[触れる事へは小さく頷き了承とする。
短な前髪、生え際の近くを指先が掠める。
同級生に頭部を触れられる機会などそうそうないので、最初の方は変に緊張していたものだ。
朔太郎はそういうもの、と、自分に言い聞かせていくうちに、平常を保てるようになった。
折角慣れられたのに、それも無駄になるのか、と、思わないわけではない。けれど、それは、「仕方ない」]
鋏使わないの?
[どこから取り出したのか、スプレーを吹きつけようとする仕草に、本を閉じる。
分厚い紙の束に押し出され、スマートフォンは栞の役目を果たせず膝に落ちる。
眠くなってきたし、読書も止め時だろうか、と、表紙を軽く撫でた。]
……身だしなみ、とか、気にしないまま来ちゃったな
これ、朔太郎だからできるんじゃない?
[作業を終えたらしく、指先の離れた先に触れる。
固め、整えられた髪は、ぱりぱりとした不思議な感触だ。]
……研究、してみよう、かな
(336) 2014/03/22(Sat) 13時半頃