[満月の夜の下、「彼」を見つける探知を巡らせようとした、その時>>197。
ふわふわと子供の幽霊みたいなシャドウがひとつ。けたけた嗤うだけで害意は無く、そして、ぽんぽんと鞠みたいに弾みながら、途中で何度も自分を、麻夜を振り返る]
… … … …はは… …
そう…うちの教授は滝のシーンまで…頁を読み飛ばしたいと。
[何処かへ誰かへ案内するシャドウ。意外と云えば意外な案内だが]
サム、今日はメンドくさい探索は不要とさ…。
よかったね。あのバカを殴り飛ばすのが早くなった。
[探索用に顕現していたテンモクイッコを消失させてそう笑った。
導かれるままに、唯ひたすら、付いて行くつもりだ。
それはまるで、読み進める本の、大好きな、胸の熱くなる場所を読み進める時の胸のどきどきした高鳴りみたいに。
小さなシャドウを追いかける胸もまた、確かな高揚を覚えていた]
(207) 2015/02/21(Sat) 17時半頃