93 Once upon a time...
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[隠れていて、といえば子おおかみは素直に頷くから。 手近に見えた大きな弦楽器、にかけられた布を引っ張って毛布のようにその身体にかけた。 明かりのないテントの中、人の目なら、きっとすぐには気づけない。
倒れた楽器が不協和音を奏でる。 差し込まれたナイフの切っ先に、此方から手を伸ばし、掴んだ]
それでも、サーカスには 御伽噺にはさ、音楽よりずっと必要だから
(150) 2014/10/17(Fri) 23時半頃
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― 団長のテント ―
[持ち主の元にある衣服。 エフェドラの元に歩み寄る。
既にトリノスが団長のテントを訪れたとも知らず。
人狼に喰われたと思しき彼女の傍らに佇み]
…………。
[エフェドラ、と唇のみで名を紡ぐ。]
(151) 2014/10/17(Fri) 23時半頃
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[小猿はトニーに慣れている もし上手くいったなら 彼の元に手紙を届けてくれるかも知れない
上手くいかないなら その時は、他の策を考える心算
途中、誰かに声をかけられたなら この話と、トニーのことは打ち明けるだろう]
(152) 2014/10/17(Fri) 23時半頃
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音楽がかき消されるほどの笑い声を 引き起こせるのは君だけだ
[場違いな賞賛。 此処は舞台の上でも、御伽噺の行間でもない。
それでも、奏者は笑って そして、これ見よがしに牙を 獣の牙を見せつける]
(153) 2014/10/17(Fri) 23時半頃
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[エフェドラが襲われるに至る理由は知らない。 知らないからこそ余計にどうしてという心境になる。]
エフェドラ。
[何があったの、と問い掛けても 答えが聞こえぬことは知れて]
どうして。
[こんなことになったのだろう。 悪夢のようなメルヘンに呑まれるような感覚を覚える。]
(154) 2014/10/17(Fri) 23時半頃
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…この…には…し…めに…まることになってしまった…
…に…ても…みんな…には…っているし…
…に…や…が…いていても…は…さな…わりの…すらも…たせないのだから…
…だから…ここに…まり…け…に…みが…える…
…でいるより…と…って…めていた…の…のやり…り…が…まった…
…それだけだと…いたくない…かぁ…
…べるためでも…きるためでもなく…のうとしていた…を…う…
…これは…や…が…った…の…に…される…だったのだろうか…
…に…えど…の…で…い…けるのはそれが…だったから…
…せっかくだから…の…えは…しみにとっといて…
…で…せてもらうね…
…そう…って…が…る…にいそいそと…
…どうせ…えないと…かっているけど…まで…を…てくれた…をふって…
…ふらり…ゆらり…とこの…を…にしたのだった…
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[見当たらない。 十全とは言えない光量、 舞台上のスポットライトの眩しさとは大違いだ。
スポットライトの下で、飛び跳ねる小猿の姿を、 道化の目では見つけられず。]
アントニー、――
[倒れかき鳴る不協和。BGMには芳しくない。 思わず探し人の名を呼ぶ、けれど、]
(155) 2014/10/18(Sat) 00時頃
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[視界には金糸のかんばせに光ったのは 笑んだ口元の牙。 獣の手の内に刃物。]
……――そお。 そこまで言われちゃ、 引き受けざるを得ない ね ―― !
[否定は、今度はなかった。
刃物をそのまま押し付けるように、 そのまま肉薄し押し倒さんとテントのなかへ体を押し込む]
(156) 2014/10/18(Sat) 00時頃
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[「人狼」の目的はわからないが遺体が増えるたびに 身体が高揚するのが解る。 スージーとベッドを一緒にするのとは違う興奮。
――――ヤバい。
着替えだけ掴んで、シャワーへと走った。]
(157) 2014/10/18(Sat) 00時頃
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[子狼は息を殺し続ける。 それが今出来る最善だった。細い息をし続けることに慣れてはいない。 苦しい。ただ、苦しい。それでもはさりと身体の上に布がかかれば、その意味は充分にわかる。 苦しさ程度で身動ぎをしてはいけない。
音楽テントの布の隙間、シェロが滑りこんできていても、それに気づいても、動きはしない。 ただ、早く去れと頭の中で繰り返し繰り返し唱えるだけ。]
(158) 2014/10/18(Sat) 00時頃
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ザックは、最後の挨拶を引き受けざるを――と口にし。
2014/10/18(Sat) 00時頃
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[金糸の獣を捉えるばかりの視界、
隅に何がいようと、起ころうと、 道化の認識にはいたらなかった]
(159) 2014/10/18(Sat) 00時頃
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[ナイフの先を掴んだ手に力を込める。 けして離さない。このまま、手を、指を落とされようと離しはしない]
ぁ、 ……はは、
[乾いた笑い声をもらしながら、背中から倒れこむ。 大きく開いた天幕の隙間から、太陽がその顔を照らした]
言ったね? 言ったからには、引き受けろよ ………クラウン
(160) 2014/10/18(Sat) 00時頃
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[音楽テントから、途切れがちに流れていた>>129 音楽が途絶えたのに気づく
楽師のニコラスが時々奏でていた曲 激しいはずの旋律が、哀しげに聴こえるのは 死の訪れた夜に響いていたから
トニーに仲間がいるとするなら彼なのか?
昨日、ザックに訊いてはみたが 芳しい答えは返って来ず、何故トニーを討たないと 珍しく激昂していたのも記憶に新しい]
(161) 2014/10/18(Sat) 00時頃
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[滑る手のひらからナイフが滑り―― 獣は大きく、口を開けた。
そして笑って――]
(162) 2014/10/18(Sat) 00時頃
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