108 Persona外典−影の海・月の影−
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[麻夜に添えられた手は、人差し指で麻夜の手に文字を描く。 ゆっくりゆっくり、一文字ずつ。]
「た す け て」
.
(57) 2015/02/22(Sun) 23時半頃
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[否定の言葉。 当然だろう。
震える唇>>55に、罪悪感が沸く。
こういう時、上手い言葉をさっと出せればいいのに。 同じ女の子の花咲なら、大人な秋山なら、出来るだろうか? けども、自分にはこういうやり方しか出来ないからと。 表情を出さないように努めながら、彼は言葉を続ける。]
残念だけど。 高屋敷さんも、リツキも、そして…… 雛宮も、だよ。
[未だ、リツキが消えたことは知らず。]
僕の勘違いだったら幸せだったんだけどね。 仲間と思ってた人たちが、シャドウだったなんて、さ……。
(58) 2015/02/22(Sun) 23時半頃
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―繁華街:喫茶店―
……はぁ
[溜息の多い5日間だった。 そう、あれから5日間。 ――マヤが、リツキを「消して」から5日間。
自身も相当なショックを受けていることを まざまざと感じさせられる5日間であった。 マヤのところに顔を出すにしても なかなかに腰は重く。 こういうとき、何を言われても自身の中で整理がついていないならば素通りするばかりであろう、と。経験を振り返っていた。
>>34 マヤからのメールが届いたのは すなわち5日目、バイト上がりの疲労も一緒に噛み締めているときのことである。]
(59) 2015/02/22(Sun) 23時半頃
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[カーテンの布地に触れた手に、明の手が添えられてピクリと手が揺れた]
… …あ… 。
うん…アカリが笑顔なのは…いい事。 俺も、そういうアカリの顔、好… … …?
… … なに? … …
… … … … … … え っ … ?
[添えられた手に妙な動き。始めは何かわからずドキリと覚えたけれど。 違う。アカリは悪戯に手を指でいじってるワケじゃない。何かを。 書いてる。言葉を]
(60) 2015/02/22(Sun) 23時半頃
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[ゆっくりとした明の言葉が、四文字、染み入る様に脳に理解が到達した時。 シャッ、と勢い荒く、カーテンが引かれて、部屋に射し込む光が遮断された]
… … …アカリ… 。
[真剣な表情で、明の両肩を掴んで、自分に向き直らせる。 今の四文字は。明が伝えた言葉は]
(61) 2015/02/22(Sun) 23時半頃
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……お。
――よかった。
[シュークリームでも土産に 買っていってやろうかと思っていたところ。
読み進めて、 片眉を跳ね上げた。]
(62) 2015/02/22(Sun) 23時半頃
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……、 マユミ?
[信じがたい名前が其処にあった。 痛んだ金髪をかき混ぜて、咥えた棒をがりと噛む]
……うっそだろ、オイ……
(63) 2015/02/22(Sun) 23時半頃
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うん、それなら……。
?どうしたの?
[麻夜の様子がおかしくなったことに、困惑の表情を浮かべる。 光が遮断されても、表情は一切替わらない。]
マヤ?ねぇ、どうしたの?
[肩に手を当てられても、慌てることはなく。 麻夜に言葉を伝えた右手は、かすかに震えていた。]
(64) 2015/02/23(Mon) 00時頃
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やだ、私、そんなの、……認めない。 絶対に、やだよ。 [>>58 悲しげに言葉を連ねる馨一に、 あかりは子供のように、いやだと繰り返すことしか出来ない。
いっそ、馨一がどうしようもない嘘吐きだったら良かったのに。 そう考えてしまうのは即ち――理性では、雛宮律がシャドウだと理解してしまっていたから]
……どうして、私ばっかり。 みんな、取りあげられなきゃいけないの?
ひどいよ。 [家族を失い、後見人と慕っていたその娘を取られ。 とうとう幼馴染まで、いなくなってしまった。
ふらり立ち上がり、あかりは病室を出て行く。 馨一に呼び止められても振り返らず、律の姿を求めて街へと向かう]
(65) 2015/02/23(Mon) 00時頃
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ケイイチは、オスカーも、花河に"覚悟"なんて伝えてたとは知らず。
2015/02/23(Mon) 00時頃
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そう、か……。
[彼女にとって、雛宮も、高屋敷も大切な存在だったのだろう。 それなのに、残酷な事ばかり口にしている自分は、酷い人間だ。
それでも。 希望の糸を手繰り寄せようと求める彼は、出て行く花河の背>>65にこう告げる。]
―――次の満月の夜、僕は雛宮をぶん殴りに行くよ。
(66) 2015/02/23(Mon) 00時頃
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―祟神神社― [借りた本を片手に街へ出た、 冬の澄んだ空気、夕焼けの町並みに、 赤く染まる空、家々や木々に目を細めて歩き出す。
雛宮律の記憶にある夕焼けも、 こんなふうに鮮烈に美しいものだった。
歩いて戻った先――、じゃらりと玉砂利の音。 境内は“祖父”や“父”の手によるものだろう、 大分清掃され片付けられてはいたが]
(67) 2015/02/23(Mon) 00時頃
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[花河が病院から去った後、彼は大塚と楠へメールを送った。]
------------------------------------------------ From:賀来 To:大塚・楠 件名:(No Title)
雛宮もシャドウ。 花河のフォロー、可能であれば頼む。 ------------------------------------------------
(68) 2015/02/23(Mon) 00時頃
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[明は困惑の表情を浮かべていた。何かわからないと云う様に>>64]
… …アカリ… いま …。
… … … … … …。
[慌ても動じもしない明。太陽の光を眩しがる様もなかった。 落ち込んでいると考えていたのに、表情も変に明るかった。
まさか。もしかして。そうひとつ嫌な予感が脳裏を過ぎった時。 明の右肩を掴んでいた手は、するすると、明の右手を優しく握り締めた]
(69) 2015/02/23(Mon) 00時頃
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… … … … … … … … ………… 。
(70) 2015/02/23(Mon) 00時頃
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… … … その … いいな … て。
[数秒の逡巡の後。その表情は綻んだ笑顔を明に見せていた>>64]
… …気付いてないかも…だけどさ… …。
…アカリて……笑顔を浮かべてる時が… … …。
…うん… …すっごい可愛いなと… 。
…俺は… …思うわけなんだ…。
… … … …こうして… 一緒にいるからさ … …。
[かすかに震えを刻む右手を、今度は両手で優しく包み込む様にして。 まるで恥ずかしがる様に、たどたどしく言葉を選びながら、表情を綻ばせた]
(71) 2015/02/23(Mon) 00時頃
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… … … 一緒に … … 生きてるから … …。
[あの日、痛い位に抱きしめた明の願いと、約束と>>3:232。 それを思いながら、優しく、そう呟き]
(72) 2015/02/23(Mon) 00時頃
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… … ごめんっ。なんか恥ずかしい事言ってる!
[その次には、笑顔を浮かべて誤魔化していた]
俺、ちょっと用事あるから、外いってくるよ。 また後でね、アカリ。
[まるで何気ない、普段通りの会話そのものみたいに、ひらひらと。 明に手を振りながら、彼女の部屋を辞して、自宅から外出していく事になる]
(73) 2015/02/23(Mon) 00時頃
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[境内の井戸端鍵の老人達は、のったりとした所作だ。 習性のように集ってはいるもの、ほそぼそと話す声は小さい。 表情のない顔で立ち上がって、無気力に家に帰っていくらしい]
これで少しは静かになったな。
[社殿の手すりを本を置いた、 竹箒を手にとったのは、習性のようなものだった。
ここに戻ってきたのは理由は単純。 情報の周知共有される頃合を見込んで、 ――接触してくる者を待つためだ]
(74) 2015/02/23(Mon) 00時頃
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[もしかしたら、律が帰ってきているかも知れない。 一縷の望みを抱いて病院からタクシーに乗り、崇神神社へと向かう。
車が崇神神社に着くと、あかりは弾かれたように飛び出して、 何度も転びそうになりながら石段を駆け上がり
そして――]
(75) 2015/02/23(Mon) 00時頃
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―崇神神社―
[残酷なくらいに美しい、冬の夕暮れ。 沈み往く夕日が、社殿の傍らに立つ人物のシルエットを赤く染めている]
律っちゃん!!
[それが求める幼馴染の姿だと、あかりは遠目にも理解して。 置いて行かれそうな子供のように、懸命に走りだした]
(76) 2015/02/23(Mon) 00時半頃
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―祟神神社ー [>>76 名を呼ぶ声、発した先を見やる。 タイミングのよい声に驚いたせいで見てしまったが、 見ずとも誰かはもちろんわかる、手にした竹箒は放った]
花河、
[何やら必死に走り出す様相に、 こちらも駆け寄った、受け止めるような姿勢で、 片手をひろげて伸ばす]
(77) 2015/02/23(Mon) 00時半頃
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[律がシャドウだなんて、やっぱり馨一の勘違いだった。 いつかの満月の時のように、彼はあかりの名を呼び、 受け止めようと、手を差し伸べてくれている]
律っちゃん、――律っちゃん!! [何度も名を呼び、縋るように幼馴染の ひろげて伸ばした手を取ろうとして]
(78) 2015/02/23(Mon) 00時半頃
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………………。
[一瞬、笑みが消える。 沈黙に、真剣な表情で、かえす。
それでも、笑顔を見るとそれはすぐに解かれて。]
よかった。 喜んでもらえるならそれが一番だもん。
うん、ずっと一緒にいるからね。
[包み込まれた右手。 その右手は、また指先を震わせる。]
(79) 2015/02/23(Mon) 00時半頃
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[もう一度、更にもう一度。 「き づ い て」 震える指先は、懸命に文字を紡ぐ。
それでも、やがてその手は離れ。]
うん、いってらっしゃい。 またあとでね。
[笑顔で麻夜を見送ると、自分の部屋に戻った。]
(80) 2015/02/23(Mon) 00時半頃
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------------------------------ -------------------------------------------------- >>34 メールへの返信 TO マヤ Subject RE:
おう なんか ごめんな やっぱ強いなオマエ、なんつって
シャドウの海、境界消すのはもちろん、手を貸すし出来る限りするつもり。けど、マユミって、あのマユミちゃん?シャドウってことなら、もう、 [以下少し空白] 戻れねえん、だろうな。
ちと、自分中でも、整理、つけないとな --------------------------------------------------
(81) 2015/02/23(Mon) 00時半頃
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[取ろうとしたその腕を、逆に掴まえた。 まだ落ちきらぬ夕焼けが、微笑ってみせた顔も赤く照らす。 花河の表情がよく見えた、むこうからは逆光になったかもしれない]
――あかり、 あの時の質問の答えはでた?
[力もこめずにただつかんだ、 その掌の温度はあの時と同じく冷たい]
(82) 2015/02/23(Mon) 00時半頃
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[そして自分の部屋に戻ると。
右手の掌に、思いっ切りハサミを突き立てた。
その表情は悦楽的で、まるで右手だけが別の生き物のように、痛みを露わに藻掻いていた。]
気づいてないと思った?ねぇ、そう思った? あはっ、どんな気持ち?ねぇねぇ、今、どんな気持ち? 彼に気づけてもらえなくて。私がかわいいって言われて。 悔しい?苦しい?辛い?ねぇ?ねーぇー?
[狂喜に満ちたその表情は、変わらず右手を凝視する。 傷を抉るようにハサミを動かし続けると、やがて右手は苦しむのをやめて沈黙した。]
(83) 2015/02/23(Mon) 00時半頃
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[そして、ニヤリと口角が上がる。]
(84) 2015/02/23(Mon) 00時半頃
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[家の外に出て…作り続けていた笑顔は真剣な表情に切り替わる。 同時に馨一の物とわかる着信の音がポケットで響いていた>>68]
… … … … … … …ケーイチ…傷は平気…?
[外を歩きながら、その携帯は馨一に対して直接の通話を掛けていた]
… … ケーイチに話しておきたい事ができた。 今すぐ病院にいく。
[あの右手の震え。違和感だらけの仕草。 あの時、無力に震えていた右の指先に刻まれたあの言葉を思い返しながら]
(85) 2015/02/23(Mon) 01時頃
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[明の右手には包帯が巻かれ。 それが微かに震えることは、もうなかった。]
(86) 2015/02/23(Mon) 01時頃
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