64 さよならのひとつまえ
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[愛するもの以外棄てていく。全部。何もかも。 そうしてすべてを最初からまた始めてゆく覚悟を。
─────その覚悟を**]
(16) 2014/03/31(Mon) 02時頃
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んーだよ、そんなにスーパーベーシスト様を撮りたいってか? しゃーねーなぁ
[片方の手は頭に、もう片方の手は腰に当て、あからさまなグラビアポーズをとりながらも]
俺も好きだぜ、ちーのこと。 プリンめっちゃ食うのも、馬鹿やんのも 俺たちじゃねーと、できねーもんな!
[やがて、この学校が環から外れる日が来ても。 ここで過ごしたこの一瞬一瞬が、彼の写すフィルムにくっきりと残り続けますように。 祈りはただ、想いを寄せて。
最後にべ、と舌を出す。 最高の決めポーズの完成だ!**]
(17) 2014/03/31(Mon) 02時頃
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―― 翌朝・4-O ――
[成斗と那由多が旅立つその朝。 男はようやく黒い包みに手を伸ばすことができた。 見送りには行けない。せめてこの包みに対する感謝をメールで伝えて終わろうと、そう思っていた。 それなのに]
……、へ
[唇から零れる、気の抜けた声。 驚きと共に大きく開かれる瞳。 箱の中に入っていたのは、2羽のひよこのキーホルダー>>3:188。フェルトで作られたそれは、ふわふわとした手触りで、可愛らしいもの。
彼の前で屋上から投げたピックに、よく似た。]
(18) 2014/03/31(Mon) 02時頃
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……ち、くしょ 成斗、てめえ、
[どうして2羽入っている。 そこに深い意味はないのだろう。しかし。
1羽を急いでスマートフォンにつけて尻のポケットに入れ、もう1羽を引っ付かむと、部屋を飛び出していた*]
(19) 2014/03/31(Mon) 02時頃
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─ 翌朝・食堂 ─
[リストバンドは、しっかりとつけたまま。 折角返してもらったハンカチは、結局、ジャージのポケットに突っ込まれたまま、洗濯されることになりそうだ。
放送>>2を聞いたのは、朝食中のことだった。 睦井と山本。 ふと窓に視線をやれば、今にも雨が降りそうだった。 何か、屋内で、彼らを送り出せるイベントはないものかと考えながら、トマトスープを飲みこんだ**]
(20) 2014/03/31(Mon) 02時頃
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− 日は落ちて−繁華街 −
[カラオケの会計は俺が出すと言い張り、言い張り、言い張った。 泣き腫らした顔で凄んでも、きっと迫力も何もなかっただろう。
食べた分と、歌った分と、互いに納得する額を出せば、ビルを出る。 紺色が伸び始める、雨上がりの空。 厚い雲は斑になるが、星には少しだけ、遠い。]
……やっぱ都会は明るいなぁ 駄目だなぁ、予想はしてたけど
[ふ、と細く長く溜息を吐き、夕食を何処で取るかと問う。 自分の当初の予定通り、どこかのファーストフードだったとしても。 丞のメールの提案通り、どこかのもんじゃ焼きの店だったとしても。 いいよ、と、小さく頷き、そうして笑って店を探した。]
(+11) 2014/03/31(Mon) 02時半頃
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[3月末までは、まだあの学校の生徒である。 寮母からきつく言いつけられていた言葉は忘れていない。
羽目は、外しすぎなかっただろう。]
まぁ、今夜は流石に泣かないと思うよ 楽しかった、ありがと、
……こんどはうちおいでよ、冷蔵庫あるしね 今からは困るけどね、まぁ、近いうちに
[などと茶化し、それぞれの帰路につく。*]
(+12) 2014/03/31(Mon) 02時半頃
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− 夜−自宅 −
[ベッドの上に置き去りになった買い物袋。 玄関から風呂場までを繋ぐように点々と脱ぎ捨てられた、まだ真新しい服達。 所々でフローリングの木目を歪ませているのは、落ちた涙が乾いていないから。
ユニットタイプの湯船の中、涙が止まれば栓をした。 すっかり貯まってしまった湯船に身を沈める。 掌で湯を掬って、未だ震えている瞼にそっと熱を押し当てて。]
……告白したの、初めてだ
[呟いた声は、換気扇の音にかき消される。 音が消えたと同時、カラオケボックスでの声が思い出されて、きつく目を閉じる。 そのまま身を沈め、頭までを湯に浸した。
涙は、流れていない。**]
(+13) 2014/03/31(Mon) 02時半頃
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わー。すーぱーべーしすとさまのせくしーしょとだー。
[環>>17へカメラを向けながら、棒読みのように言って笑う。 まるでグラビア撮影のように、「イイヨイイヨー」なんて煽り文句を言いながらぱしゃぱしゃと連写して。]
ね。僕ら、此処から離れてもずーっと友達だよね。
[最後に一枚、ちゃんとした写真を撮ってから、二人でプリンを食べた。**]
(21) 2014/03/31(Mon) 02時半頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2014/03/31(Mon) 02時半頃
女主人 ダーラは、メモを貼った。
2014/03/31(Mon) 02時半頃
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―前日・自習室―
[自習室を店の様相に整えている時分。 手伝ってくれていた保元が溢した感謝の言葉(>>4:228)に向けるのは笑顔。 毎日開かれるイベント、楽しくあれ、最高の青春であれ。 忘れられないものであれ、と。 それは忘れて欲しくないという思いと、捨てて行ってしまう友への謝罪。矛盾。
屋上で保元が俯いていた(>>4:224)のを思い出す。 今はどうだろう、カメラを回してくれていて(4:>>229)。 保元もこの時を楽しんでくれていればと、そう思う。
返ってきていないメール(4:>>251)もあった。 コンビニに寄る(4:>*65)というメールもあった。 来てくれなくても思い出が消えてなくなるわけじゃないのに。 顔が見えなければやはり、少し寂しかった。]
(22) 2014/03/31(Mon) 03時頃
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なゆたんは、もうちょい髪も気にかけるべ? 髪は自分自身なんだから。 だから、もうちょい、気にかけてやってね。
[髪を切ってくれと保科から言われた。 切りたいと思うことには、きっときっと訳がある。 丁寧にそろえながら、真剣な顔でそう呟いた。]
自分自身に。
[ふわりと軽くなった髪。 どこか、空の青を思い出させる色。 髪を切り終われば、とんと肩を叩いた。]
(23) 2014/03/31(Mon) 03時頃
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散髪代は貰えんべ?
[いつも何も貰わない、これはカットモデルのようなものだ。 練習に付き合ってもらうのだからと言おうとして。 続いて行く言葉と、その視線(>>4:256)を追いかけてしまった。
視線の先には頬に怪我をした姿。
「俺はもう出来ないから」のたった一言が小さな棘に変わる。 小熊の話を聞いたからだろうか、小鳥谷の告白を耳にしたからだろうか。 そんな些細な一言が、視線が、特別な色を含んで見えて。]
そ、れは、オレには無理だな。 手当ての仕方なんか、しらねぇもん。
[消毒液たちは突きつけられれば返すこともできず、受け取るに至るけれど。 受け取る時にほんの少し揺れた声なんて、誰にも伝わってなければいい。 髪を切っている間に現れた、未曾有の大事故的な裏声(>>4:263)には 真剣に髪を切る分、驚きで鋏を揺らすことはなかったのに。]
(24) 2014/03/31(Mon) 03時頃
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[花の持つ意味などわからない、そこに込められた意味にも気付けない。 けれど渡されていく花を見て、痛みが走るのは何故だろう。
いまは、考えてはいけない。 人の髪を切っているのだ、余所見をしてはいけない。
ふると頭を一度振ってから、次は小熊だと。 逃げるそぶり(>>4:318)をするのなら追いかけて。 そして大人しく座った小熊に、シートを着させた。]
あ、ミキオッティ! BGMたのんますよぉ〜!!
[歌の出前(>>4:294)にはビシッと親指を立てて。 周りで囃し立てる声を耳にしながら、怯える小熊の髪に櫛を通していく。]
(25) 2014/03/31(Mon) 03時頃
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ナルナルは、いきがって変な色とかに染めるなよ? こんな鮮やかな赤、めったやたらとねえんだぞ〜。 それから、ナルナルは自分で思ってるより髪伸びるのはやいんだから。 ちゃんと定期的に切りにいけよ?
[鋏は鮮やかな赤を軽くしていく。 夕焼けの色、若しくは鮮やかな暁。]
あと。 がんばれな?
[立ち向かうと言っていたから。 簡単なことじゃないけれど、だから、がんばれと伝えて髪を切り終えた。 目元を擦っていた(>>4:318)のは、きっと見間違いでも思い違いでもない。]
(26) 2014/03/31(Mon) 03時頃
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[終わる頃には途中で睦井がやってきて。 ツナマヨを進呈されかけるが、]
ごめ、いま食えん明日の朝飯にする! 冷蔵庫入れといて〜!!
[いつもの笑顔でそう告げた。 小さな違和を描き消すように。 普段と何一つ変わらぬよう、努めて。]
(27) 2014/03/31(Mon) 03時頃
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[散髪を終えるまで集中していた、だから聞こえなかった。聞こえないフリをした。 「朔太郎の腕は乱れない」 「きれーな長い指」(>>4:329) 信じられているのだ、だから指先を震えさせるわけにいかない。 そんな何気なく放たれたであろう言葉が嬉しくて、指など震えさせて居られない。 だから、集中していて聞こえていないフリをした。]
おつかれさん! 本店のご利用、お待ちしておりまぁす☆
[出張所が閉店すると、苦手な片付けを済ませた。 白辻が手伝ってくれている間(>>4:289)も普段と何も変わらぬようにして。]
アリスちゃん、早く帰ってあげな? 最後の夜だぜぇ、同室らしく一緒にいてやんなきゃな。
[小鳥谷が最後の日、たった一言の別れで済ませた自分が言うことではない。 白辻から渡された花と保科の視線が重なって、考えたくもない方向に、なぜか心も思考も傾いてしまうから。]
いってらっしゃい!
[そういって無理やりに片付けを早く終わらせた。]
(28) 2014/03/31(Mon) 03時頃
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[一つメールを送りつけ、のんびりと歩いて部屋へと戻る。 【朔太郎以外立ち入り禁止】の貼り紙がずれている。 きちんとぺったりと張り直して。]
あと少し。 もう、少し。
[ここにいられるのも。]
だから、だ。 痛いのは、だから、だ。
[独りの部屋で、そう、呟いて*]
(29) 2014/03/31(Mon) 03時頃
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―翌朝―
[いつものように、見送りには行かなかった。 バスは定時に訪れ、二人を未来へと運んでいくのだろう。 二人が向かう先に少しでも、幸せがあればいいと、願う。 いや、きっと、その片方は半分嘘に塗れているのかもしれない。
そして流れた放送に落ちる、名前。 出来ればそっと教えてほしいという我儘はやはり通用するはずもなく。 放送を聴いた全寮生が、山本朔太郎の退寮を知っただろう。
何もない部屋から起き上がり、足を向けるのは文房具屋。 とある品を買ってすぐに帰路につく、明日の朝のイベント、その為に。 寮へと帰り着けば寮母室まで書類を取りに向かい。]
ライラ姐の意地悪! こんな寮出てってやるんですからネッ!!
…――――ありがとう、ございました。
[冗談の後、最後には深く深く頭を下げた。]
(30) 2014/03/31(Mon) 03時半頃
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―屋上・貯水槽の上―
[買ったものと書類は部屋の引き出しに仕舞いこんで。 そういえば傘も捨ててしまったと、空模様を見て思う。 少し肌寒さまである春の空に、少しだけ苦笑が漏れた。]
最後なんだから、晴れてくれたっていいのにねえ。 オレそんなに日頃の行い悪いべかね。
……でも、いいか。
[雨は音を消してくれるから。 桜が散ってしまうのは、悲しいけれど。 音も、 も、 さえも、隠してくれる。
冷蔵庫から一つ拝借したツナマヨを頬張り仰向けに寝転んで。 カコカコとメールを打ち込んでいく。 一通は一斉送信。 一通は――――**]
(31) 2014/03/31(Mon) 03時半頃
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理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/03/31(Mon) 04時頃
理髪師 ザックは、メモを貼った。
2014/03/31(Mon) 04時頃
紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2014/03/31(Mon) 06時半頃
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― 昨夕・カラオケボックス ―
[夕飯は元より、嫌がられなければそうするつもりだった いつか、定良にとって俺が傍に居ることが 当たり前では無くなってしまうのを、予感している。 綺羅々輝く瞳は、人を惹きつける目なのだ
俺みたいに、身長こそ高くてもちっぽけな存在が いつまでもこいつの中に居座れるわけがないのだと 「人は変わる」を認めてしまっていた。
でも。それは、定良に限った話ではなくて。 だから、だから――なんだろう。 なにか、一部でも良いから残って欲しいと
星の咲くクラッカーを用意したり、 リストバンドの裏にメッセージを縫い付けたり 使い古したミットを描いたり 猫まみれのスケッチブックを作り上げたり 俺の中に或る下らない子供じみた我儘を、形にしたのは]
(+14) 2014/03/31(Mon) 08時頃
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[背負われた荷物が邪魔で、でも。>>+8 荷物が揺れているのは、解る。
切なさを伴って訴えかけてくる声音も、 次第に震えて、涙声になっていくのも、解る。 堪らなくなって、腕を引いた
簡単に外の世界へ定良を連れて行ってしまう ドアノブから手は浮き、向かい合わせた]
偉いって……言ってやるべきなんだろうけど、 我慢できて偉かったと、褒めてやるべきなんだろうが…
お前が、俺のせいでいっぱい泣いてたなら 打ち明けてくれた方が、嬉しかったな。
なにも、出来なかったのが、……悔しいなぁ、
(+15) 2014/03/31(Mon) 08時頃
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[無茶なことを言う、と罅の入った球体が、 俺に対して批判をする。
同性に告白なんて まして翌日普通に顔を合わさなければならない環境で 思いの丈を語るのが、どんなに難しいことなのか。 俺だって、知ってる癖して
それでも、俺は褒めてやることができない。]
…たくさん、苦しい想いをさせてたのに、 気付いてやれなくて、すまない。
ごめんな、
[これ以上なにかを今、俺のせいで泣いているこいつに 告げるのは、難しい。]
(+16) 2014/03/31(Mon) 08時頃
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[――悩む余裕も無かった。 短い前髪の下、髪の色と同じ薄い色彩をもつ肌に顔を寄せ、 広く露出した額に、唇を押し付ける。
押し出せない言葉の代わりに、涙が止まらない目に 水滴を沢山まとわり付かせた睫毛に、唇を押し付ける。
ここから出たら、もう。 こうして甘えさせることが、出来なくなってしまう。 三年間貯めてた俺の、庇護欲と執着を殺してしまう為に。
塩辛い雫を唇で奪い取った*]
(+17) 2014/03/31(Mon) 08時頃
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は...そうだな。 両思い、だな。
[もっと早く知っていればとは思わなかった。 これはさよならがもたらした奇跡のようなものだ。 今でなければ不可能だった。 なので続けられた謝罪>>15にもそれほど胸を傷めることはなかった。 同じ気持ちでいてくれた、その事実だけで十分過ぎた。]
絶対に言えないと思ってた。言うつもりもなかった。 俺は空っぽな案山子みたいな人間で、そいつは誰よりも綺麗な奴だから。
[眩しすぎたと瞳を細める。]
ただ最後の最後で、言えないはずの想いを言えたことで...こんな俺でも、少しは変われるんじゃないかって.....そんなことを思った。
[都合のいい夢を見る。 夢も花も愛も、全て目の前の男が与えてくれたもの。 離れてしまえば、そのまま流れ落ちて、元の空っぽな案山子に戻るのだと疑わなかった。]
(+18) 2014/03/31(Mon) 08時半頃
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...だけど、俺は変わりたいと思う。 そいつが想ってくれたことを、誇りにしたいから。
[それはまだ第一歩。がらんどうの案山子が脳みそが欲しいと願っただけで。 物語すらまだ始まっていない。]
...それでもいつかそんなときが来たら、改めてちゃんと告白したい。 そして、そいつの抱えてるものを分けてほしい。
[何が伝わらなくても、それだけは伝えたくて。ありすの眼を真っ直ぐに見つめる。 全て棄てていく。 切なげに零されたその意味を、今はまだ知らない。 彼にとってとても大切な意味があるのだと察することはできても。 まだ何の力にもなれない。]
(+19) 2014/03/31(Mon) 08時半頃
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― 夜の繁華街 ―
[ショップ通りの電気は既に疎らだ。 飲食店のある通りまで出ると、紅い空の下で駆けていた時よりもずっと賑やかだった。 俗っぽい文句を掲げたネオンや、目立とうとする居酒屋の看板に、全然違う世界に居るのだと苦笑してしまう。 向こうよりも余程明るいのに――何故だろうな、酷くくすんで見える。
身体の中に転がっていた球体は、破片として散っているからもう、耳鳴りを俺の鼓膜に届けない。 ……眼に訴えるネオンサインが、馬鹿みたいに軽く、色褪せて見えることの要因でもあるのだろうか。]
うーん…… 別の意味で明るいけど、こうも違うのか。
排気ガスとかそういうのも関係してる?
[憶測で語るよりも教授に聞いた方が早かろう。 傍らの友人を見下ろして、首を傾げさせた。
折角都会に来たのにファーストフードで良い、と指さす定良の帽子を手の甲で軽く叩く]
(+20) 2014/03/31(Mon) 08時半頃
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待ってろとは言えないし、言わない。 情けない話だが、これが今の俺がそいつに言える、全てだから。
[ありすがどんな顔をしているのか、確認するのが恐ろしかった。 まだまだやはり、情けないままで、全然及ばないと実感する。 それでも心は、ほんの少しだけ晴れていて。]
じゃあな、ありす。 サボテンの報告、忘れんなよ?
[最後はニヤリと笑って。 彼のルームメイトとして、別れの言葉を告げた。*]
(+21) 2014/03/31(Mon) 08時半頃
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お前は鳥頭か なんかうまいもん食おうって言ったのは定良だろ カラオケで食ったもんもファーストフードみたいなものじゃないか
[田舎もんに見える、というのを理由にして。 ショップ袋のうちひとつを難無く奪ってもんじゃと書かれた看板の奥に入ってゆく。 低い枠に頭を打ち付けたのは、もはやお約束な流れだった。
もんじゃの作り方を店員のおばちゃんに教えて貰ってから、銀色のボウルの中で味付けたタネを、汁が出ないよう気をつけながらキャベツだけ鉄板に下ろして軽く炒める。
ヘラで堤防を作る間、あんま顔近付けると跳ねるぞ、と注意を促して]
っ…そーっとゆっくり、 ――あ゛
[堤防の真ん中に流し混む時、少し先の床を優雅に散歩する茶色い害虫を見付けてしまった。 手元が狂い、びちゃっとキャベツの囲いをはみ出してしまう。]
(+22) 2014/03/31(Mon) 08時半頃
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…………ごめん、
[定良に短く謝った後、おばちゃんから下町風に雑ぜてしまえと薦められたので、二本の大きなヘラで混ぜる事にした。
店員が去った後、言い訳をするように最初からそれを狙ったのだと零したが、果たして信用に値したかどうか*]
(+23) 2014/03/31(Mon) 08時半頃
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[十文字からのメール。
宗介とあってる?
疑問が沸いた。 同窓会にしては早すぎるだろう。
何か事情があるのだろうとは思ったけれど。
だって、あの寮を出たら、みんな離れ離れ というか、
十文字は、頼児と、じゃなかったっけ。 まあ、宗介と友達として会っているのだろうけど。
宗介との会話も思い出して、 少し引っかかった。]**
(+24) 2014/03/31(Mon) 08時半頃
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