―カリュクス邸・茶会の芸―
[和服の懐から掠め取って来た財布を受けとり]
おやおや、あれほど言ったのに手癖、いや足癖?の悪いやつだなぁ
『チップ!モラッタ!チップ!』
[鳥が羽をばたばたさせて誇らしげに言うと]
お捻りか?おやおや、こんなにもたくさん頂いて。
すみませんねぇ〜。では有り難く…
[そう言いながら財布をポケットに仕舞う仕草をし、今度はズボンのポケットから花を一輪、それを鳥が嘴で挟み、再び和服の人の元へ。]
ささやかながら、多すぎるお捻りのお礼です。
隣の席の方を口説くのにお使い頂ける便利なアイテムですよ
[舞台に立ち、歓声を浴びながらも自分を否定して来た日々が嘘のようだ。初めて訪れた茶会で唐突に始めたショーに笑顔を見せてくれる「同族」。ここへ足を踏み入れたのは偶然か必然か。死に場所を探して辿り着いた場所が此処で良かった、と、至極自然にこれは運命なのだと思った。]
(211) 波平 2014/08/02(Sat) 00時頃