...ん、そうか。
いやなに、こっちこそヨーランダに用があってな。
[これを届けに、と、台車を指差す。冷たい土に尻をつけて、ひんやりとした壁に凭れる。見上げた彼の顔は、どこか、濁っているように見えた。]
水差しの代わりにでかいバケツが欲しいよ。
あと、綺麗な拭き布。臭くてかなわない。
[っくっくと笑うが、それは乾いている。
額の雫を腕で拭って、ヘクターを見た。]
お前こそ元気にしてるか。
最近会ってないが、おじさんや、おばさんも。
それにもうそろそろだろう。あの人が帰ってくるの。
[自身の現況と重ねれば、まるで兄弟の様な仲のヘクターと、彼の友人。この村へ帰還するならば、その時期はそう遠くないはずだ。ケヴィンは彼の事をただ、友人と感じている。
しかし、その奥の冷たさに触れられない。己の*臆病さゆえに。*]
(50) 2014/07/10(Thu) 01時頃