91 とある生徒会長の憂鬱2
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「―――――――…… うぉぉおおおおおァアアア ア ア」
く───ッ!!!
[鼓膜を痺れさせる程の咆哮だった。 下肢を踏ん張っていなければ、立っていることすら出来なかったかもしれない。]
(19) 2014/09/28(Sun) 01時半頃
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[咆哮の中、硝子の砕けるような音を聞いた。
それが止めば、目の前には、先程とはまったく異なるオーラを纏う、真の男の姿があった。]
───フッ。
先程の愚問、詫びよう。
[この男の実力は認めていた。 しかし、所詮は帰宅の道を選ぶ腑抜けだと、侮っていたところもあった。
しかしどうだ、この、目の前の男は。 まるで歴戦の勇者、猛者……いや、そんな言葉では計り知れぬ、凄まじい氣を発しているではないか。]
(22) 2014/09/28(Sun) 01時半頃
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[伝説の戦闘民族さながらに逆立った髪。 まさか、この目で見ることになろうとは。]
お前が本気で来るというのなら、俺も、覚悟を決めねばなるまい。
[イアンを射抜くかのような眼光を向け、笑う。
柔道家として。 強者との戦いに、胸躍らぬものがはたしているだろうか。 いや、いまい。]
イアン・ウォーカー……。 その真の力、しかと見させてもらう!!
(24) 2014/09/28(Sun) 02時頃
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─────ッ覇ぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!!
[地にゆるく拳を付く構えをとり、気合いの咆哮をイアンに返す。 再び破壊されたカメラを設置する為には、さてどれほどの時間を要したろう。
ちなみに、どうでもいいことではあるが。 この咆哮合戦の際、偶々合唱部が「翼をください」を歌っていたとかなんとか……**]
(29) 2014/09/28(Sun) 02時頃
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[ ―――――ビリッ……
ビリリ ッ…………
パァ ン ッ …… ]
(52) 2014/09/28(Sun) 22時半頃
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[舞い落ちた木の葉が、微かな音を立てて破裂する。]
o0(KOK……まさか、此程のものとはな……)
[好敵手に出逢えた歓びに、身が震える。 眼光は鋭いまま、しかし口元は弧を描き]
その言葉、そのまま返そうか。
帰宅を極めし者の、真の実力……身をもって、味わわせてもらおう!
(53) 2014/09/28(Sun) 22時半頃
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─────ッ、なにっ!!?
[それは一瞬の出来事だった。
目の前にいたはずの男が、突如消えた。 思考がそれに追いつくより早く、視界は遮られ]
ッ、 しま ッ……!
[躱すには、もう間に合わない。 イアンの蹴りは、綺麗に顎下へはいった。
ぶわっと、大きく身体が舞い上がる。 おそらく目撃した者の多くは、これで決まったと思ったろう。
───しかし]
(54) 2014/09/28(Sun) 22時半頃
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[体育会系にしては小柄な身は、そのままふわりと、空中で1回転し、着地。]
……流石の脚力。
まともにくらっていれば、顎が砕けていたろうな。
「何ィーーーーっ!?」 「そ、そんな馬鹿なーーーーーーッ!!」
「決まったんじゃなかったのかーーーー?!」
[外野からは、そんな声も聞こえはしたが。 おそらく、蹴りを繰り出したイアンは気付いていたろう。 蹴りを避けられぬと覚ったホレーショーが、敢えてそれを、力を極限まで抜いてくらうことで、本来の威力を殺していたということを。]
(56) 2014/09/28(Sun) 22時半頃
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/* ひどいむちゃぶりだなおい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(-17) 2014/09/28(Sun) 23時頃
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[顎下に付いた土を手の甲で拭うと、びりっとした痛みがあった。 見れば、手の甲には土と一緒に血が付いている。 やはり、ノーダメージというわけにはいかないようだ。]
おそろしい男だ。
……そうか、俺が一人目でないというのは、残念な話だ。
(64) 2014/09/28(Sun) 23時頃
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───究極の?
いや、違うな。 俺の受け身は、まだまだ甘い。
[見ろ、と言わんばかりに、薄く血の付いた拳を突き出す。]
俺の父なら、それこそ羽根が舞うように。 皮膚の一枚すら剥がれることなく、悠々と受け流していただろう。
俺はまだ、”道” の途中の未熟者だ。
(67) 2014/09/28(Sun) 23時頃
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[言葉に謙遜などない。
だが、何かを知っているらしいイアンの言葉>>63に、ギラリと一瞬目の色が変わった。]
……───。
何故、それを知っている?
いや、隠すのはよそう。 そうだな……”アレ”の仕上がりは、大体5分といったところか。 実戦で使うには、まだまだ賭けの要素が大きすぎる。
だがおそらく、使わねば、俺に勝機はないだろう。
(71) 2014/09/28(Sun) 23時半頃
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───ああ、言われずとも。
本気でいかせてもらおうか!!
[今度は、こちらが仕掛ける番である。 裸足で地面を強く蹴り、低い姿勢で、イアンとの距離を詰めにかかる。
狙うはその襟首。 どのような体勢でも構わない、ひとつ、投げ上げることさえできれば、あの奥義を繰り出す準備が出来上がる。]
(76) 2014/09/28(Sun) 23時半頃
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[放送>>#0>>#1が流れた時、既に、イアンとの戦いは始まろうとしていた。]
─────皆、すまない。
俺は今、この場を動くわけにはいかない。
[覚悟の滲む声で、短く、それだけを告げたのだった。]
(=3) 2014/09/28(Sun) 23時半頃
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想像も出来ない世界、か……。
いや、それを言うのなら、帰宅部もまた同じこと。 俺は、お前達の”帰宅”というものを、甘く見すぎていたようだ。
[はぐらかすような言葉には、小さく笑う。 聞いたところで、勝負が左右されるようなものでもない。]
(92) 2014/09/29(Mon) 00時頃
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[そして]
─────もらった!!
[伸ばした腕が、イアンの胸座を掴んだ。 ぐいと引き寄せると同時に、足を払いにかかり、その足が僅かに地を離れた一瞬をつき、イアンの身体の下に潜り込むようにして、投げ上げる。
そのまま、下肢に気合いを集中させれば、何かの予兆を示すかのように、ごぉっと、足下に小さな砂埃が上がり───]
(93) 2014/09/29(Mon) 00時頃
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[ バン、 ッ─── !!!
地面にくっきりと足跡を残し、小柄な身は、高く跳ね上がった。 再び、今度は両手でしっかりとイアンを掴み、ともに飛び上げようとするように……]
(94) 2014/09/29(Mon) 00時頃
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───神技 天地いずな!!!
[成功率は、相手の協力あっての練習でもまだ5割ほどの大技。 まず、投げあげた相手を再び掴まえなければならない。 それからタイミングを合わせなければ、飛び上がることが出来ない。 たとえ飛び上がることが出来たとしても、低くては威力を発揮出来ない。
もし成功すれば、三段の大投げ《天》から、地面への叩き付け《地》に繋ぐことの出来る、一撃必殺の、まさに神業。 だがしくじれば、己へ大ダメージが返ってくる。
実戦で使うのは、これが初めて。 はたして───!]
(95) 2014/09/29(Mon) 00時頃
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/* すまんな。
すまんな!!!!! 私にはこれが限界だ!!!!!
(-22) 2014/09/29(Mon) 00時頃
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/* ッのヤロウwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
(芝切れ)
(-26) 2014/09/29(Mon) 00時半頃
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[>>101タイミングは文句なし。 かつてなく高くに放りあげた相手を、逃すまいと、両腕に力を込める。
まさに、空中でのほんの数秒間の攻防。 腕が振り解かれるのを見た者はいたろうか。 そこから、再び掴み返すところを見た者は。]
チームの為─── いや
何より、俺自身の為に!!
[───決めてみせる!!]
(111) 2014/09/29(Mon) 01時頃
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[ バァァァーーーーーーー……ン!!! ]
(112) 2014/09/29(Mon) 01時頃
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[衝撃音と同時に砂埃が舞い上がる。]
「部長ぉぉぉぉーーーーーー!!」
「おい視聴覚部仕事しろ!!!」
「映像はよ!!!!」
「それよりミームちゃんを映せ!!!!!」
[怒号と声援と野次が交錯する中、徐々に砂埃は晴れてゆき、そこに人影が現れて……]
…………───。
[歓声と悲鳴が、どっと沸き上がる。 それを聞きながら、ゆっくりと、右腕を天に掲げた。]
(113) 2014/09/29(Mon) 01時頃
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[腕をおろすと、倒れているイアンのもとへ歩み寄り、健闘を讃えるよう手を差し伸べた。]
─────イアン。
ありがとう。 技が完成したのは、お前の、その本気の力あってこそだ。
[練習でも、なかなか成功しなかった超大技。 それが、ここにきて完全な形で決まったのは、まさに、相手の力あってこそ。 もしイアンが、生半可な気持ちでこの技を受けていたなら、きっと、不完全なものとなっていたろう。]
(116) 2014/09/29(Mon) 01時頃
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どうだ、起き上がれるか……?
[とは言ったものの。 はたしてこちらに、イアンを引き起こすだけの体力が残っているかどうか疑問だが**]
(117) 2014/09/29(Mon) 01時頃
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…………お前の口から、その言葉を聞くとはな。
[悔しい───と。 確かにそう聞こえた。
そして、悪くない───とも。]
俺は、お前から大きなものを受け取った。 お前もまた、この戦いで何かを感じ取ってくれたと言うのなら、挑み合った甲斐があったというもの。
いい、戦いだった。
[がっちりと握り合う手と手。 強く引き、イアンを起こした頃には、校庭は拍手と賞賛に包まれていた。]
(133) 2014/09/29(Mon) 20時半頃
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[助け起こせば、またいつもの調子>>122に戻る男を見て、ふっと笑いながら肩を竦めた。]
まったく……らしいといえばらしいが……
……何だ?
[ピンッと弾かれたものに反応し、手を伸ばすと、そこに小さなバッジが降ってきた。]
ああ。 確かに受け取った。
[強く握りしめ、まっすぐな視線をイアンに向け、頷く。]
(134) 2014/09/29(Mon) 20時半頃
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さて、そろそろ救護班が…… 何だ、まだ何かあったか?
[受け取るべきものは受け取った。 後は救護班を待てと言おうとしたのだが、その手に、今度は何かを、しっかりと握らされた。]
これは余良の……
[何のつもりかと問おうとすれば>>123]
…………。 お前は、俺がこのバッジをこのまま持ち逃げするとは……考えないのか?
[自チームの現状は、はっきりとは分かっていない。 しかし今のところ、余良以外の脱落の報は聞いていない。 このバッジの有無により、有利不利が大きく変わることは確か。
試すような視線を暫し向け。 それから、フッと笑みを浮かべて]
(135) 2014/09/29(Mon) 20時半頃
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─────約束しよう。
このバッジは、必ず、お前のチームの奴に手渡す。
(136) 2014/09/29(Mon) 20時半頃
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スージーか。
こっちは、イアンとの戦いを終えたところだ。 これで俺の所持するバッジは3つ。
もうひとつ……余良のも預かってはいるが、これは、相手チームに渡させてもらう。 イアンと、そう約束した。
……すまないな。
(=5) 2014/09/29(Mon) 22時頃
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