78 わかば荘の薔薇色の日常
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[ここに居場所はなさそうだと感じた時に、泣いてでも、ダダをこねてでも、これからの一生の使い方を変えても、魂を捧げても、その熱量を生み出す手段を得て、立ち向かわなくては『絵描き』を続けることが出来ない気がして、立ち向かうのをやめた。 だから、美術畑の人間として自分を語る資格を感じない。 落伍者として恥じている。 もう、南方にとっての「コンクール」は一度終わっていた。 もう一度参加するには、妥協を味わい過ぎたと感じている。 それでも、絵がこの世で一番楽しいと味をしめてしまった人間が、完全に手放すのは難しかった。]
(=288) 2014/07/02(Wed) 21時頃
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[少し眠そうな声が、返事をしたのが聞こえた。 じっと読んでいたから、眠っていた事にも気づかなかった。 起こしたらしいと知って、可哀想な事をしたかなと感じる。 尻の横へ手をついて、背中の方へ顔を向けた。 新人賞という事はつまり、小説家になりたい、小説を書き続けたいという事として捉える。 本が好きだから、書くのだと言っていたのも、同時に思う。]
これ、最後は?
(628) 2014/07/02(Wed) 21時半頃
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[間中に表情が見えていないとは知らなかったけれど――その時南方は、ひどく、居心地悪そうな、不安げな顔をしていた。]
(=309) 2014/07/02(Wed) 22時頃
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……。
[最後はどうするのかを聞いた。 間中の声音は、珍しく、重い。]
(640) 2014/07/02(Wed) 22時頃
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――……
[語られた内容は、丁度思い出していた状況を皮肉るみたいに、強かだった。打ちのめされて、呆然として、屈服し、歩く方向を変えた自分を思えば、その結論には、そう出来ていれば――そんなふうに、思えなくもなかった。 結末は、物語上の結びとして、しっくりとして――いるのだろう。多分。]
(=310) 2014/07/02(Wed) 22時頃
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……。
[その重い声に、質問をした。]
遊は、泣いたことねえんだっけ。 そういうので。
(642) 2014/07/02(Wed) 22時半頃
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/* ここにきて霧かとおもった
(-252) 2014/07/02(Wed) 22時半頃
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[あまりに、しれっと、忘れたというものだから。 平然と投げ捨てられるような事に聞こえて「ない」と同じ括りとして捉えていた。]
……ちょっと別の話になるけどさ。
今朝俺にコンクールがどうのって聞いたじゃん。 俺は、たぶん、 ほんとは、少なくとも今は―― 出せねえわ。
[白状した。]
……
いつ諦めようって思うか、分かんないよな、 ああいうの。
(649) 2014/07/02(Wed) 22時半頃
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[どの口がいう。 そう思って、開きかけた口が、とじかける。 ――できれば、言いたくない。 他人の域を踏み越えるようで、ひどく、抵抗がある。]
妥協とか要領だけで作ったやつで挑むと、 当たり前だから、それこそ泣けもしねえの。 ……
だからどうしろって言う気はないよ。
[こらえきれず、線を引き直す。]
……描きたくもないものを、描くのって 意外と麻痺するんだけど―― やめちまおうと思った時に、やらなきゃ良かったとしか ほんとに思わなかったからさ。
(654) 2014/07/02(Wed) 23時頃
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どうとか―― ……
[聞いてどうするのだろうと、思う。 自分は審査員でもない。素人以下の人間だ。 モニターへ視線を向け直す。 ラストシーンを見なおした。]
――……
[小さく、いう]
(662) 2014/07/02(Wed) 23時頃
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[けれど、その切羽詰まった感覚は、分からなくはなかった。 自分の時は――どうだったろう。]
(=321) 2014/07/02(Wed) 23時頃
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めちゃめちゃ綺麗なものを見た時に、 そうだな。泣きそうにはなった事はあるよ。
(=322) 2014/07/02(Wed) 23時頃
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[落胆。吐息の意味は確かめなくてもすぐにわかった。 >>663 >>664 >>665]
……
[酷な事を聞くように思う。 引き直されたラインに、間中は容易に踏み込んだ。 いつの間にか、できれば、可能なら、自分の二の舞いにはならないで欲しいと、思えていた事に気づく。たかが、集合住宅の、隣人の他人に対して。]
続けるのって、リスキーなんだよな。 そのまま、どうにもなんないやつだって居るし。 でもそれは、織り込み済みじゃねえと。 リスクを背負いたくなくてやめちゃうのは――簡単だし。
[そして、それが、自分だ。 ここに居られない、と言う間中に、目を瞬く。]
(673) 2014/07/02(Wed) 23時半頃
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――書くために要らねえなら。 此処だろうと何処だろうと要らねえよ。
逆に要るなら。 他全部無視しても、持ってないと。
(674) 2014/07/02(Wed) 23時半頃
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ほしいもの全部残るかどうかなんて。 才能の話になっちゃうぜ。 俺は才能の話は出来ないよ、遊。
[自分には、ないと感じるものだからだ。 間中には――美しさを感じる力も、楽しさを感じる力も、まだまだ、残っているだろうに。]
悪いな。
[諦めた人間は、自分を凡人と評す。]
凡人にゃ優先順位の話位しかできないね。
(681) 2014/07/02(Wed) 23時半頃
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