93 Once upon a time...
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ライオンが、猫なら、狼は……… 犬?
[我らが猛獣使い>>0:232の分類に 細い目を、更に眇めて、狼の分類を尋ねた。 獣は等しく、腹を出して、ごろごろ甘えるのならば、同じなのかと。
愛嬌あって、くるくると表情を見せる アントニーと、子猿にも視線が追い掛けて、ふと笑う。 差異こそあれど、どちらも、愛嬌は、変わらない。 ―――…それは、歳を食った自分の手にこそ、ないもの。]
……… 知恵があるから、仕込むのも、楽だよ。 良い演目を、きっと、…… 僕も、頑張らないとな。
[ニコラスの演奏に、シェロの愛嬌に、恥じないものを。 本番まで残り少ない日取り。自然、指折り数えてしまう。]
(3) 2014/10/10(Fri) 00時頃
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………… うん。
狼の前では、皆、赤ずきん。 団長も、言っていたしね。 ……、ご用心。
[噂話を本気にしている、口振りではなかったが。 まことしやかに告げられたブローリン>>1のことばに 重ねるようにして、脅すように、自分の口で言う。]
『く、く、狼も、仕込めば、さぞ光るだろうな。』
[次に、告げるのは、蛇の口。 にょろりとした身体をくねらせて、男の首に、巻き付いた。]
……… とても、賢いらしい、から。 玉乗りだって、きっと、お手の物…… だよ。
(5) 2014/10/10(Fri) 00時頃
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[――― 厨房の側から、アントニー>>2の声が耳に届く。
ゆで卵
その単語を耳聡く、聞き咎めたのは、蛇。 わくわくと、黄色く鈍く光る目を光らせて 待ち侘びている一匹が、密かに、追加されるのだった。]
(7) 2014/10/10(Fri) 00時頃
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流石に、蓄えが芋だけだなんて………
…、そんな苦行を、団長が強いるわけが、ないよな。
[サンドイッチを仕込む際に レタスとトマトとハムの備蓄は、確かに、目に留めていた。 ―――…ただし果物に関して未確認であるのも事実で。 エフェドラ>>6に頷き、再度、厨房の奥に目を向けた。]
『ゆで卵でも林檎でも、まあるいものを所望する。』
[努めて低く告げる、蛇の口に。 しゃあ、と、都合良く鎌首擡げた蛇が、大きく、口を開いた。]
『なあに。 狼が出たら、ルリが丸呑みにしてやるよ。
居ると信じれば居る。 居ないと思えば、居ないさ。』
(14) 2014/10/10(Fri) 00時半頃
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――――…へえ。 狼の方が、先なのか。
[笑みを交えて告げられた、ブローリン>>8のことばの、内容に 調教師の記憶にはない情報に、自然、好奇心が頭を擡げた。]
犬は、玉乗りが……… 出来るから。 狼は、ジャグリングも、出来るかも知れないな。
[夢の演目を、重ねて。]
………… 繋がれているのが、ひとか、狼か?
『いいや、違うな。 ひとの方さ。』
(15) 2014/10/10(Fri) 00時半頃
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演目の内容で、仕込みの内容も、決めるから。
曲目は、そういえば、決まっているのか。
[厨房に掛ける、一声。 プランを組み立てる時間は、自分にとって、この上なく楽しい時間だ。最も、このサーカス団に貢献出来ていると、実感出来る。
声色が、ゆるいながらに、熱が籠る。]
おおかみなんか、こわくない。
[食べられないようにと 告げる側ではなく、告げられる側に、気付き、瞬く。 ふ、と、溢れたのは笑み声で、人差し指がブローリン>>13に ――――…ばん。 ピストルの、真似事だった。]
(18) 2014/10/10(Fri) 00時半頃
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『おや、おまえ、団長の腹に石でも詰まっているとでも。』
[腹に石を詰められるのは、赤ずきんでは、当然ながら、ない。 噂話を話の種に出来る今だからこそ 蛇の口を借りて、我らがマリオネット>>19を、からかいに。]
………、うん?
[睡魔との戦いに、勇敢に戦おうと言う エフェドラの背を見送ろうところで、間抜けな、声が漏れた。
耳に届くのは、鼻歌のメロディ>>22]
(25) 2014/10/10(Fri) 01時頃
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[生きたマリオネットの演目では まず耳に出来ない、響かない程度に細い、澄んだ、おと。
楽器を思わせるメロディに耳を傾けて 二度目の「うん」は、正しい意味を告げに、頷いた。]
『こわくない。 こわくないったら、こわくない。』
[蛇の口で、なぞらえるワン・フレーズ。]
…… 合ってるよ。 ありがとう。 ……… おやすみ、エフェドラ。
[ありがとう、が、今夜一番に、柔らかかった。 満足して答える一人と一匹であり、おやすみと、見送ったのだ。]
(29) 2014/10/10(Fri) 01時頃
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爪が、邪魔にはならないかな……
[―――…切ってあげないとね。
猛獣使い>>24の、どこか猛獣らしい、にやり笑いに こちらは含むように口許を僅かに和らげた。]
賢い者に、煙に巻かれるのは きっと、狼も、ひとも、変わらないだろうね……
そう言う。 君は、どちら側だと、思う。
[噂話の延長戦、尋ねるのは、好奇心から。 エフェドラを見送った一人と一匹が、ブローリンを向いて。]
(31) 2014/10/10(Fri) 01時頃
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おや、お帰り、アントニー……… 凄いね………
[厨房から、足取り軽やかに帰って来た団員>>21に おかえりと告げるのが先、視線を向けたのが、後。 抱えられた食料の量に、僕の細い目が、幾分、丸くなる。]
『卵』 と、オレンジ。
[芸を細かく、代わる代わる。]
(33) 2014/10/10(Fri) 01時頃
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[そして、ゆるく、首を縦に振る>>28
卵が目の前に見えている所為で やたらアピールのしつこい蛇が、大口を開いて。]
『アントニーは、如何だ。 狼は、怖いか?』
[エフェドラとブローリンに向けていた軽口の延長線。 早速パンに齧り付いているアントニーに、口許が笑う。]
『私が丸呑みにしてしまうからだよ。』
[怖くない、理由。 それこそ子供騙しのようで。]
(39) 2014/10/10(Fri) 01時頃
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[告げてから、床に張り付いていた足が、動く。
アントニーの戦利品が並ぶ、テーブルに立ち寄って 卵を一個と、大振りのオレンジを、一個。 丸と丸を指先で掬って、ちょい、その流れで子猿を手招いた。
随分と彼にも懐いているようだったから 一仕草で来ないのならば、おいで、と、声も掛けて。]
……… さて、シェロのこと、少し、借りても良いかい。
玉乗りと、出来れば、ジャンプまで、教えたいから…… さ。
[ちょい、ちょい、指先を揺らす。 無事に子猿を借り受けられれば、男は今夜、寝床には帰らない。
仕込みの為に―――… テントを、*離れるのだ*]
(41) 2014/10/10(Fri) 01時半頃
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なあ…
…が…が…を…うより…に…みにしてやるって…うんだ…
…はなんで…を…わなくちゃならないんだ…
…はそんなに…うまいのか…
…
なんで…おれは…
…
なんで…なんで…なんで…なんでっ…
…
は…そんなにうまい…んだよ
…
…どもにはわからない…かもしれないけれどね
…
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――― 昨日・炊事場 ―――
……… 任せて。
[手招きに、駆け寄る子猿に、腕を伸ばした。 右腕に蛇を。 左手に子猿を、伴って。 調教師らしく頷き、ブローリン>>46の様子に、ふと―――]
寂しい?
………… 明日には、ちゃんと、帰すからさ…
[気付いたのは、言葉尻の、声色の僅かな変化から。 蛇の口を介さずに指摘して、卵とオレンジも手に、背を向ける。]
(110) 2014/10/10(Fri) 21時半頃
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『ならば、私の方が余程恐ろしいな。』
[しゅるり、蛇の口、舌を出した。
丸呑みを恐がる、団員の声>>42 男の口許も矢張り、笑う角度で。 翌朝―――… の、出来事など、知らない内だからこそ。]
おやすみ。
[そう、言って、男の足取りは、二匹を伴い、テントの外*]
(112) 2014/10/10(Fri) 21時半頃
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なんで…くの…
…
…なんにも…いことはしていないのに
…
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[秋の夜、月の夜、跳ねる玉、子猿と子犬の、愛嬌の声。
月が傾いて、空が白んで、夜が明ける。
一睡もせずに総仕上げを決めるのは 公演まで日取りが残っていないからだ。 ―――…間に合わせなければ、と、気が急く。]
明るい曲目を、……… ね。
[去り際に、ニコラス>>50が口にしていた希望を思い出す。 跳んで・跳ねる・飛び切り明るい演目が良い。 客先まで気持ち踊り跳ねるような、夢の演目を――――、]
……… 狼なんて、恐くない。
[無意識に、ポケットに触れた。 猟銃ほどの長さもない、ポケット・サイズの、お守り。 父から受け継いだ、それは、"誰かを護る"為のもの。]
(115) 2014/10/10(Fri) 22時頃
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――― 翌朝 ―――
[そして、一睡もせずに迎えた翌朝。 玉乗りも大分、様になった子猿と、蛇を連れ立って、テント前。
二人分で織り成す泣き声>>90>>106は、聞き慣れないもので。 緊張感に敏感なのは獣も同じで 腕の子猿も、蛇も、まあるい目を、揺らしている。]
どうしたの。
[虚を突かれた、問いの最中にも、鼻を突く。深い血生臭さ。]
血、……
[団員の人集りから、聞こえる、団長が死んだと言う事実。 公演はどうする。 人狼が。 交錯する声に、立ち尽くす。
その、男の腕から、するり、子猿が逃げた。 小走りに駆ける先は―――… ブローリン>>77の足元。]
(120) 2014/10/10(Fri) 22時頃
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[蛇の口は、緊張感漂う、人波に、しゅるり、咽喉を鳴らす。 十八番の声を出さないのは 男自身の、余裕のなさに、他ならない。
泣き声に、手を伸ばすニコラス>>116の姿と、スージー>>114の姿。 一瞥をくれて、無意識に、指が胸を撫でた。 覚えたざわつきを留める為に。]
そう、公演は……… 続けない、と。 シェロのこと。 ありがとう、良い子、だったよ。
[腕を離れた子猿に対する評を、かろうじて、告げた。 重石の付いたような足取りは、現実を直視しに シーツの掛けられた死体の傍に寄った。
血の溜りを避けずに、膝を着く。]
(129) 2014/10/10(Fri) 22時半頃
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[丁度、傍にいた、ニコラス>>128の手許。
捲れたシーツに、団長のかおが、見えた。]
……………
[守れなかった。 それを口にするのは、あまりに烏滸がましい気がした。 唇だけが動く。 声には、ならなかった。]
(130) 2014/10/10(Fri) 22時半頃
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ジャニスは、ザックとフィリップは何処に居るだろうと、ぼんやり、考える。
2014/10/10(Fri) 22時半頃
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