108 Persona外典−影の海・月の影−
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
6日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
|
― シャドウの海 ―
[さて、地上の時間はそれほど過ぎたのだろうか。 荒れていた水面が凪ぎ、やがて静まる。 立季は波打ち際の向こうを見た。
この先に起こり得ることは何か。 考えるより早く、闇の流れは去来した。 先程までとは比べ物にならない高さの波は、容赦なく立季と翔子を飲み込もうとする。
波打ち際から、更に遠く、足の着かない深みまで。 >>16翔子を現実へ押し流そうとする流れとは裏腹に、立季の存在は更に深い闇の中に誘われる。 ――しかし、>>15それを押し留める力が在る。]
(30) nico 2015/02/27(Fri) 01時頃
|
|
…………翔子、
[立季を押し戻そうとする闇の力は強い。 ともすれば翔子をも闇の奥へ閉じ込めてしまうかもしれない。 そう考えながらも、立季は彼女を制止することが出来ない。
彼女がどれほど自分を救おうとしてくれているのか。 それを思えば、自分ひとり、闇の中に残ることをよしとすることは出来なかった。 一度は沈みこんだ場所だ。 しかし、そこから這い上がることが出来るならば。]
(31) nico 2015/02/27(Fri) 01時頃
|
|
…………ペルソナ。
[囁くと共に、立季の足元から淡い光が溢れ出した。 そこから現れるのは、赤と青。 二色に彩られた、人の形をしたペルソナだった。
ペルソナは押し寄せる濁流を片手で払い、 もう片方の手で黒い流れの中に一筋の道を作り――。]
(32) nico 2015/02/27(Fri) 01時頃
|
|
― そして、現実へ ―
…………あ。
[どうやら、ゲームの最中に眠っていたらしい。 立季の目にまず飛び込んできたのは、黒い画面にいやらしく点滅するGAME OVERの文字だった。 時計に目を遣ると、既に針は夜であることを示している。 お腹がすいた。
暗い部屋の灯りを点け、立季は冷蔵庫に向かった。 つい先日母親を事故で亡くした立季に同情して、近所の人が食事を分けてくれる。母親は、この立派な家を遺してくれた。 おかげで高校生にして一人暮らしでありながら、立季の生活事情は悪くない。
実の父親から一緒に暮らそうと持ち掛けられたこともあるが、 立季はこの悠々自適の生活を気に入っていた。 一緒に住む代わりに大学を卒業するまでの学費を頼むと、父親は二つ返事で快諾してくれた。]
(34) nico 2015/02/27(Fri) 01時頃
|
|
[友達は決して多くないが、好きなものに没頭していられる日々。 図書館で借りた大量の本を読み耽る。 勉強に精を出す。 その合間に、少しだけゲームをする。 ごく普通の、何の変哲もない高校生活。
でも。]
…………。
[立季はふと、肉じゃがを突く手を止める。 何か――大切な何かを、忘れている気がする。]
(35) nico 2015/02/27(Fri) 01時頃
|
|
― 暫く経って/下校途中 ―
[意識不明の人々が目を覚ましてから暫く後。 立季が登校すると、久々に空席が埋まっていた。 席の主は、立季の珍しい友人の一人である大塚麻夜だ。 しかし。]
…………。
[普通に挨拶をしたつもりが、何故か釈然としない反応が返ってきたことを思い返し、立季は眉を寄せる。 何かを忘れているような感覚と、友人の反応。 違和感を覚えながらも、違和感を疑念に、疑念を確信に変えるだけのピースが揃わない。
帰路の最中、立季は自分の手を見る。 確かに、何かが足りない。何かがおかしい。]
(72) nico 2015/02/27(Fri) 23時半頃
|
|
― 南部・自宅付近 ―
[どれだけ問い掛けても答えは見つからない。 そもそも問題が何処にあるのかも分からない。 解けないよりも複雑な状況にもどかしさを覚えながら、歩みを止めずにいれば――。]
…………?
[>>66自宅の前に、少女がいることに気付く。 立季は無意識に、赤い眼鏡の位置を整える。 少女に見覚えは無い。――いや、ある。 自宅の前から、距離にしておおよそ50mほど。 立季は足を止め、そこに佇む少女を見つめた。]
(73) nico 2015/02/27(Fri) 23時半頃
|
|
[何故、名前を知っているのか。 何故、家の前にいるのか。 問うべきことは沢山あった。 しかし、立季はそれらを口にしないまま、意を決して少女の傍まで歩み寄る。
>>74すっかり赤くなった頬を見下ろし、寒々とした足を見下ろし、それから視線を少女の顔へと戻す。 髪を留めている赤いリボンが、やけに目に付く。]
…………君は、誰? どうして僕の名前を知ってる、のかな……
[聞くまでもないはずのことだ、と何かが囁く心地がする。 立季は鞄を腕にかけ、少女の頬に触れようと片手を伸ばした。]
(81) nico 2015/02/28(Sat) 00時頃
|
|
…………姫城、翔子。
[>>90立季のデータベースには間違いなく存在しない名前だ。 にもかかわらず、その名を口にするだけで胸の奥がざわつく心地がする。 分からない。そう返してしまうのは容易い。 しかし、それを口にするのは憚られた。
その直後。 零れ落ちる涙に、今度は立季が目を丸くする。 少女を泣かせたこともまた、記憶には存在しない出来事のはずだ。]
…………何処か、痛い? 僕は……前にも、君を泣かせたことが、あるのかな。
[気付けば立季は、親指の腹で頬を撫で、少女の涙を拭っていた。]
(91) nico 2015/02/28(Sat) 00時半頃
|
|
[具体的な手順、対処法を考慮するより早く手が動き、少女の涙を拭っていた。 まるでそうすることが当然だと知っていたかのような感覚は、>>97少女の言葉に裏付けされた。 或いは、少女がさも知り合いであるかのように嘘を言っている可能性もあるが、立季はそれを除外する。 彼女がそういうことをする人間では無いと思える感覚を、『知っている』という言葉以外で説明することは難しい。]
…………約束。 僕は君と……翔子と、約束をした?
[それは、とても大事なピースだ。 足りないものを探る為だけではなく、自分の存在の根底にすら関わる程の。]
……そうだ。 僕は、翔子と約束をしたから、…………だから、ここに
[手と手が重なる。確かにその温度を知っている。]
(100) nico 2015/02/28(Sat) 01時頃
|
|
…………暗くて、静かな世界。
[>>105彼女の口から語られるそれは、ずっと昔に立季が描いた理想の世界のように思えた。 寂しい事も、苦しい事もない世界。 未来も過去も無く、ただ闇に包まれた世界。 しかしそんなものを夢見ていたのは遥か昔のことだ。 ――いや。違う。]
……プレゼント。クリスマスの、だ。 クリスマスだし、暗い中でも目立つように、って、 赤い、リボン…………
[大きなピースを軸に、小さなピースが揃っていく。 断片的に思い出される出来事を組み合わせる最中、少女の――翔子の差し出した紙袋を受け取った。]
……開けてもいい?
(109) nico 2015/02/28(Sat) 01時半頃
|
|
…………うん。似合ってる。
[>>117そうだ。確かにそう、彼女に言った。 揺れるリボンを見、立季はそれと同じように赤く染まる頬から手を離し、紙袋を開いた。 そこにあるのは小さなお菓子が幾つかと、それに栞。
立季はふと、ここ数日の教室の喧騒と、その理由を思い出す。]
……私を探して。そして、見つめて。
[栞を見て、立季はそう呟いた。シロバナタンポポの花言葉だ。 立季は顔を上げ、翔子をじっと見つめた。]
…………ありがとう、翔子。
(121) nico 2015/02/28(Sat) 02時頃
|
|
― それから、時間が過ぎ ―
[立季が思い出したことは、断片にすぎなかった。 苦しみも悲しみもない暗い世界を望んだこと。 翔子と交わした『一緒にいる』という約束。 それから、翔子にあげたものや、翔子にしたことの幾つか。
未だに思い出すに至らないものは多くある。 例えば>>152すれ違った誰かに抱いた既視感の理由だとか、暗い世界で何があっただとか、暗い世界を望んだが故に何をしたのかだとか。 >>85あの時の麻夜の反応は、今もしっかりと覚えている。 恐らくは失われた記憶の中に答えがあるのだろうことは想像に難くない。これもまた、解決すべき問題の一端だ。
きっと、思い出すのはそう遠い日のことではない。 抜け落ちた部分に干渉していた人間に触れれば触れる程、 失くした記憶の欠片が集まることは実証済みだ。]
(197) nico 2015/03/02(Mon) 01時頃
|
|
― 春も間近の頃 ―
[可愛らしいお菓子と、栞を貰ってから丁度一ヶ月ほど経った頃。 立季は目当ての姿が近づくのを見つけ、黒色の表紙をした本を閉じた。
少し前に図書館に寄贈されたらしきそれは、初めて読む本のはずだ。 しかし重厚な表紙と、古い紙の感触はまるで以前から持っていたもののように、何故か掌によく馴染む心地がした。 返却期限は迫っているが、手元に置いておく必要がある。 そう立季が感じた理由が判明するのは、今しばらく後のことだ。]
…………行こうか。
[立季は少女の手を取って歩き出す。 向かう先は――。]
(198) nico 2015/03/02(Mon) 01時頃
|
|
― 南部/幸川家 ―
[やや広いリビングのテーブルに、紅茶が二人分。 市販のクッキーを小皿に並べ、立季は少女と並ぶようにソファーに腰掛けた。 歳の割には小柄な立季と、更に小柄な少女の間には遠慮がちな隙間が空く。]
…………これ。 この間の、お礼。
[立季はそう言いながら、小さな紙袋を少女に差し出す。 中身は内側に綺麗な細工を施された、まんまるな飴がたくさん。 小さなビニールに包まれ、リボンで丁寧にラッピングされている。]
お返しは、飴だって聞いたから。
(199) nico 2015/03/02(Mon) 01時頃
|
|
[立季は一度紅茶で喉を潤してから、少女を見つめる。]
…………その。 前の僕は、君に色んなことを話すつもりでいた……と、思う。 そういう約束も、多分、した。 でも、今の僕は、前の僕について話せるほどの記憶が無い。
だから……今の僕の話を、してもいいかな。 前の僕の記憶はなくても、 ……今の僕も、僕を知って欲しいって思ってる。 君に知って欲しい、っていうのはきっと、 僕たちの共通した願いだから。
いや、知って欲しい、だけじゃなくて……
[立季は一度、言葉を区切った、 喉の奥と唇がやけに乾く気がして、再び紅茶を口にした。 少し大きめに息を吸い込み、吐き出して。]
(200) nico 2015/03/02(Mon) 01時頃
|
|
……僕は、君と一緒にいたい。 君を守りたいし、君を大事にしたい。 これは多分、どの僕も同じ気持ちだった、と思う。
…………だから、僕のそばにいて。翔子。
[立季はそう告げ、ふぅ、と大きく息を吐き出した。 その告白――意志に呼応するように、白花蒲公英の栞が挟まれた黒い本が淡い光を放っていることに、立季は未だ気付かない。*]
(201) nico 2015/03/02(Mon) 01時頃
|
|
― 南部/幸川家 ―
[母が亡くなって以来、早い時間に家を訪れる者はいなかった。 近所の人が様子を見に来るのは夕方。 夕飯の時間帯と相場が決まっている。
予測していなかった呼び鈴の音に、立季は読んでいた本から視線を上げる。 然程の警戒もなく扉を開け――。]
…………それ、何?
[>>202確かに自分のものと同じ赤い眼鏡を見て、自らの眼鏡の所在を確認した。眼鏡は、確かに定位置に収まっている。]
(203) nico 2015/03/02(Mon) 01時半頃
|
|
銀とか黒は、あんまり似合わないって母さんが言ったから。 …………そんなこと聞きにきたの?
[>>210外された眼鏡に手を伸ばして良いものかどうか。 迷った末に手は伸ばさず、視線を麻夜に戻す。 あれは確かに自分のものと同じ眼鏡だ。 しかし自分は眼鏡のフレームを壊した記憶もなければ、それを麻夜に預けた記憶もない。
そこまでを考えて、立季はふとある可能性に思い至る。 或いは麻夜も、抜け落ちた記憶に関わる者ならば、どうだろう。]
……シャーロック・ホームズと、明智小五郎、だけど。 二人とも頭脳明晰で、優秀な助手がいて、宿敵がいて…… 定番で王道だけど、だからこそ色褪せない、っていうか。
(213) nico 2015/03/02(Mon) 02時頃
|
|
麻夜の、本当に聞きたいことは……何?
[立季はきちんと解答を示してから、自らの問いを口にした。 麻夜が口籠っていることは明白だ。 そしてそれは恐らく、欠落した記憶が原因のことでもある。
麻夜の話を聞けば、記憶を取り戻す一助にもなるだろう。 そう踏んで、立季はじっと麻夜の反応を伺う。]
(214) nico 2015/03/02(Mon) 02時頃
|
|
…………?
[>>216問い掛けの意味が分からない。 立季は目を丸くし、表情でありありと心境を伝えた。 ここにいる、と問われるまでもなく、ここにいる。 しかし、問われたことに意味があるのだとは数秒で察せられた。
『いるのか』と問われたことを反転して考えるなら、過去に『いなかった』という事象があったと想定するのが相応しい。 立季は、今の自分とは異なる自分が存在していたことを知っている。しかし、麻夜の言葉の指す真意を知るのは、今よりまだ少し未来の話だ。]
(221) nico 2015/03/02(Mon) 02時半頃
|
|
…………僕以外の僕がどう言ったかは知らないけど、 僕は麻夜以外、友達を作った覚えがない。
[>>218麻夜の求める答えに相応しいか否かは分からない。 しかし立季は今の自分について幾つかのことを端的に伝えた。
自分以外の自分の存在があるのを知っていること。 それが今より過去の時間軸に存在していたと知っていること。 そして――。]
……僕の友人は、麻夜だけだ。
(222) nico 2015/03/02(Mon) 02時半頃
|
|
[>>228突然の慟哭に、面喰わなかったと言えば嘘になる。 しかし立季は驚きながら、されるままになることを選んだ。
翔子との約束と、麻夜の行動。 その二つに関連性を見つけることは難しい。 過去の自分と今の自分という単純な二分割では無く、或いはもっと多元的な話である可能性も否定できない。 しかし仮定は全て仮定に過ぎず、他にもっと重要なことがある。]
(230) nico 2015/03/02(Mon) 03時頃
|
|
…………麻夜、痛い。
[弱い力とは言えど、度重なれば痛いものは痛い。 殴られながらも伸ばした掌で、あやすように背中をぽんぽんと擦る。
理由もなく、こんな姿を見せる友人では無い。 その理由が今はまだ分からない。 忘れていることに対しての申し訳なさは存在する。 しかし、それも追って解決すれば良い。]
前の僕が何をしたかは知らないけど 破天荒な探偵を見守るのは、助手の仕事だ。 ……ちゃんと、やってくれるね?僕のワトソン。
[ふと軽口が口を突いて出たのは、探偵小説の話を振られたせいだろうか。 立季は意地悪い笑みを浮かべ、下から覗き込むように麻夜の表情を伺った。**]
(231) nico 2015/03/02(Mon) 03時頃
|
|
― 南部/幸川家 ―
…………うん。 約束する。
[>>205立季は差し出された小指に、自らのそれを絡める。 前の自分についての記憶は未だ完全には取り戻せていない。 しかし、分かっていることはある。
翔子との約束が、今の自分を形作っているということだ。
翔子との約束を果たすことは、立季にとって生きることに等しい。 必ず、果たさねばならないことだ。 その決意が齎すものを未だ知らないまま、立季は翔子を見つめて、穏やかな笑みを浮かべた。**]
(232) nico 2015/03/02(Mon) 03時半頃
|
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
6日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る