひとつとその存在を伝説として姿を消していった。]
(47) simotuki 2014/07/28(Mon) 20時頃
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―???―
――ハッ ハッ
[小さなちいさな獣が駆ける。 嘗ては地平を闇に染めながら駆ける魔物であったかもしれない存在は、今や小さな獣となって駆ける。
傷つき、毛皮は汚れ。 小さな獣は何かに追われるように走り続け、やがて深いふかい森の奥、泉の傍で力尽きる。]
(48) simotuki 2014/07/28(Mon) 20時頃
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[世界の何処かに。 動植物たちが生まれ傷を癒す奇跡のような場所があるという。
そこは聖命に溢れ。 母なる樹が守護する楽園。
伝説として詠われるようになったその場所は、いつしかある一つの名で呼ばれるようになったという。]
(49) simotuki 2014/07/28(Mon) 20時頃
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[――忘れられし庭園《ロストエデン》、と。]
(50) simotuki 2014/07/28(Mon) 20時頃
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― そして… ―
[呪の心臓に刻まれたV字《勝利の証》。 禍々しい身体は罅割れ、砂のように脆く崩れてゆく。 カイルは浄化されゆく世壊呪と世壊樹を見上げていたが。]
―――――。
[呪から解放された、見慣れた優しい顔>>2:141にカイルもニイッと微笑む。 やがてそこには灰色の石だけが残り、それも夜明けの光を浴びて金剛石へ姿を変える。 それでもカイルは微笑んだまま、金剛石へ語りかけた。]
(51) sunao 2014/07/28(Mon) 21時半頃
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…礼なんかいらねえよ。 これはお前も一緒に掴んだ奇跡だ。
お前はお前を信じた。 俺達もお前を信じた。 だからこの夜明けがある。
へへ、ウルトラかっこよかったぜ、ボリス。
[聖剣クリスマスをトンと肩において、あいた方の手を金剛石へ向けて親指を立てた。
―――――その時だった。]
(52) sunao 2014/07/28(Mon) 21時半頃
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――――…え?
[耳元で聞こえた、罅割れの音。>>0 肩においていた剣身を起こすと、罅割れは加速して。 瞬く間に光の欠片へと姿をかえて、空へと消えていった。]
クリスマス…ッ!!
[思わず、声をあげて空へ消える光へ手を伸ばそうとしたが、それはすんでの所で握り拳へと変えられた。]
………、…っ
[カイルはぎゅっと拳を握り締め、俯く。 トレイルの震える声。>>12 彼が送り出した光を見届ける事は出来なかったが。]
(53) sunao 2014/07/28(Mon) 21時半頃
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[暖かな光>>4が辺りに満ちて、カイルはゆっくりと顔をあげた。 そこにあった光景は。 そこにあった姿は。 まさに奇跡。
光に包まれたクリスマスの身体はゆっくりとトレイルの元へ舞い降り、優しく抱きとめられる。 それは聖マリアンヌ教会に飾られているシメオンとアイリスの再会を描いた大壁画とよく似ていた。]
………へっ、あいつら。見せつけてくれやがって。
[そう言いながら、指で鼻の下をこする。 口ではそう言っていても、カイルの顔には満面の笑みがあり。 心から二人を祝福していた。]
(54) sunao 2014/07/28(Mon) 21時半頃
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