64 さよならのひとつまえ
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…
…
…と
…
あ…づいたか…
ばれない…あったんだけどな…
…と…に…ん…で…えよ
…んでた…の…えてくれ
お…が…づいたら…で…う…するつもりだった
…
…
…
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―翌朝・自室―
[昨日は部屋に散らばる紙吹雪に拗ねてふて寝した。よって片付けは今だ終わらず。 例によって朝は弱い。それでも仲間が旅立つのなら、窓を開けて見送る。 バスを待つ宗介の姿を見とめれば。]
(そういえば、俺の薦める菓子を喜んで食べたのは)
[――お前だけだったなと、今更ながらに積み重ねた記憶を蘇らせる。
博の衝撃的な告白には目を丸くし。 告げられた対象の名前に驚いたわけではない。 確信は無かったが、予感はあった。]
(…告白はしないって言ってたじゃないか)
[やられた。]
(19) 2014/03/27(Thu) 01時半頃
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[入れ違うように>>1新たに同級生の名前が呼ばれるのを聞けば。 二人の顔を脳裏に描く。]
……。
[いつものように二度寝しようとしたが、なぜか眠気は降りてこず**]
(21) 2014/03/27(Thu) 01時半頃
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…
…づいてるじゃないか
…ああ…む…えてないと…うぞ…
…してみろ…すごく…ぶと…う
…は…あるからな
…もそっちで…てるから
…に…えるのは…あの…やってみたいから
…しい…か…
…って…が…いな…まだ…すらしてないのに
…
あと…の…えとく…
…ぎてお…に…えて…かったからな
…
…
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[>>24どうしたと問いかける声は、いつも寝ている自分に対する事だとすぐに気が付く。]
博、凄いな。 ...告白するつもりはないって、言ってたのに。
[ちゃんと告白、したんだな。 声帯は振るわせず、唇の動きだけで形作る。 すぐに話しすぎたことに気が付けば。]
お前に昨夜蹴られた箇所が痛くて眠れないんだよ。
[鈍い痛みを心に抱えて。自分でもルームメイトのものでもない名が、流れるのに耳を傾ける。 床に散ったクラッカーの煌めきが、今はとても遠い。**]
(32) 2014/03/27(Thu) 08時頃
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…
…えたのか…
…
なんか…たし…みたいな…い…しだな…
…
こづや
…の…は
…で…かった…れるわ…
ところで…は…むならどこで…むよ…
いや…でわり…んだけど…だけど…
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本人に直接聞いたわけじゃないけど、 ……何となく。
[内心しまったと思う。それでも一度出した言葉は戻せない。 どうやっても。芽生えた想いを、忘れられなかったように。 振り返っても、そこに道は無い。]
『ひろの好きな相手って、同性じゃん。お前、そういうの、気にしないのか』
[知らないがゆえの問いが心を抉る。>>48 気にするさ。今だって気にしてる。 だからずっと動けなかった。]
…そりゃしかめっ面もする。俺はハニーって柄じゃない。
[無愛想で顔立ちも普通で性格も適当。 やりたいことも見えなければ、未来も見えない。 『愛しい人』だなんて、似合わないにもほどがある。]
(65) 2014/03/27(Thu) 19時頃
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そうだな。普通とは言えないんだろう。 でも、俺は博のこと言えない。
―――俺の好きな奴も、男だから。
[切っ掛けはなんだったのだろう。]
(あ。言った)
[初めに抱いた感想はそれだった。 言わないって決めてたはずなのに。 それは去って行った同級生の、紡がれないはず想いを、堪えられなくなった瞬間を見たせいか。 それとも、…『卒業』だからか。
後悔していないと言えば嘘になる。 この瞬間を無かったことにできればと思う。 それでもやっぱり、出した言葉は戻せない。]
(66) 2014/03/27(Thu) 19時頃
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なあ、ありす、
お前は俺のこと、気持ち悪いって思うか?
[他者に厳しいようで、本当は誰よりも自分に厳しい。 そんな真っ直ぐな人を。 せめて視線だけは逸らさないように見つめる。*]
(67) 2014/03/27(Thu) 19時頃
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…
…いてました
…
ああ…いんじゃないか…も…しようかな
…か…はあんまり…ないが
まあいいか…ありがとう…ったら…とす
…でも…っこの…だけどな
どうだろう…の…は…の…はない
…は…の…だけだが…こっちは…が…たんだけど…
お…も…しなきゃなんだろ
…とか…がもし…うなら…まりに…るか…
あ…やってないのか…なのにな
…
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[言うつもりなんてなかったのに。 困らせるだけだって分かってたから。
まったく博。 お前のせいだぞ。
お前があんなに、格好良かったから。]
………は?
[反応が恐ろしかった。 被告人の主張は終わり。あとは死刑判決を下されるだけ。 軽蔑の眼差しを受けることを覚悟していた。 1年間一緒に過ごしていた。ずっと黙っていた。 同居人がそうだなんて知ったら、―――反吐が出るに決まってる。 だけれど、裏切りに対する答えは意外すぎて。>>79]
話聞けよ。 だから俺は…人のこと言えないんだって。
(90) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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[気持ち悪いと、その言葉で断罪されるのは自分のはずだった。 気を使われているのかと思った。 優しい奴だと知っていたから。 同じように、こんな器用な嘘を付ける奴じゃないとも知っていた。]
こんな時ばかり優しくするな、似合わないぞ。
[思ってもいない憎まれ口を叩く。 その優しさを痛いと感じる日が来るなんて、考えもしなかった。 …言えるか、馬鹿。 誰に何を話したとしても。
お前にだけは―――言えない。]
(91) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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そっか、そっか。 お互い難義だな、俺達。
[何とか表面だけでも落ち着きを取り戻すと同時に飛来したのは、 驚きと安堵と…失恋への苦しみ。 拒絶されなかったからと言って、思いを告げられるわけは無く。 彼が同性を想っているというのなら。
瞳に映るのは、彼の''ダーリン''に決まっている。]
…よし。ありがとな、ありす。
[今だけは、その眼を逸らすことなく自分に向けてくれたことに。 どうしようもなく感謝して。]
(93) 2014/03/27(Thu) 20時半頃
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そ…
…
…の…の…したら…るよ…
…かったら…えて…
あ…ついでに…の…も…るよ…
…あったらついでに…えて…
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俺もお前が初めて。 仕方ない、初めて同士の縁で黙っていてやるよ。
[何なら指切りでもしてやるぞと、冗談めかして掲げた小指をすぐに仕舞い込む。 一息で怒涛のように送り込まれた苦情に>>102、自然と笑みが浮かぶ。 変わらない態度が嬉しかった。 だから今はそれで満足する。 それ以上望むのは過ぎたる願いだと。
―利政と。>>102 今しがたまで思い浮かべていた名前に、どきりと心が跳ね上がる。
恋愛感情が無いと言われて沸いた心に、あさましいなと苦々しく笑って。]
(…朔太郎、か。)
[彼が「ちゃん」付けで呼ぶのを赦している存在。 ああ。畜生。 あいつも――いい奴だ。]
(130) 2014/03/27(Thu) 21時半頃
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まあ、誰がお前の『ダーリン』でも、応援してやるよ。 どっちにしろ、俺は失恋してるし。俺のことはあんまり気にするな。
ルームメイトのよしみだ。お前はせいぜい幸せになれよ。
[口角を少しだけ上げて―――さあ、笑え。 一世一代の演技は伝わっただろうか。]
(131) 2014/03/27(Thu) 21時半頃
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く…
…
…の…
…
…にでっかい…せ…き…かないか…
っても…い…いたの…で…からやるから…は…な…
…こそはというものよ…すぐ…に…られたし…
あ…でも…でも…ひもちんと…には…わないでね…
…ばかやろう
…るなよ
でも…えられない
それはごめん
…の…を…ありがとう
…
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知ってるよ、おせっかい。
[俺が馬鹿なのも。お前がお人よしすぎるのも。
…前言撤回。 嘘の笑顔に素直に騙されてくれないなんて、 お前、やっぱ…俺にも厳しいな。
だから嫌だったんだ。 告げたらお前、困るだろ。 困らせたくなかったのに、そのまま黙って退寮の日を迎えるつもりだったはずなのに。 きっぱりとした拒絶を選べないのは、――未練か。
掴まれた箇所がひどく熱い。 そこから鼓動や体温がすべて相手に伝わって行く錯覚を覚え、気恥ずかしくなる。]
(191) 2014/03/27(Thu) 23時頃
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じゃ…お言葉に甘えて。 嫌だったら、遠慮なく蹴り飛ばせよ。
[言うが早いか。繋がった手をぐっと惹き寄せ>>147、腕の中に招き入れる。 抵抗されるようなら素直に開放する。 樹央ほど身長にこだわっていた覚えはないが、少し見上げなければいけない位置が、少しだけ悔しい。 暗闇の中、母を求める子のように。腕の中の体温に、必死に縋りつく。]
(192) 2014/03/27(Thu) 23時頃
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[5つ年上の兄は何でもできた。
幼い頃は人並みにやりたいことや、夢といったものがあった気がする。 でもすぐに何も無くなった。兄の方が全部上手にできたから。 才能に愛された兄と残りカスの弟。 両親の期待が集中するのも必然だった。
例え兄が失踪した後でも、ありがたいことに、彼らが俺を見る目は変わらなかった。
『今更、あなたには何も期待していない』
優秀な跡継ぎを失った後でさえ、「親」と呼ばれる二人は、はっきりと言い切った。
―――でも、みっともない真似だけは、しないで頂戴ね。
高校に行って、大学に行って、会社に入って、結婚して。 ごく平凡に暮らしなさい。 貴方に望むのは、それだけだからと。
――それ以外は、認めないからと。
(221) 2014/03/28(Fri) 00時頃
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改めて言われるまでもなく、選びたい道なんて存在しなかった。 高校に入って真っ先に選んだのは帰宅部だ。 それに苦言を呈したのは園芸部の顧問だった。 部活に入るのを望まなかったのは、自分以外にもいたけれど。 彼らはそれぞれ、他にやりたいことを持っていたから。
『見学だけでもしてみないか』
提案を受け入れたことに深い意味は無かった。 見学したうえで断ればいいと思った、それだけ。 なのに結局三年も居続けることになった。
(224) 2014/03/28(Fri) 00時頃
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夕暮れの部室で、 黄昏に照らされながら、
花を愛でるその姿が、
『いや…綺麗だなって思って。』
今更あれは、お前のことだったなんて。 とても言えないけど。
(225) 2014/03/28(Fri) 00時頃
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ありがとう、ありす。
[拒まれなかったことにもう一度感謝して。 更に少しだけ力を込める。 零れ落ちた自分の名前を>>206、宝物のように心の中に大切にしまいこむ。]
お前は、立派な花屋になれよ。
[耳元で小さく囁いて。 美しい人の身体をそっと放す。]
(227) 2014/03/28(Fri) 00時頃
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