108 Persona外典−影の海・月の影−
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―満月の夜・高屋敷家裏山>>4:416>>4:417―
へえ……そこに気づくとは流石だな。 そうとも、自分が嫌いなら自分が変わるしかない。正しいよ。 それができなかったかのは、高屋敷真弓の弱さだったんだな。
まあ、でも僕の方もやりたい事があってね。 世界の方に少々干渉させてもらうことにした。 この世界がシャドウの海とつながったら、こちらにシャドウが溢れ出すんだ。シャドウの世界には人間を縛るルールなんかはない。 もっと楽しくなるよ。そう思わないかな。
……思わないんだろうな、君は。 やっぱり、君には消えてもらわないといけな…
(12) 2015/02/22(Sun) 19時半頃
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[銀の円盤、フー・ファイターを差し向けようとした手が止まる。あかりの前に現れたのは、闇色をした少女。シャドウかと思ったが]
ペルソナ?………シャドウにも見えるけれど、それは…
[手が止まる。その仮面の奥の顔について理解するのにそう時間は要さなかった]
なるほど。なるほどね。花河あかり、君は自分の弱さを克服したんだね? ……いいだろう、もう君の前で余裕ぶっているのはやめる事にした。……消えろ!!
[黄金色の雷が槍となって降りかかってくる。銀盤を一つ貫いたところを、別の銀盤が横から狙い撃つ。4機の円盤が旋回し、次々に降りかかってくる雷を相殺し、撃ち落とし、あかり自身に光の鉄槌をくだすべく迎撃する。狙い撃つ。迎え撃つ。その金と銀の光の応酬は、ずいぶん長い時間に及んだ――――]
(13) 2015/02/22(Sun) 19時半頃
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[―――やがて、はっと意識を目覚めさせる。目の前に倒れ伏した真弓の姿。満月の夜はすでに終わっていた。夜が白み始めている。銀の光を飛び交わせていたペルソナは、すでに5機とも、全て撃ち落されて消えていた。もっとも、精神の力だけで言うならあかりの方が大分消耗はしていたのだろうけれど]
……一瞬意識が飛んでいたみたいだ。 だけど参ったな…今から手にかけて後始末なんかやってる時間はないぞ。下手をすると一時しのぎのせいで、後後余計面倒なことになる。
………忌々しいけれど、次に回すしかないか。
[周辺の木々に手をついて立ち上がる。家に帰るべく泥のついた普段着のまま、高屋敷家へと戻って行った。
その日は、図書館には真弓は出勤してこなかった]
(14) 2015/02/22(Sun) 19時半頃
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―自宅―
はい、館長。申し訳ないですが、風邪をひいてしまいました。 今日は有休で病欠させてもらいます。ひょっとしたら明日も休ませてもらうかも… ええ、大丈夫です。ちゃんと病院には行きますから。皆さんにもご迷惑をおかけしますとお伝えください。それでは。
[職場に連絡を取った真弓はパジャマ姿のままベッドに横たわっていた。バッテリー切れのように睡魔が襲ってくる。]
体の節々が痛む……が、消耗はそう酷くないな。多分明日にはよくなるだろう。 ……それより、立季の声が聞こえてこない。
(20) 2015/02/22(Sun) 20時頃
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[念のためメールで連絡も取ったが、返信が返ってくる様子はなかった。]
雛宮にも一応状況を伝えておかなければ。 ………どうやら、次が仕掛けどころのようだ。
[それだけ決めて終わると、真弓はしばしシャドウの海のような暗黒のまどろみの中で揺蕩うことにした。次に目覚めたのはその日の夜近くだった]
(21) 2015/02/22(Sun) 20時頃
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あかりに…が…れた…すまない…めそこなったみたいだ…
…よりもかなり…が…くなっているようだから…したほうがいい…
…は…とかする…
…やっとかな…また…てこれた…
…しくやりましょう…
…のおに…さんたち…
お…さん…
…
まあいいか…しい…は…い…だしね…
…も…きにやってくれればいいと…うよ…
ふふ…ありがとう…
まずは…の…を…す…
そうすれば…のない…も…く…になれる…
ああ…はよく…んだよ…
…でなくとも…けそうだ…
へえ…また…えるようになったんだ…
そうだな…でも…じゃないほうがいい…
…なものは…くこともできない…
…った…どうにもならないとしって…
より…が…れるのだからね…
の…
…のことかな…
…を…がどうにかするつもりなのかな…
そうしたいのだけどね…
…があった…
そうしないと…が…っちゃうの…
そうだねえ…どうにもならないと…る…は…いの…にとっては…の…だからね…
…も…を…いたつもりはないんだが…まあ…い…はいいか…
…は…り…を…うさ…
…へえ…の…ね…の…なんだろうとは…うけれど…それなら…に…せてもいいのかな…
ああ…
…が…をやったのかな…
…と…と…
…は…はその…の…をしていたからね…
…るのは…と…あの…まゆみさんの…
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―後日・図書館―
[二日後にはいささか消耗した精神力も回復し、特に問題なく出勤できるようになった。この期に及んで人間の真似事というのもおかしな話ではあるが、先を考えての事だ。父親の出る予定の市長選も近いし、まだ当分は高屋敷真弓として振る舞う必要がある。]
どうせ満月の夜になる前にこっちを襲うほどの胆力は彼らにもないだろうし。
[人がはけた頃にぽつりと呟く。目を閉じると暗い海鳴りが聞こえる気がした。]
……水嵩が増してきている。こっちのシャドウもそれなりに増えてきた。……次でいけるかな。
それにしてもペルソナ使いってのはシャドウの海でも一応自我を保っているものなのか。……やれやれ。やっぱり次からは面倒でもきちんととどめを刺した方が後々苛つかずに済みそうだ。
(35) 2015/02/22(Sun) 22時頃
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は…とやり…っていたんだっけね…
…の…は…らないな…てっきりいつも…り…でいたんじゃないかとも…ったけれど…ら…と…だったか…まあどっちでもいい…だよ…
…はあまり…の…を…に…っていないようだったし…そういう…でいるうちは…ではないさ…
なるほど…
その…の…り…では…くなりようがない…
なら…の…の…りえるものは…
…かな…
…は…
…はとりあえず…げた…の…を…けるよ…
…そのために…を…したんだからね…
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―図書館>>41― はい、貸し出しですね。どうぞこちらに。
[見知った相手がカウンターの前に立っているのに気付いたけれど、何気なく、いつも通り事務的に対応する。詩集のバーコードを読み取って、周りに誰もいないのを確認すると口を開いた]
君はこういう趣味があったとは知らなかったよ。僕は詩はあまり詳しくないんだ。
……先だってはお疲れだったね。3人一編に相手にしたんだろう?まあ、まだ再起可能な感じなのもいるようだけれど。 面は割れてしまっているし、次の満月……あたりで決めてしまいたいところではあるかな。
そうそう、君は花河あかりとは特段親しかったね。 彼女の反応はなかなか面白かった。君にも見せてあげたかったな。
(47) 2015/02/22(Sun) 22時半頃
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ねえ…まあ…かに…を…こう…に…してしまったのは…だものな…せいぜい…を…けておくよ…
まあ…の…の…は…に…からない…もあるけれどさ…
…くなるようにやってくれ…え…
…きこともなき…を…く…って…の…だったかな…まあ…そんな…じで…
は…なんだけどな…
…らのような…い…が…
…にくれる…をみたいだけだよ…
…いて…いてどうにもならなくて…
…のこころを…の…で…していって…
…が…に…わった…なにもかもが…に…すなんて…
…に…れじゃないか…
…ては…に…われず…
…ては…に…がない…
は…きだけどね…
…
そういったことを…の…にした…は…
…の…を…める…
そういう…が…きだよ…
にとっては…
…に…き…いの…ではないかな…
それが…が…んだ…だ…
…が…んだ…は…な…だったか…
を…ったか…まぁいいや…
もっと…も…させなきゃ…
…に…く…のないように…
…に…を…け…すように…
しっかしこれ…いったいなぁ…
…ってのでも…いておけばいいのかな…
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―図書館>>51― ふうん、君は世界と自分を切り離すために本を読むのかな。 僕は少し違うな。世界を知ることで自分について考えるために本を読んでいるんだと思う。
人間というものは面白いよ…そのくだらなさ故にかえって面白い。 僕がこうして好き好んで高屋敷真弓の真似を今でもしているのも、彼らの反応が逐一面白いからかもしれないね。
まあ、でも僕もそろそろ全く自由にさせてもらいたいもんだし。
……君を見て花河あかりがどんな顔をするか興味はあるけれど、まあ……僕も僕なりにやらせてもらうさ。次はね。
[そう言って雛宮を見送り、仕事に戻った。2月にはバレンタインとかで、職場でチョコレートがロンダリングされていた。真弓は、この習慣は人間のやる事の中でもとりわけくだらないものだな、と思いながら付き合っていた。
満月の夜は、それからしばらくして訪れた。]
(140) 2015/02/23(Mon) 21時半頃
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――満月の夜・崇神港埠頭造船ドック周辺―― 月が明るい。綺麗な月だ。今日の海はシャドウの海によく似ている。
[満月に照らされながら黒くうねる海を青のセダンから降りて眺めながら、真弓は呟いていた。 港の周辺も少し奥の方まで行くとごっちゃりとした漁船やらは少なくなり、石油コンビナートとか、造船ドックとか、フェンスで区切られた空地のような無機質な空間が海に向けて広がっている。]
これぐらいになると、もうこそこそと隠れてシャドウを増やす必要もないな。さあ、行っておいで。今日は随分影が濃い。
(142) 2015/02/23(Mon) 22時頃
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[月に隠れてくっきりと浮かび上がった真弓のシルエットから、黒い泡が沸き立つように生まれで、シャドウの形をとっていく。単純な棒人間のような人型の物…そのいずれにも顔はない。低級なシャドウではあるが、人の集まる場所を向いて小さな一群を成していく。]
あれを逐一潰す余裕はないだろうよ。 さて……彼らはここに来るのかな。それとももう少し仕事をしてから出向いてあげた方が親切かな?……なんてね。
(143) 2015/02/23(Mon) 22時頃
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[影は崇神市を覆っていく。影を食らうべき人間を探して。 同じような影は崇神神社の方からも見えた。山の中腹の一点が黒く変化しているようにも見える。]
シャドウに人間の世界の規範などはない。 シャドウは……何者からも自由だ。 シャドウには縛られる必要などはない。
人間と違って、僕達には恐れるべき闇はないから…ね。
[とは言え、それがシャドウの総意というわけでもない。]
……そこが難しいところなんだ。 ただ、一つ言えることは……ペルソナを使うという点について僕達は彼らの上を行く。
(161) 2015/02/23(Mon) 23時頃
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……おや、誰か来たみたいだね。
[車から背を起こし、満月の下で読んでいた本を胸ポケットにしまって歩き始める。白のブラウスにブルゾンを着こみ、マフラーを巻いた姿。 高屋敷真弓の姿には似つかわしくなく、ポケットに無造作に手を突っ込んでいた。オペラグラスでやってくる人影を視認する]
……秋山五郎かな。久しぶりだね。もう随分長い間会っていない気がするよ。でもまさか君一人ってわけじゃないんだろう?
(173) 2015/02/23(Mon) 23時半頃
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―北部・造船ドック周辺―
そうか……いや、それは嬉しい申し出だね。 元の高屋敷真弓はそういうのも嫌っていたが、僕は歓迎しよう。 特に約束した相手がいたわけでもないんでね。
[やってきた大柄な男>>189を見つめ、笑みを漏らす。元来の真弓よりも幾分諧謔に満ちた、冷たい笑い]
いや、あれらは君達には敵わないからね。ただ町の人間の影を奪いに向かわせたんだ。残りのシャドウは別の場所にいる。 君の相手は僕一人だよ。秋山五郎。
……始めるのかい?
(192) 2015/02/24(Tue) 00時半頃
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