[>>1:311念押しの三度の声に、ゆっくりと見開いた眼がジャニスに向いた。無言のまま驚きの表情で瞬きを繰り返して、それから目を伏せて。
他に縋るものがないかのように、手の中のボトルをぎゅっと強く握った。考えない、と何度唱えても意味が無い。他のことを考えることも出来ない。
>>1:314立花の声は、彼にとっての追い討ちのようなものだった。目の奥が痛い。痛い。痛い。]
………………だ、って。
人 じゃない、って 言ったから、
だから、 僕は 猫で、 機械で、 それで、いい、 って
見た目だけ 人間で、 …… でも、 違う もので 、
[やはり断片的で言葉は足りない。けれど彼の唇はこれまでよりも多くのことを語る。
時折大きく間を取りながら、言葉をつっかえながら、眼球を左右へ彷徨わせながら、可能な限りの言葉を拾って、口にした。
彼の表情は変わらない。ただ時折、見えない遠くを見透かそうとするように目が細められる。
見たかったのは遠くの景色ではなく、もっと近くの――――。]
…………母さんが、 僕のこと 人間じゃない、って 。
(4) 2013/09/05(Thu) 01時頃