64 さよならのひとつまえ
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僕ね。
頼児を撮った写真が一番良く撮れてるんだよ。
[シャッターを、押す。
カシャリ、と音が響いた。]
(113) 2014/04/01(Tue) 02時頃
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[突き出されたVサインの手首にある色が、常と違う色とは気付いていた。]
それ。 似合ってるね。
[カメラを下ろし、にこりと笑って告げた。]
(114) 2014/04/01(Tue) 02時頃
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[さて。 時刻を少々戻して、朔の馬鹿との会話のことを回想する無作法をお許しいただきたい。
青臭い台詞を言い切った後、朔の笑い声を聞いて、久しぶりに笑ったと安堵した。 だがはて、朔は常に笑っていたではないかと自分の感覚に小首を傾いで。 まあいい、とぶん投げるに至る。
住所を教えられないと言われれば、何事か事情があるのだろうと思い、そうかと言わんばかりに頷いて。 電話越しでは伝わらないと思い出したので、そうかと声にも出しておいた]
悪戯しに来い。
[トラップしかけて待っててやるから。
そんな物騒な言葉が、電話の最後の会話であった*]
(+124) 2014/04/01(Tue) 02時頃
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ふーん、そういうものなのか。
[>>110野球は見るのもやるのも大好きだけどなと、全くジャンル違いのことを考える。]
ん? そうか、好きな人……
[好きな相手を撮る時が>>111と、明智は言った。 コツを聞き、成程と小さく頷く。
いつもより随分時間がかかっているように思えたが、やはり彼でも、フィルムのカメラはデジカメより扱い難いものなのだろうか。 レンズの向こうの表情は、読み取ることができぬまま]
(……絵も、同じだったりすんのかな……)
[沢山のスケッチブックを脳裏に思い浮かべた瞬間、笑みは、作られたものではなく、自然なものに変化する。]
(115) 2014/04/01(Tue) 02時頃
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[シャッターをきる音>>113に紛れるように、気のせいか、自分の名を呼ばれた気がした。 数度瞬き、何だろうと明智を見たが、好きな相手を撮るつもりで……などと言われたものだから、少々自意識過剰になっていたかと、すぐに思い直して自嘲を向ける。]
サンキュー、出来上がり楽しみにしてる。
[>>114カメラがおろされ、笑みを向けられると、少し恥ずかしそうに手首に触れた。]
あぁ、これな……。 丞からもらった。
(116) 2014/04/01(Tue) 02時半頃
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ザックは、メールを打ち終わると屋上から走り去った!
2014/04/01(Tue) 03時頃
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[野球と写真が同じなどあるかと文句を言われるかと思ったが、単純に納得してくれたようだ>>115。 そんなところも、好きになったのだけれど。
レンズの向こう。 柔らかく自然な笑みに、何故か胸が痛くなった。 でもそれはきっと気のせいだ。]
(117) 2014/04/01(Tue) 03時頃
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フィルム、使い切ったら現像するよ。 それまで待っててよね。
[楽しみだという言葉>>116に、そう返す。]
……そっか。
[頼児の口から出た名前に。 その名前を呼ぶ、彼の言葉の響きに。
短く零した。]
(118) 2014/04/01(Tue) 03時頃
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────行っちゃったなぁ。
(119) 2014/04/01(Tue) 03時頃
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─自室─
うん、行っちゃったなぁ。
[締坂は、1人ベッドの上で寝っ転がりながら。また、1人1人いなくなってゆく、寮の中。]
(120) 2014/04/01(Tue) 03時頃
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―中央棟・放送室―
[屋上から飛び出して、走って向かったのは中央棟。 中央棟の中には小さな放送室がある。 東棟、西棟、中央棟の全てに放送を流せる機材と、一本のマイク。 寮母室のものとはまた違うが、緊急時の連絡であったり年中行事であったりで使われるものの一つだ。 忍び込み、棚に置かれている備品の中から一つの銀盤を選ぶ。 あってよかったと、胸を撫で下ろしつつその銀盤をセットした。 始める前に一斉送信でメールを送る。
機材に触るのは、中学ぶりだ。
上手く出来るだろうか、不安は尽きない。 けれどそれよりもどこか、高揚する気持ちで。 息を整えて、深呼吸をして。
カチリとマイクのボタンを押した。]
(121) 2014/04/01(Tue) 03時頃
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あぁそっか、フィルムだと、全部撮んなきゃ現像できねーんだもんな。 撮り直しもきかねーし、不便だな。
[>>118けれど、出来上がりを待つ時間も悪くないかもしれない。 他にはどんな写真達が、自分と同じフィルムに刻まれることになるのだろうと。]
現像したらさ、送ってくれよ。 チームの寮はいったら、住所メールで送っから。
………。
[けれど、彼の口から零れた小さな音は、なんだか、少しいつもと違う気がして。 距離をつめて、自分より少し低い位置にある顔を、心配げに見つめた。]
(122) 2014/04/01(Tue) 03時頃
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─ いつの頃か・廊下 ─
[部屋に戻ろうとすると、2通のメールが届いていた。 1通目のメールには、先を越されたかと舌打ちしながらも笑い、2通目は、画像を何度も見なおして、眼を点にした。]
なんだ、これ……!
[おそらく返信文を作成している間も、表情はかなり怪訝なものだったろう。*]
(123) 2014/04/01(Tue) 03時頃
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フィルムはフィルムで良いとこあんだよ。 データだとちょっとした操作ミスでデータ消えたらおしまいだけど、フォルムならフィルムが残ればずっと残る。
[今このカメラに入った状態では、フィルムも危うい存在だと自分で実践している。 でもそれは言わない。]
わかった。 現像したら送るよ。
[こくりと頷く>>122。
距離をつめられ、反射的に同じだけ後ろに下がった。]
なあに?
[誤魔化すように笑う。]
(124) 2014/04/01(Tue) 03時半頃
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ライジは、明智の様子をうかがいつつ、その肩に軽く手を乗せた**
2014/04/01(Tue) 03時半頃
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[肩に手を置かれ、咄嗟に俯いた。
大丈夫。 僕は、大丈夫。 ちゃんと笑えている。
心の中で唱えた。]
ねー、頼児。 さっき、僕がコツ教えたでしょ。
だからね。 頼児がこれから撮る写真で、一番良い写真、見てみたい。
[一歩、離れる。]
(125) 2014/04/01(Tue) 03時半頃
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[一歩離れた場所から、5cm上のその顔を見上げた。 ちゃんと微笑んで。]
じゃあ、僕行くよ。 写真撮ってくれてありがとう。
[笑顔で手を振って、そこから離れる。 走って、走って。 自室まで走って、別途に倒れこんだ。
元々告白する心算はなかった。 告白しなくても構わなかった。
だって、僕らは男同士だ。後悔なんかしない。 彼が自分以外の誰かを好きになるって、初めから知っていたこと。]
(126) 2014/04/01(Tue) 03時半頃
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<<JO** FM>>
Hello!! This is DJ.SAKU Last Hour.
"Graduation"stay tune...!!
(127) 2014/04/01(Tue) 03時半頃
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ハァイ、みんな残り少ない時間を楽しんでるかい☆
今日は睦井利一と山本朔太郎が この学び舎を卒業するようだけど
彼らに限らず旅立った仲間へ 悔いなくお別れの言葉は言えたかな?
勉強に、友情に、喧嘩に、 将来の不安に、やるせない気持ちに、行き場のない恋愛に
悩む、青少年の君たちへ DJ.SAKUから
最初で最後の、この曲をお届けしましょう!!!
(128) 2014/04/01(Tue) 03時半頃
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[軽快なDJの声はどこからどう聞いても山本朔太郎、その人だ。 そして流れ始めるのは、当時は三人だったロックバンドの有名な夏の歌。 恋愛に悩む【恋するうさぎちゃん】がFMラジオにはがきを送る。 その相談にDJが答えていく、そんな明るい恋愛ソングだ。
難しく考えていた。 何もわからないと、何がわからないかも、わからないと。
捨てようと思っていた。 捨てられる前に、忘れられる前に、消えてしまう前に。
心に急かされて、蹴飛ばされていた。 迷っていて、曖昧で、始まってもいないのにゲームオーバーになっていた。
本当はもっと単純で、もっとシンプルだったんだ。]
(129) 2014/04/01(Tue) 03時半頃
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まだ夏には遠いけど、楽しんでいただけたかな?
おっと、ここで告知があるみたいだ! この学園で最高にロックな男、鳥塚 環による ナカニワ・ロックフェスが間もなく開催するぜ☆
みんなで中庭を、熱狂で取り巻こう!! さあ、中庭に集合だ!!!!!!
(130) 2014/04/01(Tue) 04時頃
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This program is brought you by DJ.SAKU
…――― See you Bye-bye !!!!
(131) 2014/04/01(Tue) 04時頃
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――――――……ふ、は。
[たった一曲分の、短い放送。 それでも放送事故なく終えた事に、微かな息を吐いた。
伝わるだろうか、届くだろうか、あの人に、何かに悩む誰かに、みんなに。
また一つ、思い出の頁が増えていく。 捨てようと思っていた、思い出のページが増えていく。 鮮やかな色彩、目まぐるしい音、柔らかな感触、優しい匂い。 暫くは放送室の椅子に座ったまま、一人昂ぶった興奮をゆっくりと落ち着ける。]
さて、と! もう一仕事せねばな。
[立ち上がり、【loveing rabbit】は放送室を後にする。 貰った勇気をフルにつかって、心残りを残さぬように。]
(132) 2014/04/01(Tue) 04時頃
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―寮室・4-K―
[部屋へと帰ればメールを認める。 一通は勇気をくれた、友へ。 一通は未送信フォルダに再度しまわれる。 空白だった本文とタイトルを埋めて、けれど送信は押さなかった。
窓を開ければ中庭が見える。 どれくらいの生徒が集まっただろう、野外フェスは成功するだろうか。 その場所から熱気が届く事を信じて、窓は開け放ったまま。 音楽が聞こえ始めたら、知っている歌なら、一緒に口ずさもう。
指先は引き出しを引いて。 今朝文房具屋で買っておいた、とあるものへと触れる。 そして誰にも秘密で、何かを作り始めた**]
(133) 2014/04/01(Tue) 04時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/04/01(Tue) 05時頃
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TO:入江 利政>>*26 TITLE:追伸 MESSAGE: すまん、添付ファイル見忘れてた。 これ、全身黒いやつ? それとも尻から背中までと顔半分黒いやつ?
全身黒いのは覆面ライダーBLACK(仮名)で もう一匹のほうはつきかげ先生(仮名)って呼んでた
ビッグマンっていうハンバーグ屋の 大俵ハンバーグに似てるからな>大俵 ――――――――――――――
(+125) 2014/04/01(Tue) 07時半頃
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ザックは、作業の合間に卒業していったみんなに、メールをポチリ**
2014/04/01(Tue) 08時頃
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TO:小鳥谷 博>>+122 TITLE:そうか MESSAGE: 眠りが浅い日が続くなら、顔をマッサージしたり熱い風呂に入ってみたらどうだろう。
成る程…… 対策をするなら、犯人の考え方を知る必要性があるか ――――――――――――――
(+126) 2014/04/01(Tue) 08時頃
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――――――――――――――
TO:保元 頼児>>*42 TITLE:RE:!? MESSAGE: 執事の格好する飲食店。 研修期間も時給が1200円なんだ
結び方これであってるか?[よだれを垂らして寝てるカピバラ] これ?カピバラだ。 かわいいだろ
そうそう、紐井屋がエースに連絡してやれだと。 ――――――――――――――
(+127) 2014/04/01(Tue) 08時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/04/01(Tue) 08時半頃
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― 回想・夜の中庭 ―
……ばーか。 そんな優しくないぞ、俺は。
[瞬く目に。戸惑って見える様子に詰めていた息を、ふ、と噴出した。>>+106
ぎこちなく握り返される手。まだ微かに震えているけれど、振りほどかれなかったことだけでひどく安堵する。くすぐったくて落ち着かない熱を改めて、自覚する。 この後振りほどかれたとしても、たぶん。 後悔は、しない。]
(134) 2014/04/01(Tue) 09時頃
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ずっと、触ってみたかった。 ……って言ったら引くか?
おかしいよな、男同士なのに。
[くちにすれば、案外簡単な二文字。 本当にこれでいいのかという不安になるほど、呆気なく。 それでいて、すとんと落ちてくる。]
気づかずにいようと思ったよ。 持ってけないものは、最初から持たないようにしようって。 言わずに、もうちょっとで行くはずだったんだけどさ。
[これがよかったかなんて、わからない。 大声で叫ぶことはできなかった。 でも。ずっと誤魔化していた苦しさが薄まり、胸の閊えがとれたように感じて。 僅かに目を細め、息を吸い込む。]
(135) 2014/04/01(Tue) 09時頃
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――…でも、これはここに置いてくよ。 これから、傍にいられないし。
[別の苦しさを堪えながら、続ける。声が震える。 しばらくになるか、ずっとになるか。告げることばと裏腹に、手を握る力は強くなってしまったけれど。*]
(136) 2014/04/01(Tue) 09時頃
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お前もか。環の奴といい…おのれOVER180…。 ほらよ。
[髪を擽る感触は悔しいことに心地よく。>>+110それでも口を付く呪詛に、まるで樹央が乗り移ったようだなと、小さく笑って。 おかわりを求められれば、喜んでそれに応じる。 今までだったら「同士発見か!」と色めき立ったかもしれないが、そうではないことは分かっていた。]
ああ、うん。 少し…からいな…。
[つられてもう一口齧ると、自然とぽろりと、雫頬を伝い。 もし涙のわけを尋ねられれば、チョコレートのせいだと言い張るだろう。 もちろん。この商品で涙を流したことなんて、今まで無かったにも関わらず。 やがてバスの振動が体を揺らせば、いつの間にか微睡に誘われ。]
なあ、成斗。 …三年間、楽しかったな。
[返事を待たずに、意識は眠りに落ちる。*]
(+128) 2014/04/01(Tue) 10時半頃
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To:環(*29) Title:Re:からおけたいかいのおしらせ [本文] さっきは見送りありがとな。走って転ばなかったか? 俺、曲あんま知らん。 じゃ、まあ。『となりのとろろ』
[※国民的人気映画。夕飯時に民家に押しかけて晩御飯を紹介してもらうという番組のプロデューサーだった主人公は、その日に選ばれた家庭の夕飯がとろろだけだったことに衝撃を受ける。 心温まるヒューマンドラマ。]
(+129) 2014/04/01(Tue) 11時頃
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