78 わかば荘の薔薇色の日常
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……
[本当に、ぱっとなんて、思い出せなかった。 最後に泣いた時なんて。]
なんで? 間中サンはどうなの。
[よそよそしい敬称を思い出す。 時間稼ぎに、聞き返した。 その間も、思い浮かべる。 出来るだけいやそうな記憶を厳選する。 他人との才能の差を明確に痛感した時に、今までの何年もしがみついてきたものを思って、これから、手放さなければいけないものも思って、何日も虚しいまま過ごした。 それでも、あれでは、どんなに悔しくても泣けなかった気がする。 最近別れた人間との事も考えてみる。あれも別段泣く程のことじゃあなかった。]
(117) 2014/06/27(Fri) 04時頃
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[熱で壊れていたのかもしれない。 もう一度笑えといわれたら、それはそれで難しい。]
桃、果実のほうが好きとって。
[そんな我侭は、流石に足音が消えてから吐き出したけれど。 扉を出る前に背にかけた言葉は、どう届いているのか。
謂ってから、少し後悔した。 椀に盛られた卵粥を口に運んで、舌を軽く火傷して。 何してるんだと、息を吐き出した。
椀の中を食べきるのに25分はかかったが。 昔に食べた料理の味と、変わっていなかった。]
うまい。
[素直に、そう謂えるほどに。]
(118) 2014/06/27(Fri) 04時頃
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[一つ、思い当たる。 けれど泣いた時の内容なんて、口にしたいものでもなくて]
今朝、間中さんに教えてる時に、頭痛すぎてちょっと泣いたわ。 気づいてねぇだろ。 あれ泣くほどいてぇからな。
[はぐらかしだ。薄く、間中が笑んだ。 間中がブランケットを広げてかけてあげるのは、草芽にだけ。]
俺には?
[その質問への返答なのか、風邪をひいたら部屋に来いと、間中はいう。 頭痛の程度への質問を思い浮かべるに、すぐに意味がわかり、「ばかじゃねえの」と首を横にふった。]
(119) 2014/06/27(Fri) 04時半頃
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[寝る前にどうしても、と。 ちゃんと綺麗なティッシュを丸めて 雨が降らないように願掛けをした首吊り人形をこさえた。 窓辺にぶら提げてから、薬を飲んで横になる。
起きたら、二つ隣の部屋の住人を起こしに行こう。 別に約束しているわけじゃない。 けど、なんとなく。 今度はちゃんと扉を蹴らずに、起こそうと思った。
その時に、オレはまだ知らない贈り物が(>>>>0:648) 新聞差しに挟まっているのを見つけるだろう。
冷蔵庫の中にまだチョコが残っているなら。 それも、食べよう。
挨拶も、きっと。
どこまで出来るかわからない、希望の中。 オレの意識は、深い深い海の底**]
(120) 2014/06/27(Fri) 04時半頃
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― 談話室:夜→朝 ―
[床でだらしなく眠る草芽と南方を残し、間中が去る。 談話室は、ふたりきりになった。 間中の質問のせいで、南方は眠るのに大変苦労するも―― ――夜が明けて、朝になった頃には、平井が飯を作りに来た事にも気づくことは出来ずに、南方は、ソファで丸まって、寝息をたてつづけていた。]
(121) 2014/06/27(Fri) 04時半頃
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ミナカタは、シーシャの傘と、鞄をソファの傍において、眠り続けている。
2014/06/27(Fri) 05時頃
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────…… やっぱ、鍵ねーんじゃねーか……?
[夜明け前。 キリの良い所で先に談話室を出、一度自宅へ行き風呂だ睡眠だとこなして来たフランクは、明るくなる前に談話室の様子を見に戻って来た。
ソファで丸くなる夏一を背凭れ越しに見下ろして渋い顔。
夏一が談話室で夜を明かすのは珍しい。気まぐれにここで寝てみたくなっただけにしては、タオルと歯ブラシの存在が余計だ。 >>20どうやら、昨夜はうまく誤魔化されたらしい。]
(122) 2014/06/27(Fri) 08時頃
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[管理人室から薄い夏用掛け布団を持ち出して掛けてやる。 鍵を開けてやっても良かったが、頼って来ないのも何か理由があるんだろうと黙って寝かせておく事にした。
2〜3日この状態が続くようなら、こちらから声を掛けてやろう。 入居者にはスペアキーも最初に渡してある事だし、流石にそれまではなくしていないだろう。 ……あるよな?]
(123) 2014/06/27(Fri) 08時頃
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[一方、床を寝床にしている麻央の事は、またかと踏まないように跨ぎ越えて行くだけという慣れっぷりであった。 無言でエアコンのリモコンを操作し、冷房を除湿に切り替える。納得ずくで冷暖房費は貰っているのでこれは費用の問題ではない。冷房つけっ放しは身体に悪いだろうが。
草芽にももう一枚薄い布団を掛けてやり、墓地に向かう。 墓を一つ一つ見て回り、異常がないのを確認するとそこで朝まで軽い清掃を行う。 戻った時には信也も達久も帰宅済みだった。]
(124) 2014/06/27(Fri) 08時半頃
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今から肉の買い出しに行く。
昼過ぎからバーベキューだ。 食いたい奴は働け。
[厳かな宣言が談話室に響き渡ったのは、昼近い午前中の事**]
(125) 2014/06/27(Fri) 08時半頃
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─少し時間を遡って─ ─昨夜 自宅─
[わかば荘の部屋より狭い街中の自宅アパート。 普段使わない浴槽に湯など張ってみて、足は伸ばせないから膝を軽く曲げて熱い湯に浸かってみる。
徹の言葉通り信也はバイトだったようで、今日もまた顔を合わせる事は出来なかった。]
避けられて……るよ、なぁ……?
[無精髭面を水面に浮かべて、籠もった独り言を溢す。
昔は愛想が良く、慣れないDIYの手伝いをよく頼まれた。 他の入居者とも上手くやっていて、談話室ではムードメーカーのような存在だった。 管理人室まで押しかけて来て、長々と雑談して去って行く事もあった。そんな時も、フランクは嫌な顔一つせず、用事がなければいつまでだって話に付き合っていた。
今となっては信じられないような話である。]
(126) 2014/06/27(Fri) 09時頃
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[住人達の事を何かにつけて気に掛けているフランクは、こと色恋に関してだけはとことん無頓着で鈍い男だった。 かつてわかば荘に住んでいたとある女性に好意を抱いた事もあったが、そうと気付くだけで何年掛かった事か。
今は、もう──そのひとはこの世に居ないけれど。 わかば荘を、一緒に素敵な場所にしましょうと誓ったあのひとは、今もフランクの心の中に生きている。
例え、相手が女であっても、フランクはもう、誰かを恋愛対象として見る事はなく、それ故、朴念仁だった昔と比べても、ますますもって鈍い男と成り果てているのだった。]
(127) 2014/06/27(Fri) 09時頃
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[わかば荘は、男にとっては愛する人と二人で育てた我が子のような存在だ。 そこに暮らす住人達の事もまた、血の繋がらない家族のように感じている。
もしかしたらこの感情は──歪んでいるのかもしれない。 そう思う事も、ある。
それでも───。]
放っておけねーだろう……。
[くぐもった声が、ぶくぶくと泡を立てて湯の中に沈んだ。**]
(128) 2014/06/27(Fri) 09時頃
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─208号前─
[眠ってから時間は少しだけ経ち、窓の外にはうっすらと雲の隙間から晴れ間が覗く。 こんな天邪鬼の吊るした呪いが効いたのかどうかまでは、わからない。 もう少し寝ていた方がいいのだろうけど、先程までの眠りが久方ぶりに心地いい深い眠りで 薬を飲んで体が誤魔化されているのもあって、起きることに決めた。 シャワーを浴びて薄くしか生えない髭を剃る。 着替えはやはり長袖の黒い服で。 煤渡りはエンジニアブーツの足音をたてて玄関を出た。]
……ん?
[扉を開けたところで、新聞差しにぶら下がる袋に目が留まる。 明け方は余裕もなくて気付けなかったが、一体なんだろう。 手にとって中身を確認しながら、廊下を歩き出す。]
(129) 2014/06/27(Fri) 09時半頃
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[どうやら中身はドーナッツのようだ。 わかば荘近辺にあるドーナッツ屋の包み紙が見えた。 誰からの差し入れなのか、全く見当がつかない。 しかしだ、昨日からなにか貰うことの多いように思う。
昨日の朝は、永利から部屋の鍵を。 まだ食べられてはいないが、檀からはチョコを。 檀の作ったホットケーキを、草芽から。 雨の中、律儀に迎えにきた藤堂からはビニール傘を。 宇佐美からは目に見えぬ気遣いを。 南方からはから揚げをもらったし。 今朝に至っては達久に卵粥までもらって。 更には誰かさんからのドーナッツだ。
半数以上食品の類いで、オレはそんなに餌付けしたくなる生き物なんだろうかと エンジニアブーツの足音は二つ隣の扉の前で足を止めた。]
(130) 2014/06/27(Fri) 09時半頃
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―出勤前―
[失礼な言い方だが意外なほどフランクの朝も早い。 出掛けに管理人室の扉を叩いて反応があれば 少しだけ申し訳なさそうにつるりとした顎を触る]
仕事でちっと出なきゃならんけど、 肉焼くまでには戻りたいから。
[俺の分も取っとくように、誰かに食わせないでくれ。 胃はまだ昨日の焼肉もあるけれど、胃薬飲めばいい]
あと、信也風邪気味かもしれねー。 薬飲ましたけど辛そうならなんか、 んー頼むわ。
[余計なお節介かもしれないから、 俺も草芽のことなにも言えないのかもしれない]
(131) 2014/06/27(Fri) 09時半頃
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─206号室─
[丁度、階下で厳かな宣言がなされていた頃だ(>>125) オレは昨日よりも軽い力で、コンコンと永利の部屋の扉を蹴った。 手より先に足が出るのは、元々足癖が悪かったのと 手はベースを引くからあまり使いたくないのと、だ。 そしてこれは起こすための『蹴り』ではなく、部屋に入るための『ノック』。]
入るよ。
[声が返ってきたかどうか。 鍵は掛かってなかったらしく、オレがノブに手を回せば扉は簡単に開いて 少しふらふらしながら、部屋の中に入った。]
(132) 2014/06/27(Fri) 09時半頃
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―事務所にて―
[いつもと同じ道を歩くのに格好が明らかにカタギさんじゃない それだけですれ違う人の反応まで変わるのは、同然か]
はよーっす、遅れてさーせんした。 んで、今日は何するんすか? あ、ハナさんも……勢揃いして。
[上司とその片腕に頭を下げて遅刻を詫びつつ、 詳しく聞けてない緊急の業務内容を聞いてげんなりした]
インテリヤクザになるってのに、 今時カチコミっすか。マジで。 俺事務員なんすけど……アッハイ働きます。
[俺は今日死ぬのかもしれない]
(133) 2014/06/27(Fri) 09時半頃
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[荘に居るときと別人になるのは、 ここの組に拾われて20年近くなるから。 親もなく施設から出て野良犬みたいだったところを リエさん、組長と出会ってから人間になれた。 だから言われたらなんでもしたい、のだが……]
リエさん俺今夜バーベキューなんすけど。 はい、住んでるとこのメンツで。 ……はい、さっさと終わらしますわ。
[それでもまだ似たような呼び出しで、 お見合いに連れて行かれた時よりはマシな筈。 糞みたいな親よりも親らしいから結局は逆らわない**]
(134) 2014/06/27(Fri) 10時頃
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― 談話室:夜明け前 ―
[エアコンが室内を冷やしている。 ソファの上で体を丸めた南方が、乾いた咳を何度かしたが、起きないまま、咳は寝息にかわった。 柔い布団が体に乗るのにも、管理人の親切心にも、まだ気付かない。
ピ、とエアコンがリモコンに返事をする音があった。]
(135) 2014/06/27(Fri) 10時頃
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[薬を飲んでいるとはいえ、総合的には風邪ではなく栄養失調の類いで。 そんなのわかりもしないから、ふらっと適当な場所に座り込んだ。 ふらふらしているのはいつものことだから、永利が体調の変化に気付くかは知れない。]
起きんしゃい。 たぶん、下行かんと食いっぱぐれるっちゃ。
[遠い談話室の声が聞こえたわけでもないし、オレはエスパーでもなんでもない。 ただ十年もいると、何となく足音は誰のものか聞き分けられたりもするし 殊更管理人に関しては、談話室に居るだろうことがわかったりもした。 買い出しに行くから手伝えとか、手伝わなきゃ食い扶持はないとかたぶんそんなことを謂いだすんだろう。 でも、あまり手伝わなくてもきっと、食事は置いておいてくれるんだろう。 オレがずっと見てきたのは、そんな人だ。]
(136) 2014/06/27(Fri) 10時半頃
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[何と言ったかはわからなかったが、じゅうぶん無視できる位置の俺に対して、永利から何がしのアクションが返ってきたことにほっとする まだ、嫌われてはいないと思っていいだろうか]
[煙草を吸い終えたら先ほど描いた予定をこなして、BBQについてはどうしよう。まだ少し藤堂と会う機会は延ばしたい。2時限までが最低ノルマだけど図書館かカフェで勉強や通販作業をして逃げ――られないことを思い出す。実家から荷物が届くんだった]
…どんな顔して会えっちゅうねん
[徹底的にとぼけるか、昨夜はどうも、と軽く流すか]
(137) 2014/06/27(Fri) 10時半頃
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オレは、食わんからくさ。
[今は、弱った胃が受け付けない気がする。 それにやっぱり、管理人と顔は合わせ辛くて。 恋は人を美しくするだとか、そんなのは恋が報われているヤツだけだ。 叶いも報いもしない恋に、美しくなる要素がどこにある。
それでも、少しだけは顔を出そうかと思っている辺り 自分自身の心境の変化には気付けずにいて。 浅く息を吐き出してから、ポツリと思い付いたように永利に問いかけた。]
……あんさ。 デザイナーって、早朝会社から呼び出されたりするとや?
[達久は顔を出さないん、だろうか。 いつもの髭面じゃなかったせいか。 なにか、すこしもやついていて**]
(138) 2014/06/27(Fri) 10時半頃
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― 談話室 ―
あれ?夏一さんに麻央さん… お泊りごっこか何かしたんやろか
[昨日の間中と違い、がっつり就寝用の布団をかぶってそれぞれ寝ている住人に首を傾げる。昨夜帰宅した時は確か夏一はいたけど草芽はいなかったような>>89 あれから何があったんだろう]
…まあ、ええか。ええ夢みんさいよー
[気にはなるけど起こすほどのことでもないか それより朝飯的なものが何かないか冷蔵庫を確認する。小鍋はお手付き禁止、了解 ほかに、チョコレートがまだ一粒残っていること、メモに何か書き加えられていることに気づく>>28]
…
[メモの、裏の、端 気づくかどうかぎりぎりの所に小さく『どういたしまして。うさみ』と書いて冷蔵庫を締める。 食べ残したのは、誰からのものか解らなかったからかな、と考えて。その割にだいぶ半端な自己主張になってしまった]
(139) 2014/06/27(Fri) 11時頃
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ほな、いってきます
[返事がない。ただの屍のように眠る2人にそう告げて談話室を出て。迷うし不安もあるけどやっぱり午前の講義が終わり次第帰宅することにした そして玄関…に行く前に逆方向の101号室へ]
翔平さーん、起きてる?
[コンコンと軽くノックする。仕事をしている時は余裕で起きている時間だったように思うけど、療養中の今はどうだろう もし今日も風呂の助けが必要なら。昼以降なら自分は空いてるけどどうしますか?と尋ねようかと]**
(140) 2014/06/27(Fri) 11時頃
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― 談話室 ―
[宇佐美が談話室を出る、扉の音で、南方は目を覚ました。 室内が明るい。機嫌悪気に息を吐く。 布団をつかんで、顔半分まで引き寄せた。 そこで、『布団?』となる。]
…………
[のろのろ身を起こして、布団を見た。 見覚えがあった。半年前に使った記憶がある。 草芽が寝ていたほうをみる。まだ居るなら、同様に布団を被っているはずだが。]
……………。
(141) 2014/06/27(Fri) 11時頃
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― 談話室 ―
[取り敢えず、他人のものだからと、薄手の夏用掛け布団を、丁寧に四角に畳んだ。 取り敢えず、朝だからと、顔を洗って歯を磨く。 取り敢えず、ソファに戻り、畳んだ描け布団を、そっ……とソファの端へ寄せ、時計を見る。 うん。なるほど、休日らしく、遅く起きてしまったね、と思う。 タバコも吸いたい。 昨日の朝、出かける前にシャワーを使ったきりなので、風呂が恋しいし着替えたい。 頭痛もするし、体もダルいし、再度、ソファに横になった。]
……
[メッチャばつが悪かった。]
(142) 2014/06/27(Fri) 11時半頃
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いっ……でぇ……!
―談話室―
[頭の強烈な痛みと共に覚醒したのは、南方が再度ソファに横になったころ。 頭を片手で押さえながら、のろのろと起きる]
あれ……?なんで談話室……?
[周囲を見回してから、タオルケットと薄手の掛け布団に気が付く。 あれ、あれ、と昨日の記憶を手繰って]
……南方じゃん、おはよ…?
[そういえば、昨日じゃんじゃか飲んでた辺りで記憶がないなあ、と思い出したところで、ソファに横たわる生き物を見つけた。 なぜか腫れぼったい目をぐしぐしと擦り、呑気に欠伸する]
(143) 2014/06/27(Fri) 11時半頃
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おはよう。
[横になったまま、起きるなり大声をあげている草芽に、頭痛のせいで顔を顰めながら朝の挨拶をした。]
なんでじゃないね、麻央君は。 お前昨日めちゃめちゃ酔っぱらってたよ。
(144) 2014/06/27(Fri) 11時半頃
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うそ、マジで?覚えてねー。
[>>144確かに呼気に酒臭が残っているが、記憶にないものだからどこか他人事のように言って]
あー、じゃあこの布団フランクか。後で礼言っとこ…。 のんびりしてるけど南方今日休み?
[あっさり話題を変えたのも、単に奇行を覚えていないからだ。 覚えていたら、部屋に引きこもっている。
今日は晴れたから少し暑く、マフラーと手袋をオフにして軽く服をはためかせる。 じっとりと汗をかいていて気持ち悪く、リモコンを探すと冷房をつけた]
(145) 2014/06/27(Fri) 12時頃
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――101号室 朝――
[コツコツ、控えめなノックが朝の合図に。
冷たい雨の夜と霧雨の明け方の境目に ようやく手放せた意識が戻ってくる。 考え込んでいたあれやこれやは 眠りの世界に忘れてきたのか、頭は軽い。
とは言え睡眠の余韻はまだ濃く、 扉を開けに行く間にくあくあと欠伸を少し。]
…おはよーさん。宇佐美。
[似非関西弁の挨拶は宇佐美を真似た宇佐美用。
挨拶の後で。 風呂…って言葉に反応するよう 宇佐美の頭に顔を近付け、髪に鼻先擦り寄せた。]
(146) 2014/06/27(Fri) 12時頃
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